夢幻花(むげんばな)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569811543

感想・レビュー・書評

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  • 最初は様々な事件がどんな風に繋がるのか、想像できなかったけど、それが段々とつながってくる。
    そういう流れ、やっぱり上手いなー。
    そして、この物語に込められたメッセージ。確かに…と思わずにいられなかった。

    2013.5.5

  • この小説は10年位前に連載していたものを加筆したものだそうです。最近の著者の小説より圧倒的に面白いと思った。

    黄色のアサガオを巡った殺人事件の話で、話全体の雰囲気や、謎を解く鍵を持っている人物が薄気味悪くて怖い。けれども、ほとんど無駄がない文章で一気に読んでしまった。
    本の装丁もミステリアスな雰囲気があってとてもいいと思う。

  • 「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない」
    と著者自らが語る会心作!
    黄色いアサガオだけは追いかけるな。

    アサガオに黄色い花はありません。しかし江戸時代には存在したのです。
    ではなぜ今は存在しないのか。人工的に蘇らせることは不可能なのか。
    そのように考えていくと、徐々にミステリの香りが立ち上ってきました。――東野圭吾

    東野圭吾最新作は、かつて「歴史街道」に連載されていたものだったそうですが、
    単行本化に至るまでに問題点が増えすぎたため、「黄色いアサガオ」をテーマにした全く別物になっているとのこと。
    著者エッセイ「さいえんす?」のpp.94にちょっと触れられているが、
    「著者初の歴史ミステリ」と銘打っておいて、その内容は科学ミステリという一種詐欺のような扱い。
    しかし完成した本書は、冒頭のプロローグや発生する事件の謎が拡散し一気に読ませる。
    基本的に、大学院生の蒼太、大学生の梨乃、刑事・早瀬の多視点で物語は進む。
    ごちゃごちゃになりそうな人物関係、多方面に散らばりを見せる物語だが、それでいて見事な着地点を見せる。
    アサガオの秘密にはうまく視点をずらされてしまった。
    よくよく考えてみれば冒頭の自殺の部分で気づく方も多いように思うが……。
    最後はちょっと蛇足な面もあるが、ガリレオシリーズに通じる作者の理系的思考面が顔を見せる。

    ミステリ:☆☆☆☆☆
    ストーリー:☆☆☆☆☆
    人物:☆☆☆☆☆
    読みやすさ:☆☆☆☆☆

  • 黄色の朝顔という歴史史実をモチーフして書かれてことについては、よく調べていると感じた。色んな伏線が、後半になって絡み合ったひもがほどけていくのが、爽快に感じた。エピローグで、原発という現代の負の遺産を前向きにとらえさせているのも、共感をする。

  • 多作の作者の本、段々と魅力を感じなくなって、文庫化されるまで読まなくなりました。平積みにされている装丁がとても綺麗だったのと、本屋さんのキャプションで、書くまでに非常に時間をかけたとあったので思わず久しぶりに手にとりました。

    ちょっと期待外れです。ポスト311の空気感、若者たちの未熟だけど嘘のない世界、科学、社会の象徴としての警察組織、家族の定義などなど、テーマが分散して多すぎて、一つ一つが軽くなってしまった。

    東野さんは元エンジニアで、どうしても説明したくなるんだろうな。色々なことを同時に。でも、もっと曖昧でもいいと思う。その方が読んだあとに香るものがあります。アサガオのように。

  • 面白かった!日本刀のプロローグ1と中学生の初恋騒動のプロローグ2が、今後どう繋がっていくのかと思っていたら、黄色いアサガオ・水泳・ロックと予想外の展開で読ませる読ませる。またしても私は名探偵になれませんでした。若い二人は本当によくあそこまで調べたなぁと。そして全ての伏線が見事に回収され「そうだったのか!」と納得する時の快感。やめられまへんなぁ。最後には前向きに生きようとする若者の爽やかさと、タイムリーに原発への取り組みを考えさせるおまけ付き。恐れ入りましてございます。
    東野作品は本当にハズレなしだけど、一番好きなのはやっぱり『白夜行』かな。この話は3番目位に好きです。

  • 東野圭吾の本が読めて幸せです。

  • いや〜面白かったー。
    張り巡らされた伏線と、そこに「人」が深く書かれているからこその、読み終わったあとの感じ…

    MM事件、黄色いあさがおの謎、謎の女性…どれもこれも気持ちよくつながるのが、圧巻でした。

    最高でした(*゚Д゚*)!

  • バラバラの話が1つになった。
    さすが~!!おもしろかった( 〃▽〃)

    黄色い朝顔ってないんだねー。

  • これぞ東野圭吾という一冊です。

    推理小説であることはもちろん、
    伏線、科学、人情、世相、大阪・・・

    東野圭吾らしさをこれでもかというくらいつぎ込んだ、
    東野圭吾ファンには読了後の満腹感がたまらない作品です。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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