茗荷谷の猫

著者 :
  • 平凡社
3.56
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本棚登録 : 426
感想 : 114
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582834062

感想・レビュー・書評

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  • 東京のその当時の様子を書いているような小説。ザクロの話、千駄ヶ谷のタイルの話が印象に残った。多少は知っている町の知らない時代の物語。

  • 2014暮れから読んでいました。

  • 9つの短編が収められた本。それぞれの短編は一つの作品として独立してますが、舞台はいずれも東京。とはいえ時代はかなりずれていて、江戸から戦後まで時間軸は広がっています。

    同じ場所で違う時代に生きた登場人物たちが間接的に、あるいは一部については直接的に関わり合い、触れ合いながら物語が作られています。メインのキーワードは染井吉野、表題にもなっている茗荷谷の古い小さな一軒家、漱石と内田百閒、といったところでしょうか。漱石の『吾輩は猫である』や内田百閒の著作のいくつかを読んでおくと、この本に仕込まれたネタに気づけて面白いのではないかと思います。

    最初のうちはちょっと読みにくかったですが、3つ目あたりから一気に面白くなり、一日半ぐらいで読了。終いには、各作品の登場人物が別の作品でどのようにかかわっていったかが知りたくなって人物相関図まで書いてしまいました(笑)

    世界観も文体も違うけど、伊坂幸太郎の『死神の精度』が好きだった人ならストライクだと思います。こういう緻密で繊細な世界を作れる作家さんって凄いですね。著者の別の作品も読みたくなりました。9作品のうち、いくつか終わり方が物足りなかったものがあるので☆は4つとしてますが、オススメです。

  • 初木内昇。物語が時代を経て少しずつ繋がっていくのが凄く素敵だった。1番最初の染井吉野のお話と世間から、向かいの奥さんから隠れて乱歩を読む不惑男の話が好きだった。2011/329

  • 内田百間、江戸川乱歩、永井荷風、そして東京へのオマージュ。懐かしさを感じさせつつ、懐古趣味ではない。良書。

  • 少しずつリンクしている短編集。
    自由きままなその日暮らしの中年 関わりたくないと思っているのにどんどん行動が裏目に出て隣人が近づいてくる「隠れる」、年老いた母親とその娘の話「てのひら」が印象に残った。
    どの話も少し暗い印象がある。「てのひら」はなんか悲しくなった。

  • 短編連作集。
    江戸から東京へ、情緒豊かなきれいな本でした。

  • 幕末から昭和まで、少しずつ時代が進んできて少しずつ登場人物がリンクしている短編集。出てくるのが馴染みのある地名なので「あ、あの辺ね!」っていう楽しさが。
    どれも不思議な余韻のあるお話でした。

  • 木内さんの本はやっぱりいいですね!
    幕末~昭和初期の短編集。それぞれどこか話が繋がっていて面白い。
    そして切ない。
    どれも好きですが、特にいいなと思ったのは【隠れる】。

  • 短篇集。江戸から東京を舞台に、すべての話が時代を跨いでどこかで繋がっていて、読み進めると面白い本。話しひとつひとつはそれとして終わっているので、繋がりを知っているのは読者だけ。

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著者プロフィール

1967年生まれ。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年『茗荷谷の猫』が話題となり、09年回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、11年『漂砂のうたう』で直木賞、14年『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞。他の小説作品に『浮世女房洒落日記』『笑い三年、泣き三月。』『ある男』『よこまち余話』、エッセイに『みちくさ道中』などがある。

「2019年 『光炎の人 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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