- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532261399
感想・レビュー・書評
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2012/06/06 そうだよ、って感じ。子供向けか
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人と人の関係や世の中と自分とを結ぶ関係が変わってきているのを感じる。
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近年、同等の立場とされる友人や同僚はともかく、上司に対しても「上から目線」だと反発する声が多いと言う。
本書は、そうした「上から目線」の問題を出発点に、「上から目線」をする側、される側自身の心理から、その後ろにある、より広い背景を捉えようとしている。
多くの方が指摘されているように、後半は若者の話がほとんどなのだが、それは、著者の主張に沿ったものだと思う。つまり、今を生きる若者こそが、不安定な社会(例えば、母性社会と父性社会による混乱)に放り込まれていて、そこに個人レベルを超えた「上から目線」の背景があるという事ではないだろうか。
私が面白いと思ったのは、他人への目線を気にする事が、実は他人の自分への視線を気にしているに過ぎない、つまり、現代人は基本的に自分への関心しか無いという指摘だ。しばしば、他者との距離感に戸惑ったり、仲間内で設定されたキャラを演じたり、現代人は一面で周囲に非常に気を使っているように思える。
しかしそれは、自分の鏡としての他者と言う存在があいまいになっているという事を意味している。友人にさえ本音をぶつけられない中で、他者の言葉も本音かどうか分からない。つまり、自分の鏡としての他者と言う存在が機能しなくなりつつある。
そうした環境は人に他人への恐怖(例:どこまで言っていいのか)を抱かせ、人々に本音を押し込めさせ、結果として自分から自分を覆い隠してしまう(鏡が曇るという事である)。
ではどうすれば自分と言うものを確立できるのか。著者に言わせればそれは、母性社会と父性社会がバランスよく存在することである。(以下私の捉え方だが、)補足すると、落ちこぼれを切り捨ててもいけないし、多様性を認めないことがあってもいけない。多様な個性を持った個人が、葛藤し、共存し、理想の自己と言うものを持ち、自尊心を確立するという事が大切なのではないか。
本書の中で教育に関して言及されている部分がたびたびある事は、そのような著者の主張であると私は捉えた(バランスが大事など、この手の主張はありきたりではあるか?)。
ぐだぐだと書いてしまったが、ともあれ、いろいろ考えることができるので面白い一冊である。特に「上から目線」されて辛い立場にある人にとっては、問題はそれほど深刻ではないと教えてくれるかもしれない。
追記:本書は「上から目線」をしてくる人への対処法などが書かれているわけではないのでご注意を。あくまで、その背景の探求を、様々な議論を踏まえながら試みているだけです。 -
詳細なレビューはこちら↓
http://maemuki-blog.com/?p=9819 -
心理学を突き詰めると自分の未熟さに気づかされる。自己愛の塊のような人間のくせして、他人の前ではやたらめったら謙遜する。恐ろしいほど高いプライドを内に秘めているのに、誰に対しても謙虚で腰を低く接する。そのくせエラソーな態度を取る人間には眉をしかめる。どこか卑屈さを抱えているものなのだと気づかされた1冊。
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流行りのワードをタイトルにしつつ、特に後半は専門分野の研究事例と今どきの若者品評。前半は楽しめた。「本当の自分はこんなものじゃない」という誇張自己と、「こうなりたいが、今の自分はここにいる」という理想自己の違いは参考になった。
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最近の若者っていう言い方はざっくりと人をまとめるような乱暴な言い方で嫌いだったけど、近所で遊んでる小学生とかを見ていると、取り巻く文化や環境、技術が変わってきているから、人との関わりなども世代によって特徴が出るんだなと納得した。
後輩からの視線が上から目線だなーと思うことがあったけど、自分自身も上から目線で人にものを言ってしまったこともあると反省。 -
すべり出しは引き込まれるような面白さがあったのに、後半からありふれた、手垢まみれの「若者文化論」になってしまったのが残念。
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ちょっと期待していた内容と違った。
若い人が上司や先輩の言葉を「上から」と感じる心理を中心に書かれてるけど…。