- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758411455
感想・レビュー・書評
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前作「警官の紋章」の事件のすぐ後から、1年半飛んだ時期のある一週間の話。
刑事の日々の仕事を通して、今まで気になっていた事件に新しい事件も加わって忙しい一週間を追っている。地味な「24」みたい。札幌の有名なお祭り「よさこいソーラン」を絡ませて、観光性もじゅうぶん。北海道に行きたくなります。
「警官の紋章」の続きというかスピンオフというか、本当に話が繋がっているので、前作を読んだすぐ後だったせいか臨場感がすごかった。ぜひ2冊続けて読むことをお勧めします。
いずれ時間をあけて「笑う警官」「警察庁から来た男」「警官の紋章」「巡査の休日」を一気読みしたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
〈内容〉神奈川県で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。鎌田は一年前、ストーカー行為をしていた村瀬香里のアパートに不法侵入したところを小島百合巡査に発砲され、現行犯逮捕された。だが、入院中に脱走し指名手配されたまま一年が経ってしまったのだ。一方、よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、鎌田からと思われる一通の脅迫メールが香里の元へ届く。小島百合は再び香里の護衛につくことになるのだが・・・・・・。
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矢作俊彦の二村刑事の休日を描いた中編小説『リンゴォ・キッドの休日』を思い浮かべ、道警シリーズの誰か(佐伯刑事あたり)が休日に何らかの事件に出くわすという勝手な思い込みで読み始めたのだが、休日ではなく平日の物語。しかも主役は今回に限っては小島百合刑事。意外な展開に戸惑いつつも、シリーズとしてずっとある一定のレベルをキープしつつ何となく定着してきたシリーズの安定感を感じざるを得ない。
本書もいきなりの容疑者脱出劇から始まり、同時多発的に展開するあちこちの事件とそれぞれに携わる佐伯、津久井たちお馴染みの面々がそれぞれに『うたう警官』の事件を引きずりつつも、その生き様を変えず、道警という巨大組織との対決姿勢を変えず、信念に基づいた捜査を続ける逞しさは、やはりこのシリーズの読みどころ。
『うたう警官』がなぜ文庫化に際して『笑う警官』と改題したのかわからないし、マルティン・ベックシリーズのあまりにも著名な警察小説の金字塔といえるタイトルを勝手に拝借されるのは、いかにぼくが佐々木譲のファンであっても癪に障る。さらに映画化されるタイトルも『笑う警官』。あの作品は、ジャズにひっかけた音楽好きの警察官、また道警疑惑に内部告発の形でまさしく証言する(歌う)警察官の話であり、『うたう警官』は絶対的なタイトルと思えたのだったが。
人気が出ればアホな版元がアホな改題をするのは、今に始まったことではないが、シュバルー&バールーの名作へのリスペクトを残す気持ちがどこかにあってもおかしくないはず。佐々木譲という作家の方にそのあたりのプライドを見せる意地が見せられるか否か今後に密かに期待しているのだけれど。 -
この作家さんの本を初めて読みました。
何人かの警官が主役の事件もの。
個々の警察官の心理描写よりは、事件の推移がメインのように思います。
事件解決への流れは、まぁまぁ面白く一気に読めました。 -
道警シリーズ。よさこいを舞台にした物語。
このシリーズ、ひと通り読んでいるはずなのに、ディテールが思い出せない…(汗)。単作としても楽しめたけれど、これまでの作中の人間関係が理解できていたら、より楽しめたかも。
ラストは爽快。警察官だって人間だよなあ。休日くらい楽しみたいよなあ! -
独特のスピード感がなかった。
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北海道を舞台にした警察小説。
作家も内容も何も知らぬまま、会社で借りて読み始めたら、テンポよく話が進んであっという間に読めた。
結論までかなり引っ張るのに、エンディングはあっけなく、あと3ページは欲しいと思った。 -
つまんない。シリーズの中で一番面白くなかった。
次回作に期待。 -
「笑う警官」シリーズ、第4弾。
今回は小島百合がほぼメインか。前作で逃亡してしまったストーカー・鎌田の影が再び村瀬香織の周辺にちらつく。これまで同様、佐伯(新宮)、津久井、小島の三人がそれぞれの方面から事件に取り組み、最終的には一つに繋がっていくのだが、今回佐伯一人だけ別枠にいたような。
アンジェリーナ・ジョリーとかMixiとか警備会社の名前とか、直接名前が出てこないが、明らかにこれだろうと思わせる表現をあえてしてあるのがちょっと面白かったかも。