少女 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575514834

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭から不穏な雰囲気で、主人公は人の死にこだわり暗くて重い話なのかなと思ったら、意外と普通の高校生と変わらない少女たちだと思った。前半からは想像できないラストに衝撃的だった。面白かった。映画もあるようで観てみたいと思った。

  • 読み始めは誰の視点で描かれているのかを理解するのに時間がかかったけど、幾分か読み進めていくと由紀視点、敦子視点が掴めた。
    ラストで全てが明らかにされたとき綿密な人間関係に衝撃!!
    因果応報…怖すぎる
    さすが湊かなえワールド!沼!

  • 因果応報地獄に堕ちろ!
    がテーゼになっているのだとしたら、という考察を読んで、本編の面白みがより増しました。
    「由紀の小説を盗作した小倉は敦子の裏サイトへの書き込みがもとで恋人の星羅を失い、自らも失意のうちに自殺する。嘘チカンで高雄の失職と家庭崩壊の原因を作った紫織は、父親の変態行為を由紀に告発されていじめられたために自殺。由紀と敦子、星羅と紫織がそれぞれ親友どうしなのだから、あまりにも因果な話だ。」
    全てが最終章で繋がる構成、とても面白かった。

  • 全てが繋がる。湊先生の作品は登場人物の配置がとにかく上手い。最終的には全てが纏まっている感じがして、登場人物に無駄がない。あらすじを読んで「怖いのではないか」と恐る恐る読み始めていたが、いつの間にか作品にのめり込み一気に読んでしまった。

  • 「人が死ぬ瞬間がみたい」という思いから、それぞれ老人ホームと小児科病棟へとボランティアへ向かう敦子と由紀。
    そこで出会う人物達が、実はお互いの関係者へ繋がっていく後半は、特にページをめくる手がとまりませんでした。

    女子高生のひと夏の物語らしく、爽やかな大団円で終わりそうな雰囲気に「イヤミスを読みたい気分だったけどこれはこれでいいかな...」と思っていたら、そこは湊かなえ先生、さらにもう一捻りありました。

    敦子と由紀には、もうひとり転校生の紫織という友人がいましたが、実は紫織は、敦子が働く老人ホームの従業員の男を痴漢冤罪で陥れた張本人。
    さらに紫織の親友だった星羅は、由紀の小説をパクった国語教師の彼女でした。
    最終的には由紀が紫織を、敦子が星羅を間接的に死に追いやったともいえて、まさに因果応報という言葉がぴったりの結末かなと思います。

  • いわゆる"不幸自慢"に近い、死が身近にあるかどうかの競走。
    人が死ぬ瞬間を見たいという思いから、互いには告げずに老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く敦子と由紀。

    この動機がまさに「少女」といった印象。
    しかも、回り回って最終的には一度離れてしまったふたりの関係を修復することになるのだから、一種の青春小説だ。

    ありとあらゆる登場人物が繋がっていくラストには驚愕だ。
    この物語の一貫したテーマである「因果応報」を感じる。
    さて、知らずに星羅を死に追いやっていた敦子。間接的に紫織を殺してしまった由紀。このふたりには、どんな報いが待ち受けているのだろう。


    『永遠の友情など、現実にあるはずがないのに。まったく同じ人生を歩む、などありえないから、いつか別れがやってくるし、大切な人の順位も変わってくる。』

    『『死』ってのは、この世から、退場するってこと。ひとり欠けたからって、世界は何も変わらない。嫌なヤツがひとり退場したからって何も変わらない。ましてや自分が退場しても何も変わらない。世界は終了なんてしない。果てしなく続くんだ。』

    『あんたがそれほど不幸だと言うなら、わたしとあんたの人生をそっくりそのまま入れ替えてあげる。それに抵抗があるうちは、あんたはまだ、世界一不幸ってわけじゃない。』

  • 回収にすごい期待し過ぎた。が
    解説やネットの考察でさらにいろいろ分かって
    やっぱりすごい!と思った。
    綺麗に終わった感じに見せて
    最後の最後に湊かなえ色が放出してて
    やられた、て感じ。
    これは再読も絶対面白そう。
    また告白読みたくなったな(笑)

  • いっぱい散りばめられた伏線を一気に最後回収していくところが凄まじかった。
    すごくおもしろかった。
    初めの遺書の意味がわかった時が1番鳥肌がたった

  • 題名で一目惚れして手に取ったが、何度でも読み返したくなる名作だった。
    死とは何か?を主人公二人の視点から綴る。

  • 最後のまさかの展開が痛快

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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