- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794214782
感想・レビュー・書評
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科学ドキュメンタリー。
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カンブリア紀の大爆発とは種が増えたことではなく、生物の外観が多様化したことを指す。その原因は眼を持つ生物(三葉虫)が誕生したこと。それに食われないように装備や保護色、警告色、敵を認識するための眼を持つように他の生物が進化したため、短期間で進化が進んだ。この時期に眼が誕生した理由は地上が明るくなったから。待機や海水、宇宙空間の組成が変化して海中に光が届くようになったから。
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科学者さんの書く一般書を読んでいつも感じるのは其の情熱である。時としてそれは狂気に近くなるのではないか?自然も社会も脳の中にあるので、どこかで脳の中から出る行為が必要だと思った。脳に支配される身体を、如何にして脳の支配から開放するかが俺の課題かな?と…
それが今はサーフィン -
カンブリア期の生命の爆発的な多様性の増加を説明する新理論、ということかな?
それは、「眼の誕生」によって、肉食動物の「食うか、食われるか」によって進化の圧力がかかったということではないかということ。
言われてみれば、なんか当たり前の話しのような。
真実って、そんなものかも。。。。
それにしても、眼という精緻な気管が偶然の変異と自然淘汰の結果として、進化するというのは、ほんとすごいな〜と思う。
でも、なんか生命には進化するなんらかの本質的な力があるんじゃないかという生気説とか、目的論的な進化論みたいなものを信じたくなる理由はよく分かる。 -
カンブリア爆発は生物が視力を獲得したことによって生じた
強力な淘汰圧によるものであるという「光スイッチ説」を
論じた本。中で触れられている通り、あまりに単純で誰もが
思いつきそうなコロンブスの卵的な発想であり、専門家で
あればあるほど諸手を挙げて賛成するのはためらわれると
思われる説なのだが、確固たる反証が見つからなければ
(見つかるとは思えないのだが)受け入れられるべき説だと
思う。
それとは別に興味深かったのは視力と光が特別だという話。
光は常に降り注いでおり、生物はその淘汰から逃れられない
(音や化学物質を出さなければ聴覚や嗅覚からは容易に逃れ
ることが可能)というのは新しい視点だった。 -
あの大進化が「なぜ」起こったか、について、
周到にそろえた証拠を連綿と並べた上で、最後に自説を示している。
まさに、もやもやとした状況が最後に「像を結ぶ」ようで面白い!
全編にわたって、身近な今昔の証拠からそれの意味するところに
したがって時を遡り、状況証拠をそろえていく、という順序が
守られている。
ただし中には、ある物証に対して、著者のストーリーに都合のよい
側面だけを用いて論拠に当てているところも2,3箇所あった。
また、状況証拠という性質上免れないのかもしれないが、この説の
有力な論拠自身が自己矛盾あるいは反証となりうる、という側面には
触れていないところが、まだまだ検証の余地のあるところだと思う。
特に回折格子の捕食-被食関係における効果について。
こういうまとまった科学読み物は、
著者がストーリーの主導権を(当然)握っているので、敢えて反証や
矛盾に敏感になって読んでみましたが、それでも論理における
致命的な欠陥はないと思える、本当に面白い説だと思います。
著者も窮した、
「じゃあ眼はなぜ進化したのか」
という問いは、
「謎が謎を呼ぶ」という科学の醍醐味なのかもしれない。
終盤で明らかにされる説を読むと、
いくつかの関連する事例が頭をよぎります。
それは、
「人工衛星の軍事における意味」
とか、宗教的な解釈ではないですが、
「知恵の実がアダムとイヴに与えた影響」
です。
あと、個人的には
「色彩は脳内以外の外界には存在しない」
というのが、改めて興味深かった。
これは、まったく意外なところで、ソーシャルワーカーにも役立つのではないか、と思える。 -
5億4000万年前の進化の爆発がなぜ起こったか。
光を視覚でとらえる眼の器官が三葉虫に最初に備わり、それまでは海の中をぼんやりと漂っていた生物の世界が視覚を得たことで、食う食われるの忙しい世界に変わり、身を守るため、子孫を残すために一気にいろいろな形や機能が備わり進化の爆発が起こった、とのこと。
非常に綿密な科学的資料の説明で、正直、飛ばし読みだが、ポイントは分かったように思うし新鮮な内容だった。前文に、科学的専門的な内容を一般読者に読んでもらう文章にするためとても苦労した、とあるが、その工夫の部分はここだな〜とかわかりやすくて面白かった。著者にユーモアのセンスがあるのは確かで微笑ましい。
内容は多分隙がなく素晴らしいのはわかるが、科学的説明を読み続ける根気と実力不足のため、私にとっての評価は3。