ダイナー

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 202
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591112014

感想・レビュー・書評

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  •  最初のページから残酷な暴力描写があり、一瞬怯んでしまった。リアルに想像すると本当にトラウマになってしまいそうな表現満載なので、耐性ない方は読む時気をつけて下さい!
     闇サイトでアルバイトに応募したことがキッカケで、殺し屋達が集う食堂でウェイトレスとして働くことになった主人公のオオバカナコ。毎日が...というより、一瞬一瞬が、生きるか死ぬか?の壮絶な環境におかれてしまい、地獄のような経験をするのですが、やられっぱなしではなく、必死で知恵を絞り生き抜こうとするカナコの姿に、たくましさや生への強い欲望を感じ、カナコどうか生き抜いてくれ!!と応援せずにはいられません。
     店長のボンベロや、殺し屋の客の過去も徐々に分かっていくのですが、胸が苦しく、重く、壮絶でした。
    そしてカナコにも、思い出したくもないような過去が...。
     エグいシーンだけではなく、料理の美味しそうな描写もこの小説の魅力で、読んでいて涎が沸いてくるような、お腹が鳴りそうな...温度や匂いまで伝わってくるようでした!
     平山夢明さんの小説を読んだのは私はこれが初めてだったのですが、今後も色々と読んでいきたいと思います!


     

  • 映画を見たので原作も読もうと思った。
    殺し屋の客ばっかりくるイカれたダイナーのウエイトレスになったオオバカナコ。しかし一般人サイドのはずの彼女もかなりイカれている。
    映画では窪田正孝さんの儚げなスキンがすごく魅力的だった。
    本を読むと概ね原作通り映画が作られていたことがわかる。序盤はスキンに、後半はボンベロに。まるで乙女ゲームみたいにドキドキさせられる。
    文章が読みやすくて、ぐいぐい読める娯楽小説だった。

  • 徹夜で読みたいと思った本は久しぶりだ。
    カナコがどう切り抜けるのか、切り抜けられないのか。誰を信じて、誰を信じないのか、一つ判断を間違えれば、そこには死が待っている。
    プロの殺し屋たちと渡り合うには、カナコはあまりにも未熟だったけれど、それでも彼女の本能が彼女を生かしたのだろう。彼女は生きる強さ、あるいは「獰猛さ」を身に付けた。
    この世界には闇の部分があり、拷問や殺しを愛する者がいて、あるいはそれを生業とする者がいて、それは私たちの日常生活からは見えない部分だ。人間がなぜそんな残酷な行為を行えるのか、それを疑問に思うような人間には、見えてこないものがある。世界は、人間は、一筋縄ではいかない。

  • 生き地獄とはまさにこのこと!?

    気になっていた作家さんで初めて読んでみた。殺し屋が集まるダイナーで働くことになったオオバカナコ。そこに集まる連中は一癖も二癖もある奴らばかり。出てくるバーガー(表紙カバーまで!)が食欲をそそるが、その分食欲を減退させる描写も多いこと。。。それでもラストはなかなかの締めくくり方。ちょっとレオンを彷彿とさせるかな?

  • 気がつけば連作形式だった。スキンやキッド(ラスト戦闘での登場は雑すぎ)などレギュラーで最後までちゃんと登場させれば良かったのに。いつものスプラッターは健在でキャラも魅力的。プロットそのものはありがちだが設定が極端なので読ませる。ちゃんと長編に期待。

  • どんな内容かも知らずに読み始めたら、まぁ、面白いこと。小劇場の芝居かミニシアターの映画を観て、大当たりを引いた感覚。とりあえず明日の昼はマックじゃないハンバーガーを食べよう。

  • これぞエンターテインメント。とにかくグロイ。醜悪、猥雑、暴力的であるにも関わらず一気に読めた。登場人物はほぼ全て人でなし。1ページ目の1行目で既に殴られ殺されかけながら登場する主人公カナコは、自分の命を死守するための成り行きで、プロの殺し屋専用の会員制ダイナーでウェイトレスする羽目になる。そこは最低の人間ばかりが集う場所だが、供される料理は彼らを至福へと誘う極上の品ばかり。奈落の食堂で彼女は時に抗い時に受容する。そんな世界の中でたまに織りなされる愛情(男女間だったり親子だったり子弟だったり)。ノワール小説の醍醐味を味合わせてもらった。

  • なかなかハードな内容。
    出てくる食べ物が美味しそう。
    カナコとボンベロが最後は心を通い合わせて良かった。
    ボンベロと菊千代が助かっていてカナコのお店に訪ねて来たらいいな。

  • アメコミみたいな感じの、漫画みたいに楽しめる話だった。
    ていうかすぐに漫画にできそう。
    とりあえずかなこがそんなに価値があるように見えないまま話がかなこ中心に進むのは
    最後まで違和感だったけど、
    菊千代がかわいく感じてきた。
    結構楽しめた\(^o^)/

  • 食べ物を主軸とした小説は、読者に食べてみたいと思わせる表現ができるかというのが一つの基準であるとすれば、本書のボンベロのハンバーガーには強烈に惹かれました。

    一方で、匂いや食感が刺激されるとすぐにグロい表現によって食欲が減滅させられる繰り返しは、後半若干飽きました。

    とは言っても、完全に絶望的と思われる状況から、機転を利かすことによって未来を切り開くカナコのたくましさは羨ましく、しかしそれは生きることへの強い執着というよりただの偶然の積み重ねだという点は気持ち良く読めました。

著者プロフィール

1961(昭和36)年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学中退。デルモンテ平山名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を手がけた後、1993年より本格的に執筆活動を開始。実話怪談のシリーズおよび、短編小説も多数発表。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)により、2006年日本推理作家協会賞を受賞。2010年『ダイナー』(ポプラ文庫)で日本冒険小説協会大賞を受賞。最新刊は『俺が公園でペリカンにした話』(光文社)。

「2023年 『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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