- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532261399
感想・レビュー・書評
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「上から目線」の言動に関し、それをする側・そう感じる側の心理構造、そして、「上から目線」を取り巻く文化的・社会的土壌について解剖・分析された本書。
私自身、日々の生活において「上から目線」を感じる場面が多々あり。
その裏には、上下・勝ち負けで物事を捉える心理や、「空気を読む」という日本文化、はたまた周りからの視線が気になるといった心理が隠れていることを、本書を通じて理解しました。
また、「人間とは人間関係のことである」の項で紹介されている和辻哲郎・木村敏の見方はたいへん面白く読ませていただきました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"この本は、「若者→年長者、上司」と言った明らかに上の人に”上から目線”でものを言う傾向を分析しているが、それに限らず、同僚、友人という上下が関係ない間柄でも”上から目線”に困る人はいるのが現代社会であると思う。そういう人も参考になると思う。若者の傾向が主に述べられているが、「若者」を周りによくいる”上から目線”の人に置き換えて読んでみても良いと思う。
上から目線、のみならず他人のコメント、助言に過敏に反応し反論するのは、過度な自己愛と自信のなさの裏返し、とある。自分がそういう態度をとるときに戒めと同時に周りにそういう態度を取る人に腹を立てるでなく、客観的に見ることができるようになれそうなのはこの書から学んだこととなるだろう。
父性社会と母性社会の説明及び著者の「そのバランスが重要」というコメントは、強く同意した。競争に打ち勝って行くのが父性社会に対し、”皆が素晴らしいのよ、あなたはあなたのままでいいの”と受け入れるのが母性社会。日本は元々母性社会。そこに、昨今特に競争が激しい会社や社会では、日々努力し、競争し、勝っていかなければならない。(たまにこれに疲れる私。まあ、私だけでないだろう)日本人の多くが勘違いしているのが”あなたはあなたのままでいい”という言葉は、極限まで傷ついた人にかける言葉であって、たいして努力もしていない人に対してかける言葉でないということ。それによりゆがんだ自己愛、自己主張が生まれてくる。自分の甘え、他人の行動ともに、ハッとする言葉であった。" -
特に気付きは無し
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「君の仕事の仕方は、上から目線で評判が良くない」と上司に言われ、お前こそ上からじゃないか、と憤ったものの、お互い様と納得した自分だ。当り障りのない会社に発展なし。
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やっかいな若者の問題を扱った本だと思いきや、心理学や教育問題からの考察など、極めてまじめな本。
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上から目線の理由・そのように見られない・感じられないような話し方や態度、逆にそれを感じないようにする相手の理解の仕方を知りたいと思った。そのような内容ももちろんあるが、そこから派生した若者論が本書の多くのページが使われており、少し期待とことなった。
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この本で描かれている日本人の精神構造を知ることは、現代日本社会の病巣を考える上で非常に有用である。現代日本人の精神構造を身近な例を挙げながら心理学的見地で解剖した本書は非常に実務的な本であるといえます。本書を読んで私はいろいろと思い当たること、そして自身反省しなくては!ということが多々ありました。
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しっかりした社会状況の解説になっており、新書のレベルは超えている。
ただ、後半はいろいろな言説を散り散りに集めた状態になり、まとまりに欠けたところが残念。 -
社会の変化
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優位に立てない自身のない人物が目線に敏感。自信のなさから、攻撃的な反応。 甘えの心理から「すねる」「ひがむ」「ひねくれる」「うらむ」が生じ、被害者意識を持つ。偽物の「プライドの高さ」は崩れそうなプライドを高い位置に支えようと必死になり、脅威にさらされると過剰に反応。失敗して落ち込むか、それを生かすかは感情的に反応か認知的に反応かの違い。「空気」を読むは日本独特の文化規範。空気を読みすぎて、鏡映自己出来ず、自分がわからなくなっている。母性原理vs父性原理。父性の弱体化。そのままの自分を受け入れる、そのままでいい、は違う。