ボビー・フィッシャーを探して

  • みすず書房
3.75
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622078524

作品紹介・あらすじ

◆チェスの非凡な才能をもつ少年ジョッシュとその父親である著者が、伝説的棋士フィッシャーへの憧憬を胸に歩んだ全米学童チャンピオンへの道のりを描く。ハリウッドで映画化もされた、チェス・将棋ファン垂涎の傑作ノンフィクション。◆6歳でチェスを始め、子供らしい無邪気さでチェスに取り組みながら加速度的に強くなっていく息子ジョッシュ。その眩ゆいほどの素質に父親は深くいれ込んでゆくが……。◆親子はチェスの高峰をどこまで登っていけるのか? ライバルたちとの息詰まる対局の行方は? チェスの奥深さと、“頭脳の格闘技”に魅せられた人々の興奮と苦悩をこの上なく切実に伝える感動作。

感想・レビュー・書評

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  • かなり前になりますが、偶然「ボビー・フィッシャーを探して」という映画を見て、なかなか面白く見ました。そして今回その原作が翻訳されたということで、楽しみにしていました。
    著者はライターとして記事やエッセイを書く仕事をしていますが、息子ジョッシュが6歳の時にチェスを教えたら、あっという間にルールを覚えてしまい、父親を負かすようになってしまいます。ボビー・フィッシャーに憧れてチェスを覚えた著者は息子のチェスの才能を伸ばすことに生きがいを覚え、先生をつけたり大会に出したりと熱心なチェス親になりますが、まだ小学校低学年のジョッシュ少年には負担になることも多かったのです。
    この本ではチェスですが、スポーツを子供にさせる親、ダンスや勉強でもいいですが、子供によかれと思ってする親の愛と子供のすれ違いというものは、どこの国でも同じではないでしょうか。熱心だが子供を愛する親と、親のために頑張ろうとするがプレッシャーに押しつぶされそうになる子供がいます。
    そして、著者はライターなのでチェスに関するレポートにもなってます。80年代のソ連に行き、チェスプレイヤーや学校教育の様子のレポートはなかなか貴重かもしれません。当時のソ連がいかに監視社会であったか伝わってきます。
    天才少年だったジョッシュがどうなったのか、この本では訳者のあとがきに書いてあって、映画を見て数十年たってますが、知ることができました。
    チェスというゲームへの愛、そして苦しみや切なさが詰まった本でした。

  • 幼い息子にチェスの才能を見出した著者がチェス教師とともに息子がチャンピオンになることを夢見る。そして、当人や周囲の人間が様々な葛藤の中で生きる姿を描いている。
    1988年に米国で出版され、登場人物もすべて実名というドキュメンタリーであるが、なぜ、今翻訳が出たのだろうか。当然ながら、執筆時と現在では20年以上の時間差がある。登場人物のその後は、訳者のあとがきに少し記されている。
    それでも、本書は面白かったし、読む価値があった。なぜなら、親の子どもへの期待であるとか、ときにそれが昂じて子どもをダメにしそうになったり、親が反省してありのままの子どもを愛そうとするといった親子関係は、時代、地域、子どもに期待する分野を問わず、普遍的なものであり、そのことが本書を通じて再確認できるからだ。その意味では、例えば、難関校に挑む受験生の親などが読むと、受験生の親向けのノウハウ本などよりも得るものがあるように思う。ちょっと長いのが難点だが。

  • ふむ

  • チェスの天才少年といわれ、IMになりその後引退して違う道に進んだジョシュ・ウェエイツキンの父親の手記。
    映画化もされている。映画のほうでは子供のほうにスポットライトがあてられているが、原作は父親の目から見た子供とのチェス漬けの日々の思い出の手記といった感じ。個人的には映画の話よりもこの原作の話のほうが好き。

  • 160227 中央図書館
    ステージ・パパの正直な告解? 子供に期待をかける心理は、わからなくもないが、息苦しい。

  • チェスには詳しくないですが、この親子関係は興味ぶかいです。親にとって子はスペシャルなもので、かつ子供が特別な才能を発揮した場合には、特別な高揚感、幸せ、期待をもってしまうのは自然だと思います。
    そこで、どうするかですよね。子供の才能を伸ばすのは親の努めではあるけど、それは子供の幸せのためであり、親の幸せのためであってはいけない。親にとって幸せとは、子供の幸せなのだから。
    そーいった主題の脇にあるのはチェスの世界であり、その得意な知的ゲームの世界は魅力的である。そしてボビー・フィッシャー。次は「完全なるチェス」を読んでみます。

  • 【目次】
    献辞 [i]
    目次 [iii-iv]
    注釈について [v]

    1 チェスの神童を育てて 002
    2 フィッシャーの遺産 015
    3 ワシントン広場 025
    4 ブルース・パンドルフィーニ 039
    5 大ニューヨーク・オープン大会 051
    6 モスクワに向けたトレーニング 058
    7 列柱の間 068
    8 マルク・ドヴォレツキー 085
    9 ヴォロージャ 096
    10 記者室 113
    11 改修中につき休校? 127
    12 ボリス・グルコ 136
    13 チェス専門店 152
    14 ジョッシュとブルース 157
    15 タイトルを賭けて 172
    16 ビミニ島チャンピオン戦 179
    17 やる気をなくす 199
    18 チェスファンの覚え書き 218
    19 チェス親 233
    20 ロマン 254
    21 ボビー・フィッシャーを探して 263
    22 全米選手権 305
    エピローグ 339

    訳者あとがき(二〇一四年七月) [345-354]
    チェスプレーヤー覚え書き〔若島正〕 [i-iii]

  • 痛々しくて読むのが辛かった。最後に泣かされるとは思ってもみなかった。

  • アメリカの天才チェス少年ジョシュ・ウェイツキンの2年間をその父親が記した本.映画化もされたらしい.面白い部分は多々ある.アメリカのチェス界には常にボビー・フィッシャーの影がつきまとうこともわかった.しかし,読後に思ったのは,「なぜ今ごろになって翻訳が出版されたのか?」である.ソ連は崩壊しているし,ジョシュはすっかり大人になっている.

  • チェスに没頭
    日本で言う麻雀のようなもの?

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