- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591100011
感想・レビュー・書評
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おしゃれで綺麗で繊細な本! だと思いました。
かなり前に読んだのに今でも印象に残っている一節があります。
叙情的で上品な中に、切ないとかくるしいとか愛しいとか、そういうごくごく当たり前の感情がちかちか光って見えてくる。
そんな本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公の少女時代からの半生を軸に
その家族や周辺の人たちの生と死を描いた物語。
装丁そのままに空気感のキレイな独特の世界。
誰もが魅力的。
【図書館・初読・10/28読了】 -
家族の話。
離婚した両親、母と一緒に父の母(姑)の家で一緒に暮らす。
子供の頃から、数十年の話。 -
タイトルだけで惹かれた。
私も思っていたこと。
普段はほぼ忘れてるけど、おばあちゃんのお見舞いや、親戚のお葬式の後で感じるようなこと。
一言で、なんてしっくりくる言葉だろう。
言葉ってすごい。並べ方、選び方、そのイメージ。
みんなある日目覚めて(生まれて)、今こうして生きてる。
そして、私もお母さんも友達も、みんな、やがて目覚めない朝が来る。
すごくいいお話だった。すっかり話に入り込んで泣きながら読んだ。気持ちがわかりすぎて。
登場人物もとても魅力的で、蕗さんもミラさんもお母さんも有加も、みんな素敵だった。
私はまだ、悲しんで恐れてしまう。
捉えきれてないんだろう。
人生ってまだよくわからない。語れるほどのこともしていない‥。
私は大切な人を大切に看取れるかな。
自分の最後は、私が私をきちんと看取ってあげよう。 -
途中でタイトルの意味が語られ、ああ、そうか。と。
読み進めていくうちに、泣きたい気持ちが高まってくる。
死を否定せずに、静かに受けとめることはなかなか出来ることじゃないけど、そうできるようになりたいと思う。 -
泣き所でないところで泣いてしまった・・・。ミラさんの死に対する考え方が衝撃でした。 思わず「なるほど」と思ってしまう言葉が沢山あって好きです。
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大切なものが少しずつ増えて、大切なものが少しずつ消えていく。
生きるってそういうこと。
「愛って難しいから、有加は、愛に応えたらだめなのよ、とミラさんは言った。愛してくれる人達をみんながっかりさせてやればいいのよ。みんな年を取ったから、有加に自分が学んできたことを教えようとするでしょう。同じ失敗を繰り返さないように、って。愛する有加のためを思って。だけどね、有加。そんなものはいらないのよ、って思いなさい。勝手なことして、失敗して、泣いて、のたうち回って、何やってんだろあたし、なんてばかなんだろ、って自分で自分にがっかりするくらいでちょうどいいのよ。そうやって、好きなように生きたらいいわ。思いっきり、生きたらいいわ。失敗したら、みんなはがっかりするでしょうけど、みんなをがっかりさせないために生きることは、ないのよ、有加。あなたはあなたの好きなように生きたらいいの。
愛に応えようとしたら、舟ちゃんみたいに死んでしまうわ。」 -
装丁とタイトルが素敵で思わず手に取った本。
すごく素敵な本だった。
描写がすごくきれいで、なんだか訳もなく涙が出そうになった。
誰のことも貶さない、誰のことも崇めない。
誰もが特別で愛おしくて、キラキラしてた。
生きる覚悟、死ぬ覚悟。 -
薔薇に囲まれて酔っ払った夢を見て
そのまま目覚めなくても構わない。
蕗さんのような美しい老婆になりたい。