少女 (双葉文庫)

著者 : 湊かなえ

• 双葉社 (2012年2月16日発売)

感想・レビュー・書評

[SHO_0113_さんの感想 · 2020年2月1日]

読み始めは、文章からどちらの発言なのかいちいち読み取るのに苦戦しましたが、途中からふたりの人物像がはっきり見えてきたので、イッキに臨場感のある作品になりました。

学生時代なら誰しもが経験するであろう「自分たちのいる場所＝世界の全て」という感覚。
10代独特のグラグラとした危なっかしさと無垢なる残酷さが等身大で描かれているのが絶妙でよかったです。

とくに、彼女らの狭い世界の中で複雑に絡み合う人間関係は必見です。
序盤に蒔かれた謎やトリックは、後半にかけて次々と回収されて最終的にはすべてのピースが埋まるのですっきりします。イヤミス度は案外低め。

その後のふたりは因果応報の報いを受けるかもしれませんが、それはまた別の物語。

[ゆうきさんの感想 · 2023年11月15日]

入院中に読んだ。
内容わすれたしまったので、感想かけないけど、さらさら読めた記憶。

[あんずさんの感想 · 2023年2月17日]

湊かなえさんワールド…ダークで、糸が絡まりあっているものが、解けそうになって、更に絡まって、解けなくなっていく感じ。隣にいたって、一番の親友だと思っていたって、他人の心は分からない。声に出してもすれ違う。そんなもどかしさが書き込まれていました。

「ヨルの綱渡り」を読んでみたい。

[ほたるいかさんの感想 · 2022年5月11日]

少年を読んだ後は少女でしょという安直な動機で読みました。なんかきれいに収まったなって感じ。さすが湊かなえ、一気読みでした。

[ヒュナさんの感想 · 2022年1月31日]

初読みの湊かなえ先生
イヤミスに苦手意識があってなかなか手を出していなかったが…めっちゃ面白かった！

少女2人の死への羨望
死を見たい、死ぬ瞬間を見たい
少女達はその想いを胸に行動を起こす
2人の殺し合いがどこかで始まるのか！？と予想しながら読み進めたが…それはハズレであった
そしてちょっとした事で歯車は狂い、どこかの誰かは不幸になる
物語が進み繋がっていくにつれ、こいつかー！って
一挙手一投足で日常は幸不幸を行き来するんだなと少女たちから学んでいくようだ
確かに最後は…おぅ…っていう遺書に引きずられてしまう
因果応報だとしても…こうして誰かの日常は狂うんだなぁ

[カワノスケさんの感想 · 2021年8月16日]

最後の最後に全て綺麗に伏線回収。ここまで綺麗だと圧巻です。不安定な時期の心情や好奇心、そして儚さなさを詰め込んだ傑作です。

[めぇさんの感想 · 2020年3月9日]

最初は誰の話なのかさっぱりわからなかった。
出てきた人物が最後き回収されて気持ちよかった。

アスタリスクに気付いて読みたかった。

[kamitakoさんの感想 · 2019年11月17日]

出だしで犯罪加害者の家族の遺書だとプロットしてから、回収が最後の最後というのは...。途中で出てきた時点でネタバレ感が半端ない。
由紀と敦子の視点が交互に続き、テンポもよく読みやすい。認知症の祖母によって家庭崩壊の只中にいる由紀、過去のトラウマからパニック障害を抱える敦子...。互いを思いながらもすれ違う。終章には救いがあるが、これ、別々の話にした方が良かったんじゃないのかな。

[くろんさんの感想 · 2019年3月5日]

湊かなえさんの真骨頂のイヤミスの傑作。
ハッピーエンドで終わったかと思いきや見事に嫌な気分にさせられた。
物語の途中でラストの登場人物たちの関係性に気づいて、オチがわかってしまったけれど、それでも楽しく読むことができた。
途中の子供がお父さんを刺すシーンで少し混乱したけれど、本当にすごい作品。

[マサさんの感想 · 2023年6月30日]

思春期の微妙な友情の心の揺れなどうまく描かれていた。
ラストは相変わらずイヤミス的な読後感。
本田翼主演の映画も観ましたが、小説の方が分かりやすかった。

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』（『望郷』に収録）で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。