- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591100011
感想・レビュー・書評
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少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。そして、やがて目覚めない朝が来る。
夢のような話。
優しくはない展開もあるのですが、それをすべて含めて夢のような話。
やわらかい余韻が残ります。 -
面白かった。読みやすくていっき読み。有加は周りの人に恵まれてる。個性豊かな人たちに囲まれて。蕗さんの周りに集まった人だろうけど、同じように大事にされてるのがすごく伝わった。みんないい人生過ごしてる。
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美しい話。
この世界の死生観が好きだ。
出てくる人がみんな美しい。
読後感は、とても美しい花束を魂がもらったような感じ。
蕗さんが、バラの花を毎日用意する件がとても好きだった。その想いも含めて。 -
読んで良かった。ふわっと泣けるし、ふわっと朗らかな気概をもつ。特に、
ミラさんのセリフ。私は、めちゃくちゃ迷惑かけまくりで、心配ばかり掛けて
いるので。また、電車の中で涙管を使用してしまった。 -
登場する人たちが一人ひとりこの世から去っていく。
静かに去っていく。
登場した子どもが成長して大人になり、
子どもという存在が登場しなくなると、
次へつなぐ命が登場しなくなると、寂しい。
たとえ満足して、たとえ望んだものに近い形であっても、
いつか人はこの世から去っていくのだ。
やがて目覚めない朝がくるのだ。
人の一生の儚さを感じずには居られない。
大島真寿美さんの小説を読むのは2冊目。
どちらも文章が上手だとか、
読んでいる時に感動した、ということはないのだけれど、
いつまでも心のどこかに静かに引っかかるものがある。 -
積読リストの一冊。奇しくも本屋大賞ノミネートの「ピエタ」を借りに行った際、同じ書架に仲良くならんでおり、一緒に借りてきた。
実はこのタイトルに躊躇してしまい、なかなか手がのびなかったのが現実で、「ピエタ」を先に読んでからという順番にもなりました。しかし、タイトルから受けるネガティブな印象は無く、むしろふんわりサクサクなお話。千枚の葉をモチーフにしてるお菓子のミルフィーユのような感触で読み終えました。
が、読後感はなかなか強烈に効いいてくるんですよね。1頁目の冒頭から最終ページの読点までが、ギュッと一塊になってこちらにぶつかって来るような感覚がありました。
実際、この余韻により丸二日ほど次の本を選ぶ心境になれませんでした。恐るべし。大島真寿美。 -
サラサラであったかかった(*´`)
もっと、大人になってから
再読したい -
一度読み終えて、この物語を味わいきれてないような気がして、もう一度最初からゆっくり読み直した。
ものすごく深いところで、心の奥に染み込んでくるものがあるのに、それを「感想」という言葉で表すことが私にできない。
星が四つなのか五つなのか、そんなことではあらわせないものがこの物語の中にしずかに潜んでいる。 -
穏やかですーっと入ってくるような文体。
蕗さんだけじゃなくみんなが特別な一生を送っているというのは、確かにそうだよな、と思った。
世間的に有名かどうかで特別が決まるわけではなく、生きているだけでみんな特別。世間ではなく、大切な誰かにとって特別だったらそれでいいのだろう。
穏やかで綺麗なんだけど星4つなのは、過去を振り返る形式の話が苦手だからかな。