よるのばけもの

著者 :
  • 双葉社
3.37
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本棚登録 : 3857
感想 : 339
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575240078

感想・レビュー・書評

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  • 図書館本。
    住野よるの3冊目である。
    非常に非常によい作品であるがとにかくこれはスッキリしない。
    しかしこの作品はスッキリしないのがたぶん正解なんじゃないかな。
    夜と昼、どちらの自分が本物か?
    これは誰もが人生で何度も悩む事であろう。
    どちらも本物であったりどちらも本物でなかったり。
    悩み抜いた結果、行動に出たあっちー君はもうよるのばけものになることはないのだろうか?
    スッキリしないしどうにもツライ終わり方であるが、それを受け入れなければならんなあ。
    そういう作品であるものなあ。
    これもいずれたぶん買う。

  • 夜になると化け物に変身して街中を彷徨うあっちーと、ちょっとズレていて、クラスでいじめられている女の子、矢野。2人は夜の学校で会い、それから2人で『夜休み』の時間を共有していく。

    あっちーも昼間は周りに合わせるべく矢野をいじめる側の人間で、読んでいてなんでそんなに周りを気にするかなぁ?とかフラストレーションも溜まったが、もしかしたら、こういう感覚が今の中学生の感覚なのかなぁと納得してみたり。

    化け物のカッコをしているその姿がばけものなのではなく、クラスのみんなや昼間のあっちーがばけものなんだ。
    最後は勇気を出せて良かった。

  • 住野よるの本はカバー絵がいつもいいのでつい買ってしまう。
    今回は、「正義」とはなにかを問いた作品だと思う。
    人間として、その行為は正しいか正しくないかはみんな同じ判断をすると思う。しかし、それがそこのコミュニティーの秩序や全体の意識と絡むと、正しい判断が時には不正解の判断になる。
    その最たる例が学校でのイジメだろう。
    この本を読むと、なぜいじめがなくならないのか、大人が介入しても収まらないのかが分かる気がする。
    最後の部分は自分の正義を貫いた主人公の心の安寧とこれからの辛い生活の両方を表していてモヤモヤした気分になった。

  • 全くあらすじを見ずに読んだため、予想外の物語だった。ファンタジー系の楽しい話かと思っていたら、心がザワザワしてやるせない気持ちに…。個人的には理想的な終わり方だった。

  • 主人公の心情が変化していく描写が素晴らしかった。
    他の感想を読んでいると、終わり方について意見が分かれるが私は良い終わり方だと思う。その後は気になるが。
    主人公は今の環境の違和感に気づいていなかった。しかし違和感に気づき、自分を責める感情と、正当化する気持ちに挟まれ苦むようになった。苦しみから何とか逃れようとするも、視界に映る矢野から目を逸せない。そして、悩んだ果てに。
    よるのけものというファンタジー要素以外は、現実感あった。だから世界観に没入できた。

  • 本当の自分を自由に出せないくるしい話でした。
    学生の頃のクラスの中での立ち振る舞い、みんなに合わせないと自分が孤立するかもと悩む日々。
    カーストとか?

  • 先日読んだ本で紹介されており、興味を持った。

    最後のあいさつ、矢野さん的にはいいのだろうか。
    あっちーがまずい立場になるのは、不本意じゃないのだろうか。

    その後はやっぱり、あっちーに嫌われるようなことをするかもしれない。
    でも、もうあっちーは変わらないんだろうな。
    井口さんや緑川さんは、それに影響されるのかもしれない。

    楽観的だけど。

  • 3.3

  • 本当の正義って、何だろう?
    そんなことを考えさせられた作品だった。

    いじめをする人やそれを見ているだけの人は悪
    ……というのは、
    頭では分かっているのだろうけれど、
    この作品の中では、自分を守ることが正義……
    だから、いじめをすることだって、
    それを見ていることだって、正しい。

    最後、あっちー君が、
    自分が何を大切にしたいのかに気づいて、
    行動に移せたことに、ほっとした。
    クラスメイトから距離をとられたとしても。

    あっちー君にとっての正義とは、
    自分をちゃんと見てくれる人を信じること、
    その人のためにできる行動をとること、
    ……なのかなと思った。

  • 人間の自分と化け物になる自分
    どっちが本当の自分だろうか
    それと同時に、
    昼いじめに加担する自分と夜いじめられっ子に会う自分はどっちが本当だろうか


    読み終わった時、作者が何を伝えたかったか強く分かる本だった

    思春期ならではの細かい表現が書かれていて、途中まで胸糞悪いと思うくらい世界観に入れた
    面白かった

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著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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