作品紹介・あらすじ
仕事とは何か、愛とは何か、青春とは何か、読書とは何か、そして人生とは何か-。読者に感動を運び続ける「本のソムリエ」が、知る人ぞ知るベストセラー『生くる』『友よ』で話題の思索家に迫った対話集。たった一度の人生を後悔しないために。
感想・レビュー・書評
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癖の強い本だ。
アマゾンでもブクログでも読書メーターでも基本的に評価が高い。この理由で読んだ私は執行氏の言う横の人間の1人だろう。いくら読んでもこれほど評価が高い理由が見つからない。
私は思想としてはいわゆる保守に近い。25歳であるが読書も同世代と比べればかなりしてきた。したがって本書の著者の1人執行氏とそれほど思想が離れていない。にもかかわらず、ある種の胡散臭さがぬぐえなかった。
ところどころ良いところはある。例えば神社参拝と読書を重ねて共に問うことであるという部分などは大いに賛同する。不安や心配をせず、もう何事もぶつかるしかないんだということも本質的で同意する。
しかし、宇宙のエネルギーがどうこうとか気持ちが全てだという部分があるのには辟易とした。論理性というものを著者は持っていない。自分は人に嫌われていてしかもそれで良いんだ、自分には利益以上の崇高な魂の燃焼しかないんだと言うが、そのような人が本を出版して、自分のその他の著書を本文で脚注をつけてベストセラーと書くだろうか。
嫌いな生き方ではないし私も世間から見れば彼に近いかもしれない。ただ、彼には幼稚さも伴う。自分が嫌いな思考の人を殺してやりたくなるとか、自分は喧嘩で25000回以上の勝ってきて負けてたことがないとか。成熟している人間だろうかと思う。ヒールであっても魅力がある人はいる。彼は自分をそのような人間と思っているが、私はどうしてもそう思えなかった。自己実現のためにもがている感が出ていて、全否定はしないがこんな大人にはなろうと思わない。
対談本でありしょうがないのかもしれないが、対談相手の清水さんも、執行氏のイエスマンにしか感じられなかった。そうですねと同意しかしない。互いにすごいと褒めあい、正直痛々しい。清水さんは、絶対に自分の本屋にはベストセラーを置かないらしい。でもベストセラーらしい執行氏の本は薦めるという。こうした矛盾が散見される。完成度が低く、自己満足的だ。
賛同するところも大いにあるだけにもったいないのだ。読書家と自称する人によくあるのが、自分がすべて正しいと思い込んでいることであり、執行氏にはこれが当てはまる。清水さんはバランス感覚がありそうだが、本書ではイエスマンになっている。自論で押し切り、経済や政治の難しい問題については、政治家の精神面がおかしいんだという批判に終始する。おそらく理論的に反論ができないのだろうが、その自分の知識の欠陥を精神論で押し隠すのがかっこいい大人でないのだ。
とにかく冒頭に書いたように癖が強い。なぜレビューが高いのかどうしても自分には読み解けなかった。私の能力を完全に超えた内容で、レビュアーの方々も私よりはるかに賢いということでもないだろう。この疑問がどうしても解けない読書だった。いろんな意味で勉強になった。
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横野郎という言葉がとても気に入って、よく使っています(心の中で)。
垂直に生きたいです。
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執行草舟はとにかく突き抜けた人という印象。
この方の生き方を真似が出来るとは思えないし真似をしたいとも思わない。
でもここまでわがままな程に自分の生き方を貫くというのが本当に人生を全うするということなのかもしれませんね。
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読書のすすめに行く機会があり、清水さん本人から購入しました。本・読書を中心に生命力のある日本人像を語る書籍。
どう自分を燃焼させていくか、そんなキッカケを与えてくれる本!
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読書は人生を豊かにするということを再認識。わかろうとわかるまいと読んでみるのが良いんですね。
横ばかり気にして生きている水平人間のことを「横野郎」という。
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"読書を全面的に肯定してくれている本。
一度だけの人生、命を懸けてという志で社会に役立つこと、なんでもいいから実行しよう!という気にさせてくれる。
この本の中で紹介していた読んでみたい本は、
「生くる」
「少年日本史」
「沈黙の世界」
「純粋理性批判」"
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最近読んだ本の中で一番心に響きました。
一読する価値のある本ですが、人を選ぶ本だと思います。
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執行草舟先生がとにかく今の日本をバッサリと斬りまくる、目からうろこの対談本。日本が立ち返り、日本人が進むべき道を強く示す先生の語り口は、賛否分かれそうなところです。
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執行草舟氏と清水克衛氏との対談をまとめたもの。
「魂」の考え方はよくは理解できなかったが、人間は「自」ではなく「他」のために生きるべきだという考え方かなと思う。たしかに、他者のために人生を捧げた人の人生は美しい(と僕は思う)。自分の人生もそうでありたいと強く思う(実際は、命を懸けるという水準では実践できていないのだけれど)。僕の大好きな司馬遼太郎さんも、「洪庵のたいまつ」で同趣旨のこと述べている。
ただし、僕にとっての「他者のために生きる」というのは、もっと利己的なものかもしれない。人間、いつか死ぬ。僕は死ぬときになって「いい人生だった」と言えるような人生を送りたい思っている。そして、僕にとっては、自分が誰かのために役に立った、自分のおかげで少しでも幸せになった人がいた、と思える人生が「いい人生」だと思っている。だから、僕が他者のために生きようと思うのは、僕が死ぬときに良い気分で死にたいからということに尽きるかもしれない。
僕は、人間は、他者を不快にしない限り、個人の好きなように生きればいいのではないかと思っている。J.S.ミルの「他者を害しない限り何をしてもよい」という哲学を知って以来、それはよい考え方だと思ってきた。この点執行氏は、好きなように生きるならば、それでよい、しかし、そうやって生きている「自分の人生に誇りを持たなきゃだめだ」、後に人の人生を羨むようなことを言ってはならない、「わがままを通すのなら、自分で責任をとれ」という趣旨のことを述べている。これは本当にその通りだと思う。
もう1点、「沈黙」が人間の魅力を作るという考え方は格好いいですね。たしかに普段は寡黙だが、その人が発言をしたときは「重い」という男はかっこいい。今の僕はどちらかというと周りの空気に合わせて適当に発言することがあるタイプなので、それ自体悪いとも思っていないが、「沈黙」が似合う男になれたら格好いいと思う。
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配置場所:摂枚普通図書
請求記号:914.6||S
資料ID:51600063
自然とやる気と勇気がわいてくる、読みやすい本です。
人生とは何か?考えてみてください。
(生化学研究室 大塚正人先生推薦)
執行草舟の作品