2666

  • 白水社
4.12
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本棚登録 : 856
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (880ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560092613

感想・レビュー・書評

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  • 2013/9/5購入

  • 515

  • 吉村萬壱先生がオススメですとおっしゃっていた本書を、やっと読み終えた。

    2003年に50歳の若さで肝不全で死亡したロベルト・ボラーニョの遺作。死の1年後に出版された。

    とにかく厚い!

    855ページ、しかも2段組の本作品は、まさに枕級の厚さであり、手にとって思わず呻きを漏らすこの厚さは、弁当箱とも称されれる京極夏彦の本に勝るとも劣らない。

    物語はこのように始まる。

    フランス人大学生のペルチエは、無名の作家アルティンボルディの作品を読んでから、熱狂的なファンとなり、彼の作品の研究に没頭するようになる。やがてペルチエは大学教授となり、彼の研究や翻訳、評論の出版を行うが、同様にアルティンボルディに魅せられた研究者が、イタリア、スペイン、イギリスでも現れる。しかし、彼ら研究者の誰もアルチンボルディの姿を見たことがなく、彼の生い立ちは全くの謎のままであった。そんな時、メキシコのサンタテレサという都市にアルチンボルディが出現したとの情報が舞い込み、4人の研究者はサンタテレサに向かうが・・・。

    冒頭の「批評家たちの部」から、最後の「アルティンボルディの部」まで、全体は独立した5部に分かれている。
    しかし、お互いが関係しており、最後の部でそれぞれの部のつながりが解明されていく。

    最後まで読み終えて、何が残ったのか、語るのは難しい。

    英語版ウィキペディアによると、この本のテーマは『 violence and death 』である。
    延々と繰り返される幾つもの死をくぐり抜けるような、そんな本である。

  • 何気なく符合するイメージやモチーフ、夢といった要素だけでここまで惹き込まれる 何気なく符合するイメージやモチーフ、夢といった要素だけでぐいぐい読ませるのはすごい。淡々と描かれているだけ、行の背後に貼り付く恐怖感が迫ってくる。読み終わったあと、思わず最初のページをまためくり直した。

  • 半年くらいかけてようやく読了。
    長いうえに全然さくさく読めないし、時間かけすぎて最初の方忘れてそうなもんだけど、意外とそうでもない。断片も全体も強烈な印象は残ってるんだけど、じゃあ何の話だったのかと聞かれてもよくわからない。よくわからないけど、なんとなく読んじゃう。ちょっとずつ見る夢みたい。

  • ついに読み終わった。最後の部で各部の繋がりが確認できて、5部を1冊の本にまとめる意味がわかった。すげーよ。
    アルチンボルディの部が一番好きかな。読みやすいし。

    登場人部が多いので何度も出てきそうな名前はメモを取り、犯罪の部に限っては被害者全員(身元不明者も)と死因等も書き留めてた。
    かなりの人数を端折ったけど180人ほどのメモになってた。その大半は死人という結果に。

    二週間足らずで読みきったけど、これは何回も何年もかけて読むべき本だな。犯罪の部が辛いけど。

  • 第3回(2013年度)受賞作 海外編 第3位

  • 長かった・・・。1ヶ月かかった。
    重かった・・・。通勤電車で読むのはしんどかった。

    読みやすかった・・・。歩みは遅いなりに読みやすい。
    リーダビリティはある。ピンチョンみたいに、何書いてんだコイツ状態にはならなかった。

    それぞれの部で重複構造になっているのが面白い。小説の中で小説が描かれる、それとは別に話の筋とは逸脱しているかなと思える部分もある。しかしながら第4部の延々と続く犯罪描写には(といいつつここにも重複構造はあるのだが)、「いつまで続くんかよぉ」と嘆いてしまいそうになる。

    耐えながら辿り着いた結果は雲散霧消、というわけで第5部が見事。第1部と第2部が絡み、第3部と第4部が絡み合うといった構造全てが見事に収束する。「死」「永遠」「病気」「文学」、さまざまなキーワードが響く。最後から4ページ前の852ページを読んで思わず涙がこぼれたのは間違いない。あとから読み返しても泣けない、なぜ泣いたのかわからない。

    長い2013年の冬だったなあ。

    • 1685jsbさん
      読了お疲れさまです。
      今年中には読みたいなあ。
      読了お疲れさまです。
      今年中には読みたいなあ。
      2013/03/12
  • 傑作!!!

  • 図書館で借りた
    無理です 
    古本屋で買います

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著者プロフィール

1953年、チリのサンティアゴに生まれる。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、チリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。翌74年、メキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定める。1984年に小説家としてデビュー。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。1996年、『アメリカ大陸のナチ文学』を刊行。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。その後、長篇『野生の探偵たち』、短篇集『売女の人殺し』(いずれも白水社刊)など、精力的に作品を発表するが、2003年、50歳の若さで死去。2004年、遺作『2666』が刊行され、バルセロナ市賞、サランボー賞などを受賞。ボラーニョ文学の集大成として高い評価を受け、10 以上の言語に翻訳された。本書は2000年に刊行された後期の中篇小説である。

「2017年 『チリ夜想曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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