夢幻花(むげんばな)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569811543

感想・レビュー・書評

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  • さすが東野圭吾氏。相変わらず、話に引き込ませてくれる。3日で読了。

    ミステリーとしての面白さもあるけど、これは立ち止まっていた人たちがまた歩き出す話でもある。そして、負の連鎖を引き継いでくれている人たちにを改めて感謝を。

  • 張り巡らされた伏せんがすっきりと回収されて、すべてがひとつの結末に収束されるこの爽快感はさすが東野先生の書かれる作品だなと思いました。とはいえ、黄色の花の正体だったり設定については、結構無理矢理感はあったり。けど、最後まで楽しく読めました。

  • 2016.6.6
    久しぶりの東野さん。相変わらず、緻密に考えられたストーリーやなあと。アサガオって、どこか妖艶な感じもする。
    最後は意外にもさくっと終わった感じがするけど、まあ前を向いてがんばっていこう、そう思わせてくれる感じ。
    ー世の中には負の遺産というものがある。それが放っておけば消えてなくなるものなら、そのままにしておけばいい。でもそうならないのなら、誰かが引き受けるしかない。ー

  • なんとなく突拍子もない内容の感じがしたが、実際にはどうなんだろう。
    まとめ方や読みやすさはさすが東野圭吾という感じ。
    おもしろかったです。

  • なんか、説教くさい。布石のあるミステリアスな謎解きでなく、最後に無理やり話をつなげる感じの布石が、らしくない。原発と脱法ドラッグをベースに、若者の挫折と現代の閉塞感を描きたかったのだろうが、東野自身の閉塞感をそのまま映した作品として、駄作かな?
    昔の作品の方が良かったなと思わせる最新作?

  •  図書館より
     独り暮らしの老人の殺人事件と、事件現場から消えた黄色の花の謎をめぐるミステリー。

     まずプロローグで通り魔殺人事件と少年の初恋のエピソードが描かれて、そこから本編になり、殺人事件に黄色い花と、
    こうした一見脈絡のないエピソードが最後には綺麗につながるのがさすが東野さん、と感じました。まるで出来のいい手品を見ているよう。

     事件の捜査もそつがなく組み立てられていて、文章も相変わらず読みやすいので、読んでいてストレスを感じないです。

     難点を言うと黄色い花をめぐる物語がかなり現実味が薄く感じられたことかなあ。登場人物たちもみんないい人ばかりでそれはそれでいいのですが、もうちょっと毒味があってもいいのかな、と思いました(このあたりは完全に個人の好みの話ですが)。

     でも、その分作品のメッセージがよく伝わってくるように思います。登場人物の中に原子力工学を学んでいる大学院生がいるのですが、
    彼は例の原発事故のため自身の今まで歩んできた道や、就職などこれからの将来について悩んでいます。
     そんな彼が事件とそこに関わった人々の思いを知りどんな答えを出すか、これも読みどころの一つだと思います。

    第26回柴田錬三郎賞

  • 夢幻花というタイトル、そして表紙には色とりどりの朝顔。そして、冒頭で起きる、花とは全く関係なさそうな事件。

    前半は、複数の主要人物がまったく関係なく登場し、一体なんの話だ?どう繋がって行くんだ?……と、頭の中ハテナマークだらけで読んでいたけれど、後半、事実が1つ1つ繋がって行き、想像を超えるつながりが少しずつ見えてくる。

    偶然が重なり過ぎ…のような気もするけれど、それでも何と何がどう繋がって行くのかを考えながら読んでいくのは面白かった。きっと脳細胞が活性化したに違いない!

    要介にスポットを当てたスピンアウト作品なんか書いてくれないだろうか。

  • 半年も前に古本で買った本をやっと手に取った(笑
    帯にも書いてあるが「こんなに考えた作品は他にない」と豪語しているだけあって、話の内容や人物関係は複雑にからみあっている。さらに時間軸もかなり大きく取っている。
    今回も読み終わってみればやるせない気持ちにみたされた。東野圭吾の本は読み終わるといつもそう。漠然とした何か重いものを感じてしまう。今回は「負の遺産」。種であったり、原発であったり。最後の数ページで読者に何かを考えさせてしまう力量はすごい。

  • 黄色のアサガオは現存しないが江戸時代には存在していた。

    もう少し読み始めが早ければ間違いなくアサガオを植えていたと思います!

    物語は二つのプロローグから始まるわけですが、通り魔の方のプロローグが物語の何処にブツカッテ来るかが全然解らない?

    更に、登場人物の誰もが何らかの隠し事を持っている。

    従兄弟の自殺?祖父が殺された?花は何処へ?
    家族の確執、初恋の相手との再開、兄の謎の行動。
    どれもバラバラで無秩序に進んでいく物語は収束出来るのか心配になる程です!

    久々に東野圭吾の傑作です!

  • 面白かった。

    伏線が綺麗に収束していくのは気持ちいい。

    しかもこの夢幻花は実在しそうな感じがする。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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