ライチ☆光クラブ (f×COMICS) (Fx COMICS)

著者 :
  • 太田出版
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感想 : 456
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778320171

感想・レビュー・書評

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  • あんぎゃー、なんじゃこの凄絶な残酷劇(グランギニョル)は! 想像の数倍残酷でしたね。読むまではもうちょっとポップな感じかと・・・・・・・。

    これ演劇だったのか・・・、ちょっと見て見たかったかも。幻の劇団、東京グランギニョルに影響を受けた古屋兎丸先生が、その圧倒的耽美な画力で、この作品を残してくれたことに感謝したいですね。自分にとっても、衝撃と深い感動を震え起こさせた作品でした。

    光クラブのメンバーは全員中学生ということもあり、自分たちだけの秘密基地で過ごしたり、大人を醜いと蔑んだり、力を誇示したりするなど、様々な形で叛骨心を燃やしています。それを私たちは「イキってる」「中二病」などといって、まあ小笑いしているわけですが、それにしたってこの話の登場人物はキャラが濃すぎて狂いまくっているでしょう! 恐らくそれが人気を博す一因なのでしょうが、凄すぎる。でも、繰り返す残虐に酔い痴れたような顔をする彼らは、確かに魅力的でもあります。その惨さ、恐ろしさが、ページをめくる手をとめさせてくれませんでした。

    やはり印象的なのは、残酷の象徴のようにも、人間のようにも描かれた「ライチ」でしょう。「私は人間だ」――「本当の人間になりたい」ライチの懊悩と成長が、光クラブのメンバー、殊にゼㇻと、ものすごい対比をなしている。この対比がこの作品をグランギニョル足らしめる要素であり、物語の核であり、真理だと思います。カノンがゼㇻに言う、「ライチの方がずっと人間らしいわ!」という叫びからも、このことはよく分かります。そしてライチが行う最後の復讐で、デンタクもこう言っています、「まだ誰もやってないプログラムを僕は作ったんだ‼ 人間の・・・心を」と。極めつけはライチの最期のシーンでしょう。薔薇の漂う水の中で沈むようにカノンからキスを貰ったライチの姿。私はこの姿は、かの有名なシェイクスピアの『ハムレット』の悲劇のヒロイン、オフィーリアの最期にそっくりだと思いました。ライチの死は他の誰よりも穏やかで、美しい。ライチはここで人間と認められ、同じく、一番の悲劇を被った存在として描かれているのかもしれません・・・・・・・。

    こうやって見ていくと、この作品にはただの残酷劇で終わらせない、切なくて耽美な、時代を超えて引き継がれていくであろう魅力が感じられると思います。私自身もこの作品が大好きになりました。本当に、本当に感謝ですね。ありがとうございます!

  • 死ぬほどグロかったけど良かった…
    ライチ鬼可愛い…

  • 正にTHE・見世物小屋の世界
    劇場版の監督は「先生を流産させる会」の人らしいがR-18以上でなければつまらないと思うんだよな・・・

  • 70年代のアングラな雰囲気の中、グロテスクな描写とJUNEの耽美な色香漂う少年達の狂気の物語。残酷な描写に目を背けたくなるのに背けられない怪しい魅力と美しさがある。
    ライチと少女の純愛は美女と野獣とかロストチルドレンを思い出す。そして絶対的カリスマのゼラのなんと未熟で凶悪で美しいことか。実際にあった舞台に古屋さん独特のアレンジや設定が加えられる事により、少年期の危うさや残酷さがより表現されていると思う。
    とはいえ映像的に受け入れられない人は多いと思うし、同性愛やグロ描写に耐性のある方でないとかなりキツい。それでも何故か美しく感じてしまうところがこの作品の魅力だと思う。

  • 友人が貸してくれたライチ☆光クラブ。自分が手を出すカテゴリでは無いけれども、グロテスクさもエロティックさも、あの繊細な線で全てが吹っ飛んでしまうぐらいの描き込み量。グロい場面でもじっと描写を見つめてしまいます。最後にゼラの人間的な醜態を見てなんだかホッとした気が。

  • “「悲しいお話はもうお終いよ!踊りましょうライチ!」
    『踊り…』
    「ライチ 私達は大きなお城にいるのよ
    そして私はお姫様 ライチは魔法で怪物に変えられてしまった王子様なの」
    『王子』
    「ライチ…私には見えるわ ライチは踊ってる間だけ人間に戻ってるの
    人間のあなた素敵よ とっても素敵…」

    「久しぶりに踊ったら疲れちゃった
    今夜はライチも一緒に眠りましょう そしたら同じ夢が見れるかもしれないもの」
    『夢…』
    「おやすみライチ」
    『おやすみカノン』”[P.227]

    うわぁなんだこれグロテスク……というか怖い。
    絵の描き方凄いなぁ。

    Thanks to K.H.

    “「いいえ違うわライチは人間だわ 本物の人間だわ」
    『人…間… カノンと…同…じ』
    「そうよライチは人間になったわ
    素敵よ…とてもかっこいいわ」
    『カ ノ とて…も きれ… ずっと一緒に…』
    プツン”[P.309]

  • これ読んで兎丸さんのファンになった。
    グロいっちゃグロいのに、綺麗な雰囲気がある感じ
    タミヤ男前!

  • さーっぱりわからん

  • グロテスク・スプラッタ・同性愛などハードな描写が含まれているので苦手な方は注意。
    ショッキングなシーンが多いです。

  • ものすごく残虐で見てられないけど、すごくよく整頓された完成度の高い作品だと思う。
    メインの登場人物がたくさんいるのに結構早めに区別して覚えられたから そういうところもすごい。

    レベル高めのエログロの割にトラウマ度は低い。
    多分、実はみんなすごく人間的だからだと思う。
    スタートが暗黒で、ラストに向けて徐々になんだか美しくなっていく感じがするのが新しかった。ずーっと血みどろではあるんだけど。
    最後のライチの言葉がベタだけどしみる。

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著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。九四年に『月刊漫画ガロ』より「Palepoli」でデビュー。卓越した画力と多彩な画風で熱狂的な支持を集める。著書に『ライチ☆光クラブ』『帝一の國』『女子高生に殺されたい』などがある。

「2021年 『谷崎マンガ 変態アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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