引っ越し大名三千里 (ハルキ文庫 と 6-2 時代小説文庫)

著者 : 土橋章宏

• 角川春樹事務所 (2016年5月12日発売)

感想・レビュー・書評

[河童猿さんの感想 · 2016年6月2日]

『超高速！参勤交代』の土橋さんの最新作です。

徳川家康の次男の結城秀康の五男となる、
松平直基とその息子の松平直矩の２代で、
計７回の転封を命じられた前橋松平家の、
「引っ越し奉行」片桐春之介を主人公に、
お家引っ越しに伴うドタバタ奮闘記となります。

作風としては、
『超高速～』のよぃテイストはそのままですが、
エンターテインメント性といぅ観点からですと、
ちと、小振りな感じだったでそぅか…？？
（エンタメとしては、ちと大人しぃ感じかな…）

それにしても、土橋さんは、
前作の安政遠足や、本作の引越し大名などなど、
ユーモラスなネタを見つけて、小説化するのが、
お上手ですよね～。
（脚本家さんだけに、映像が浮かぶ感じで…）

評価は、少～し甘めですかね～？

[igechan22さんの感想 · 2016年5月23日]

七回も国替えをさせられた不運の大名のもとで「引っ越し奉行」を押し付けられた引きこもり侍の春之介が仲間たちと知恵を絞りながら引っ越しを行う姿が描かれている。
春之介が成長していく姿の描写が素晴らしく、商人たちとの丁々発止のやり取りや、あげくの果てには引っ越しのノウハウを他藩に売るなどのたくましさは読んでいて痛快だった。

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。2011年「超高速!参勤交代」で第37回城戸賞を受賞し、同名映画は第38回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第57回ブルーリボン賞作品賞を受賞。さらに同名の小説で作家デビューを果たす。他の著書に『幕末まらそん侍』『超高速!参勤交代 リターンズ』『引っ越し大名三千里』『スマイリング』『チャップリン暗殺指令』など。

「2022年 『決戦！賤ヶ岳』 で使われていた紹介文から引用しています。」