- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591124765
感想・レビュー・書評
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twitterで紹介され話題の一冊です。25歳の女子大学院生が突然の難病。苦しい検査等々がユーモラスに描かれた闘病記。難病で苦しまれてる方は、沢山おられますが、そんな方達にもエールとなる そんな一冊です。まだまだ、続きが読みたくなる本でした。
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おしりの話は衝撃を受けた。そんなことがあるのか。
手帳の制度や手続きについて考えたことがなかったけれど、知っておくべきだと思った。 -
社会の制度がいかに不条理かをライトに読み込める優良書籍。ちきゅうじんなら読むべし。
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壮絶な、闘病記。
とてつもない難病をかかえながらも、ユーモア溢れる口調で、決して重く伝えようとはしない。ただ、真実を、自分の置かれている状況を、おかしな世の中を、ただただ、伝えようとしている。本のあるべき姿を、見た気がした。
本自体もすごく面白くて、ぐいぐい読んでしまう。大学の図書館で一昨年?去年?たまたま手にとって、読まずに返しちゃったんだけど、今年、授業ですすめられて。あ、あの本。と思って読んだ。またもやナイスタイミング。読むべき時に、本は、やってくる。
こんなに難病でも、考えて、考えて、考えて、戦っている。生きている。わたしが考えないで生きて、どうするんだ。健康なカラダを駆使して、思いっきり賢く遊んで生きるのだ! -
「なにがあっても。悲観も、楽観もしない。ただ、絶望は、しない。」
もともと、ビルマの難民支援に全力で携わっていた女子学生が、突然、謎の難病に襲われてしまう。
支援者から、当事者へ。
ビルマの奥地から、訳の分からない、難病支援のジャングルへ。
自分の体に何が起こっているのかも分からないのに、更に日本の社会福祉制度が襲いかかってくる。
そんな状況にもめげず、担当医師や福祉制度、そして、自分の体に奮闘する、大野さんは、ただただ凄いと感じる。ユニークな文体の向こう側には、大変な苦労があったんだと思う。
医療難民として、生きることの難しさ、それでも生きようとする人の素晴らしさが詰まった本だと感じる。
「なにがあっても。悲観も、楽観もしない。ただ、絶望は、しない。」 -
ビルマ難民の救済活動に尽力していた大学院生が突然難病に襲われる。その闘病生活を綴ったエッセー。
それまで支援する立場だったのが、急に支援される側になって初めて分かること。健康な日常の奇跡。制度や社会の問題点。頼る頼られる関係の難しさ。。。
日本という国が一見ちゃんとしてるように見えていかに制度がむちゃくちゃか。医療や行政はそういうことをちゃんと理解していなければいけないと痛感。闘病のエッセーでありながら、社会の抱える問題をしっかり指摘している。
軽快な文章で中学生から読める。
誰にもこういうことは起こりえる。全ての日本人に読んでほしい一冊。 -
今更という感じですが読みました。
こんなにすばらしい本を読んだのは久しぶりな気がします。
著者の大野さんはあのソフィアの四ッ谷キャンパスをいかにもあるいていそうなリア充のキラッキラした女の子って感じで、難民問題への取り組みもビルマ軍事政権への義憤も、きっとそのありあまるエネルギー故だったのでしょう。
「援助の限界」とか「搾取しているんじゃないか」っていう悩みはたしかにそういう研究にはつきもので、発病前の著者のビルマ女子時代はエネルギッシュだけど、どこか無邪気で、純粋で、世間知らずなところも感じさせます。
それが、すべて自分自身が難民の当事者となってしまったことである意味すばらしいオチを得られてしまっているという、なんという運命の皮肉というか、物語としての素晴らしい伏線の回収を感じられずにはいられない、というか、この著者が自分の人生をそういうふうに解釈できる知性を持った人だということ、その強さに深く胸を打たれました。
そしてビルマ研究時代には決して持つことがなかった揺るぎない「当事者性」を得た彼女の日本社会に対する批判はものすごい説得力を伴って読者に伝わるのでした。
どう考えても大変すぎる状況を、過剰にポップに描写するユーモアたっぷりの文章は、この難病を語る上では書かせないスタイルだと感じました。彼女は難の当事者でありながら、その難に心まで食い殺されることなく、難を難としてみる観察者であり、それをあたかもコメディーのように表現できる表現者である。そのバランス感覚に、まさに著者のキレキレの知性をみた気がしました。
ほかにもいろいろ感じたことあるけどこのへんで。
著者の大野さんを心から応援したいです。 -
BGMはベートーベンの弦楽四重奏第15番でした。絶妙なマッチングに運命さえ感じた。まあ、こんな雰囲気の文体で、とてつもない(主観)ことを書き上げる。三ヶ月前に読んだカズオ・イシグロ並のヒット作でした。(再・主観)
ほんとに今更読んだ感が満載なほど、有名な本になった。「ただ、絶望はしない」というたった一言にたどり着くための葛藤っぷりに胸が打たれた。
何も見ないわけにはいかないでしょう。きっと。人は生きてくのは大変なんです。ほんとに、ほんと、と。