人類進化の謎を解き明かす

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制作 : 鍛原多惠子 
  • インターシフト (2016年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772695510

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人類進化の謎を解き明かすの感想・レビュー・書評

  • 多くのパラメータを「社会脳仮説」と「時間収支モデル」の2つに収束させることでこれだけスッキリと人類の進化を捉えられるというのが面白い。
    あくまで仮説やモデルであり、新たな考古学的発見によって修正を余儀なくされることもあるだろうが、非常に俯瞰的な取り組みに思える。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:469.2||D
    資料ID:95160962

    ヒトの心や社会ネットワークはいかに進化したか?私たちはいかにして「人間」になったのか、心や社会ネットワークはどのように進化したのか―謎を解く鍵は、「社会脳」と「時間収支(1日の時間のやりくり)」にあります。「ダンバー数」で知られる著者が、人類進化のステージを初めて統合しています!薬学生の必読書です。
    (生化学研究室 大塚正人先生推薦)

  • 火を使った肉料理がいかに人間の進化に優位に働いたのか?!という仮説は説得力がある。それが全てではないかもしれないが、ヒトが現時点繁栄している理由の一つと感じる。

    ダンパー数で著名なロビン・ダンパー氏のエキサイティングな一冊。

  • 化石情報だけに頼らず、著者の手持ちの武器である「進化心理学」を使って人類進化の道筋をとらえなおそうとする。24時間という制約の中で、食料を調達する時間、コミュニケーションに費やされる時間をどう捻出するか。そこに「人間」の進化が現れるというアプローチはなかなかおもしろかった。

  • ヒト科の進化の歴史を独自の尺度で再度紐解いていく。
    まずは、エネルギー収支で脳の容量をまかなえるだけの食料を得るための時間と休息から計算していく。脳の容量でカロリーが計算でき、現生人類は25%が脳に取られている。ヒト科の各種もそれぞれ進化するにつれて収支が厳しくなってきた、それをコミュニケーション(まずは笑い、そのあとは言語)で時間は取られるが安全を確保する。肉を食べることでカロリーおよび栄養の摂取効率をアップする。火を使って料理することでも大幅に効率はアップするが、その前に地球が寒冷化することで、日中の消費カロリーが抑制されたことも大きいと思われる。現生人類は五次の認識ができるため宗教を生み、それが求心力となって、ネアンデルタール人などよりも大きな社会集団を生成できたことが生存につながったと著者は見ている。

  • 無慈悲である。人間の行動原理はあきれるほど遺伝子(つまり自然淘汰の結果)に依存している。殺人も、宗教も、浮気も、接待も、ゴルフも、合唱もなにもかも。
    ポイントは、サルは毛づくろいをするということ。集団が大きくなればなるほどその維持にあたり毛づくろい=エンドルフィンを伴うコミュニケーションが必要になり、限られた時間の中で効果を最大限にするため笑いや歌や食事会や酒や宗教が生まれた。
    この本を読む一つの目的が、なんだかいろいろと種類の見つかっている猿人、旧人、そしてホモサピエンスへという流れをちゃんと知ることだったが、予想した以上に詳細に進化の過程を辿ることができた。

  • ダンバー数で有名な著者の新作。
    従来の社会脳仮説に加え、時間収支とヒトの進化の関係についても語られるが記載はとても冗長。進化心理学的な話を期待して読み始めると、延々と続く考古学的な考察にちょっと食傷気味になる。

    人類は、生物学的な進化よりも文明的な発展によって地球上の覇者となってきた。
    脳は大きさが全てではない。共同体の規模は前頭葉の大きさによって決まる。ネアンデルタール人は大きな脳を持っていたが、北方に居住していたため赤道付近よりも薄暗い中での生活を営んでいた。そのため視覚システムおよび基礎的な身体機能に特化した脳を必要とし、結果的に“スマートパート(高機能な部位)”が少ししか残らなかった。後方優位に脳が大きくなり、前頭葉は小さかった。

    前頭葉から見た適正なヒト集団の数は150人で、これは血縁関係を認識できる最大の数

    もう一つ重要なのが時間収支で、これは食べ物探しなどの必須時間を引いて残る、社交に費やされる時間。
    言語の役割は社会的なつながりを肉体的なもの(毛づくろい)から音声に転換することで複数の個体を同時に「毛づくろい」することで、より大きな共同体をつくることを可能にする。
    毛づくろいは、その恩恵を受けるのは毛づくろいを受けている個体だけだが、笑いの場合は冗談を飛ばす一人とそれに耳を傾けている二人全員がエンドルフィンの作用を経験する。(笑いを共有できるのは3人までだと著者は言う)
    その他、物語と宗教の果たしてきた役割も大きい。

    ・結核菌はニコチンアミド(VitB3)を産生するが、VitB3は主に肉からしか摂取できず、不足するとペラグラなどの症状を引き起こす。DNAの研究からはヒトの結核菌は7万年以上前にその起源があり、人類の脳が急に増大した時期とも近い。ある種の共生関係にあったのかもしれない。

    ・単婚社会というのは自分たち夫婦以外と仲良くすることを妨げるため、大きな社会をつくるのには本来不向き。しかし、単婚のシステムがないと子殺し(他のオスが産ませた子を殺すことで、メスを妊娠させやすくしようという戦略)がおきやすくなる。また、メスの用心棒としてオスを雇うということも単婚化のメリット

    ・女性が閉経するという現象は哺乳類では人間ぐらいでかなり珍しい。しかし、そのおかげで自分の子育ての後、娘の子育てを手伝う(祖母による子育て)が可能になった。

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人類進化の謎を解き明かすの作品紹介

・・ヒトの心や社会ネットワークはいかに進化したか?・・

私たちはいかにして「人間」になったのか、
心や社会ネットワークはどのように進化したのか――
謎を解く鍵は、「社会脳」と「時間収支(1日の時間のやりくり)」にある。

この新たなアプローチによって、類人猿から現生人類まで、
進化のステージが初めて統合される。

・人類進化の鍵は、「社会脳」と「時間収支」が握っていた。
・人類の脳の増大についての通説は間違っている。
・ネアンデルタール人の絶滅は、脳と緯度の関係に注目せよ。
・なぜ言語や音楽が生まれたのか。
・肉食や料理は、進化とどうかかわるか。
・ヒトは本来、単婚なのか、多婚なのか。
・複雑なヒトの社会やネットワークはいかに生まれたか。
・「死後の世界」と宗教の役割

・・ダンバー数(気のおけない仲間の数は150人)で知られる著者による
驚きの知見満載の最新作!

::著者:: ロビン・ダンバー
オックスフォード大学の進化心理学教授。
ダンバー数や社会脳仮説の提唱者として知られる。
邦訳書は『友達の数は何人?:ダンバー数とつながりの進化心理学』、
『ことばの起源』、『科学がきらわれる理由』。

::訳者:: 鍛原多惠子
翻訳家。訳書は、エリザベス・コルバート『6度目の大絶滅』、
マイケル・コーバリス『意識と無意識のあいだ』、マット・リドレー『繁栄』など多数。

::目次::
第1章: 人類とはなにか、いかに誕生したのか
第2章: なにが霊長類の社会の絆を支えたか
第3章: 社会脳仮説と時間収支モデル
第4章: アウストラロピテクス――時間収支の危機をどう解決したか
第5章: 初期ホモ属――脳の増大をもたらした要因
第6章: 旧人――料理と音楽、眼と脳
第7章: 現生人類――なぜ繁栄することができたのか
第8章: 血縁、言語、文化はいかにつくられたか
第9章: 新石器時代以降――私たちが「人間」になった理由

::絶賛::
心のはたらきについて素晴らしく力強く説明してくれる。必読!
――『ニューサイエンティスト』

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