- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591100011
感想・レビュー・書評
-
2008-1-13
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
往年の大女優だった蕗を祖母にもつ有加が、彼女や母と暮らし、愛嬌ある祖母の仲間たちが集った日々を振り返る。とりたてて大きな盛り上がりはないけれど、ちょっと不思議な個性の人たちの生き様がすっくりと立ち上がって見えて、おもしろい。
-
「わたし」と母は元夫の母親である蕗さんの家に世話になる。そこでの不思議な生活と仲間たち。大きな耳で周囲の会話をじっと聞くわたし。誰もが一癖ある人物なんですが、「わたし」の眼を通してさらっと書かれています。
-
astaの連載一回目からずっと読んでいた。PR誌で読み終えた作品が単行本化するときは、成長を見守ってきた子供が成人したような喜びに包まれるのだが、今回も例にもれず…「こんなに立派な晴れ着を着て!」と言いたくなるような素敵な装丁に感激。
女三代の生き方が、ゆるやかにやわらかく優しく綴られている。主人公の祖母・蕗さんをとりまく友人たちが皆よい。彼、彼女らの生き方もそれぞれ独特で、でも色んなことを考えさせられる。ところどころ哀しいのだけど、決して湿っぽくなく、ほどよくしっとりで心に残る。一度読んだといえど、もう一度読み返したい〜。
自然に前を向かせてくれる、そっと背中を押してくれる大島さんの作品の力を、今回改めて感じた。