- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772695510
感想・レビュー・書評
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火を使った肉料理がいかに人間の進化に優位に働いたのか?!という仮説は説得力がある。それが全てではないかもしれないが、ヒトが現時点繁栄している理由の一つと感じる。
ダンパー数で著名なロビン・ダンパー氏のエキサイティングな一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
化石情報だけに頼らず、著者の手持ちの武器である「進化心理学」を使って人類進化の道筋をとらえなおそうとする。24時間という制約の中で、食料を調達する時間、コミュニケーションに費やされる時間をどう捻出するか。そこに「人間」の進化が現れるというアプローチはなかなかおもしろかった。
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ヒト科の進化の歴史を独自の尺度で再度紐解いていく。
まずは、エネルギー収支で脳の容量をまかなえるだけの食料を得るための時間と休息から計算していく。脳の容量でカロリーが計算でき、現生人類は25%が脳に取られている。ヒト科の各種もそれぞれ進化するにつれて収支が厳しくなってきた、それをコミュニケーション(まずは笑い、そのあとは言語)で時間は取られるが安全を確保する。肉を食べることでカロリーおよび栄養の摂取効率をアップする。火を使って料理することでも大幅に効率はアップするが、その前に地球が寒冷化することで、日中の消費カロリーが抑制されたことも大きいと思われる。現生人類は五次の認識ができるため宗教を生み、それが求心力となって、ネアンデルタール人などよりも大きな社会集団を生成できたことが生存につながったと著者は見ている。 -
無慈悲である。人間の行動原理はあきれるほど遺伝子(つまり自然淘汰の結果)に依存している。殺人も、宗教も、浮気も、接待も、ゴルフも、合唱もなにもかも。
ポイントは、サルは毛づくろいをするということ。集団が大きくなればなるほどその維持にあたり毛づくろい=エンドルフィンを伴うコミュニケーションが必要になり、限られた時間の中で効果を最大限にするため笑いや歌や食事会や酒や宗教が生まれた。
この本を読む一つの目的が、なんだかいろいろと種類の見つかっている猿人、旧人、そしてホモサピエンスへという流れをちゃんと知ることだったが、予想した以上に詳細に進化の過程を辿ることができた。 -
469.2/D 97