少女 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575514834

感想・レビュー・書評

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  • さすが、イヤミス女王。後味の悪さ、。
    2回読み返して、ぁぁあー!!!てなった作品でした。

  • 親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く―死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。

  • うーん。告白の方が良かったな~。最後の再開?の所がよく分からなくて混乱、。

  • 「言わなくても分かるでしょ?」みたいな感じとか、マウントの取り合いや独特のプライドの高さ。
    女子高生ならではだなぁ……と感じた。
    タイトル通り子供と大人の間である“少女”の嫌な部分が出ていた。
    流石、湊かなえ作品。

  • ☆3.5なんですが3よりは面白いので4。
    湊かなえさんの文はすっと入ってきて非常にスラスラ読める。09年の女子高生の話で、この前読んだ推し、燃ゆよりは自分にマッチしている感覚があった。
    湊さんの作品は5作ほど読んでいるので大体読みすすめるうちにオチに気づくのですが、がっかりということはなくむしろきれいに回収しきってくれるので爽快。
    本作品はそういった話が複数絡み合っているので最後まで飽きずに読めるお話でした。

  • 遺書で始まる物語。
    この遺書は一体誰が書いたのかという謎と共に進んでいく。
    女子高生の由紀と敦子は、転校生のある話から「死」に異常なほどの興味を持つようになる。

    死に対して考えてみたり興味があったり感傷的になったり、私もしたなぁと考えてしまった。誰もが通る道かな。
    湊さんはそういった多感な時期に経験したり想像したことを再度届けてくれる作品が多い。
    苦かったり甘かったり、自分と重ねて読み進められたので感想も様々で面白い。

    2人の少女の視点から描かれていて、最初はどちらの話なのか掴めなかった。が、途中から仕掛けもお互いの性格も分かってくるのでスラスラ読めた。

    「因果応報」この本の1番のキーワードだが、
    死の瞬間を見たいと望み、それぞれ小児病棟や老人ホームにボランティアに参加した彼女たちにはどんな因果応報が用意されているのだろうか。

  • これも一つの青春というか、思い出なのだろうけど、死が含まれていることによってそう書くことに違和感を覚える自分がいる。
    死というものはその瞬間まで悟ることができないのかな。これがパンドラの箱なのか。それは思考を放棄しているだけなのか。

    登場人物たちの行動、言動は普通なのか。普通とはなんなのか。この本を読んでから疑問しかでてこない。

    でも最後にひとつひとつのことがつながっていくときの感覚、これがミステリーのおもしろいとこだなって改めて思う。嘘チカンがいい例。事実を真実と決めつけないようにするには現実でも疑いながら…って考えるとなかなか大変そう。

    この本をきっかけになって一番身近に感じるようになった疑問は、わかっている人の言葉はわかっているからこそでるものであって、それがわからない人には謎にしかきこえない。それがわかるには何が必要なのだろうかと考えさせられた。頭が良ければわかるのか、経験があればいいのか、鏡があればいいのか。なんなのか。知りたい。もしかしたらもう答えは示されているのかもしれないけれど。


    自分は本を読んでるけど読めてない、本当にいいたかったことにたどりつけているのかないのか。いいたいことに自分の意見を重ねるためにはつきつめていくことが大切なのかもしれないけど、自分はそのいいたいことが見えていないようでこわい。水の色を観察して水色だ!というみたいに。(あとがき読もう)

  • 仕事から帰宅し、風呂食事を済ませ、さぁ読もう
    →5ページくらいで寝落ち
    を一週間繰り返した結果読了までかなり時間がかかった笑

    やはりラストはゾワっとした(@スタバ)。
    そのラストを味わうには、序盤から中盤にかけて色んなことに注意して読み進める必要がある。今回も中盤でつい油断してしまい後悔。

    湊かなえは、人物関係のねじれが3次元のイメージ。
    登場人物の偶然の繋がりは感動系よりミステリーの方が好き。一つの恨みや妬みにより繋がりが生まれるのは自然で読んでて違和感がないから。

    登場人物の感じが辻村美月みが深い

  • 傷つけることは平気なのに、傷つけられることに慣れていない二人の女子高生の危うい友情。
    だれかが死ぬところを目撃したかったり、ブランド品をゲットするために周りの大人や彼氏・級友を脅迫したり利用したり。
    女の冷たい怖さの萌芽をみる思い。

  • 二人の女子高生の視点が絡み合いながら進む少し破滅的な青春ミステリ。本作は『告白』や『白ゆき姫殺人事件』のような群像形式の独白ではなく、主人公二人の視点に絞っているため、ストーリーの全体像が把握しやすい。伏線も綺麗に回収され、やや登場人物の関係性が劇的に過ぎる部分も、田舎の地方都市という舞台設定のおかげでちゃんとクリアしている。オチの付け方に不満はなく話はちゃんとまとまるものの、前半部分は少しとっ散らかった印象を受けるせいか、半分を過ぎるまでは退屈に感じてしまった。結末で答えを出すのではなく、最後でテーマが浮かび上がる形の〆方なので、人によってはすっきりした読後感はないかもしれない。因果応報がテーマではあるが、水森のおばあちゃんに対する報いがモチを喉に詰まらせて生死の境を彷徨うだけというのは公平性に欠ける印象。死が動機の物語なせいか、死の結末で決着をつけるのを避けてしまったのが手ぬるく感じてしまった原因かもしれない。構成は上手く、湊かなえ作品の中ではとっつきやすい部類ではないだろうか。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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