両親を亡くし、育ててくれた祖母を亡くした光輝は、たった一人の肉親である叔父・和成を訪ねた。
叔父といっても、官能小説家をしている和成は、祖母とは絶縁状態で、光輝と再会するのは十数年ぶり。
幼かった光輝が和成の顔を覚えているはずもなく、和成もまた、成長した光輝を見ても誰かわからないような状況だった。
それでも他に頼るあてもない光輝は和成を頼るしかなかったのだ。
どんな人なのか、好奇心半分、不安半分、和成の元を訪ねた光輝は、名乗るタイミングを見失ってしまう。
すると、和成はあろうことか光輝を馴染みのデートクラブの新しい男娼と勘違いして、光輝のことを抱いてしまう。
後日、光輝が実の甥であるという事実を知り、愕然とする和成に光輝は「事故だからしょうがない」と告げる。
そのまま二人は叔父と甥として同居生活を始めるけれど、なんとなく二人の関係はギクシャクしていて……
という感じの話でした。
とにかく、光輝がかわいい。
まるで生まれたばかりの雛のように、和成のことを思ってばっかりで、下心も何もなく、単純に和成のことを思って、三食の食事を作り、他の男に会いに出かける和成を健気にも見送る。
かわいい。
いや、普通ならちょっと頭おかしいんじゃない? 大丈夫? って思う状況なのは私でもわかるんですが、これが光輝だからかわいい。
それにくらべて、和成は、完璧に自分の好みストライクな子がどうして、自分の甥なんだ……と悶々とするだけで、ちーっとも潔くもないし、男らしくもなくて、完全にただのヘタレ。
その癖、嫉妬ばかりは一人前ではっきり言って鬱陶しい!
でも、多分、そういう嫉妬さえも光輝は「必要とされてる! 嬉しい!」ってレベルのピュアピュアさんなので、ある意味お似合いのカップルなんでしょうね。
ダメ中年×健気な高校生な話がお好きな方にはオススメです。