データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

著者 :
  • 草思社
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感想 : 152
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794220684

感想・レビュー・書評

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  • <内容>
    第1章  時間は自由に使えるか
    第2章  ハピネスを測る
    第3章  「人間行動」の方程式を求めて
    第4章  運と真面目に向き合う
    第5章  経済を動かす新しい「見えざる手」
    第6章  社会と人生の科学がもたらすもの

    <内容>
    名札型の「ウエアラブルセンサ」をつけることで、人間の行動がビッグデータ化し、それを検証することで(実はここが一番難しい。データから見えるものを導き出すことは、AIいはできず、人間の仕事だ)、人間の行動を「科学化」。法則を導き出すとともに、「コミュニケーション」の本体(ただ話すことだけでなく、自ら活発に体を動かすこと)や「ハピネスの正体(これも自ら身体を活発に動かすこと)、組織の活性化や運、働き方まで、今までの人間の勘と経験(これは実に役立たないあらしい)を凌駕するものができるらしい。ただただ、感心した…
    あとは、古代からのさまざまな格言が、たとえば「易経」や「アダム=スミス」など、実は当たっている(というか、超優秀な人は、通常の勘や経験を凌駕しているんだね)。


    逗子市立図書館

  • 膨大なデータの解析による目からウロコの法則右肩下がりのU分布.人間のハピネス,行動,ひいては社会に一石を投じた.リストバンドのようなウエラブルセンサを何年もつけてデータを収集した研究魂に敬服.

  • 分子としての人の動向にパターンがあるのは、人によっては認めにくいのだろうなぁと思う。

    Hがどのようなアルゴリズムで動いているのかが非常に気になる。

    あと、個人向けにウェアラブル端末とアドバイスサービスを出してほしい。やってみたい気はする。

    あと、売上上げるカウンセリングサービスみたいなものをやって経過がどうかも見てみたい。

    6項目の内容の変化によるアドバイスが64項目で易経と同じようなのは面白い。

  • Asian Reading アジアの活読
    『 データの見えざる手』矢野和男 草思社
    行動は続けるほど止められなくなる、そして行動自体がHappinessの基準になるのだと。コールセンターでの分析、休息時間の活発度が受注率の向上に繋がるP84は、応用できそう。チクセントミハイ教授のフロー状態 最適体験が出てくるに至って本物だ、と確信。明日からIBM Watson展だけれど、日立の人工知能ソフトH(コナン・ドイルのHOLMESからとった)はあまり聞かないけれど頑張ってほしいぞ!
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2015/03/06/19423

  • 本の内容は、
    (ある特定の環境下における)社会現象や人間の行動を計測したら、大体は数式(法則)で表せた。その数式は、大体において、異なる環境でも、同じ数式になった。そこで他のことも法則を当てはめて、色々考えてみた。
    という感じ。

    面白いし役に立つ本。

    前半は、実際の実験に基づいていて、後半は考察なのかな。後半は引用が多いかわりに、実証実験の結果っぽい記述が少ない気がする。

    筆者の主張を鵜呑みにするのは、ちょっと注意かな。この人、すごいんだろうけど、かなり偏ってそう。

    著者の考え方のベースが、数字で表せないものは科学じゃない、という感じ。物理や数字バンザーイみたいな気が。。^_^;
    あと、いくつか、それってそういう意味だっけ? とか、前提とか定義が雑で、あれれ?って思う箇所があるのが気になった。思いが先走ったのかな。

    だから評価は3にした。面白かったけど。


    この手のアプローチは、人文社会科学の分野から見ると、待ち望んでたアプローチを、やっと技術が追いついて、できるようになった、というところだろう。

    そういう意味では、発見は新しいし面白い。考え方は独創性はなく普通。そして、改めて明らかにされた事実は面白い、という感じ。
    そこにこの人の研究や実験に軍配があがるんだろう。

    測った先には何が待ってるのかな。。
    私も毎週、良かったことを書いてみようかな。

  • ・マスに分けてその中の玉をランダムに交換すると、特定の少数のマス目に玉が集まってしまう。
    ・これは能力差などのマス目特有の事情によるものではなく、平等なやりとりの繰り返しに起因する。「繰り返しの力」が「貧富の差」をもたらしている。
    ・これは因果による結果ではない。人は因果という枠組みに頼って世界を認識しようとするが、因果という考え方は多数回の繰り返しの結果を見通すには適さない。
    ・週に10分「今週よかったこと」を書く。
    ・そのメンバーは朝から活動量の立ち上がりが早くなし、ピークがより前倒しされ、帰宅時間が早まった。
    ・会話の時間の長さは人によって違う。会話のときに身体が動く、会話中の活発度の集団平均が高い現場では、積極的なスイッチが入りやすくなる。問題を率先して発見し、創意工夫して解決する現場が形成される。
    ・ITによって活発度の連鎖を促すしくみがなくなり、むしろ生産性の低下を招く。過度のメール依存や、ワークフローシステムなど。他人との身体運動の機会が失われる。

  • 人間の行動を支配する隠れた法則を、「方程式」に表す。ヒューマンビッグデータがそれを初めて可能にした!時間の使い方・組織運営・経済現象など、人間と社会に関する認識を根底からくつがえす科学的新事実。科学としての確立と現場での応用が同時進行し、世界を変えつつある新たなサイエンスの登場を、世界の第一人者が自ら綴る!

  • equatin?人间行动也有方程式?向上すべき事柄のヒトモノカネ情報を広く収集する。

  • Gおすすめ

  • 想像の2歩くらい先をいっていたので、咀嚼するのに時間がかかりそうだけど、凄く可能性を感じた。
    (という上手くまとめられない逃げwww)

    『発想のきっかけは、「人」を「原子」に対応させ、「社会現象」を「自然現象」に対応させるアナロジーである。』
    というところを出発点にサイエンス的アプローチで、今まで定性的に調査されていた事象(幸福度まで!)にメスを入れ、成果まできちんとたどり着いているのが衝撃だった。

    後述されてるけど、人間に求められるのはこのアナロジー力を用いた、問題(課題)の発見と設定なのかなと最近思う。
    そうでなければ、(他種大量のデータがある場合は)PDCAから答えを導く人間から、答えドーンと導きだせる帰納用コンピュータにとって代わられるんだから。
    (ここが今、一般的に言われている"ビッグデータ"的アプローチのさらに一歩先だと感じたポイント)

    そして、個人的には関心が強い幸福度について。
    自分から積極的に行動を起こしたかどうか=自ら意図を持って何かを行うことで、人は幸福感を得るということが導き出され、
    『幸せを得られるように、人に行動を促すテクノロジー』は是非ウォッチして、取り入れていきたいなー。

    ちなみに一番うれしかったのは、ビッグデータ的にも困った時の社内散歩は正しいということが証明されていたこと(笑)

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著者プロフィール

矢野 和男(やの・かずお)
株式会社日立製作所フェロー。株式会社ハピネスプラネット代表取締役CEO。1959年山形県酒田市生まれ。1984年早稲田大学物理修士卒。日立製作所入社。91年から92年まで、アリゾナ州立大にてナノデバイスに関する共同研究に従事。1993年単一電子メモリの室温動作に世界で初めて成功し、ナノデバイスの室温動作に道を拓く。2004年から先行してウエアラブル技術とビッグデータ解析を研究。論文被引用件数は4500件、特許出願350件を超える。「ハーバードビジネスレビュー」誌に、開発したウエアラブルセンサが「歴史に残るウエアラブルデバイス」として紹介される。開発した多目的AI「H」は、物流、金融、流通、鉄道などの幅広い分野に適用され、産業分野へのAI活用を牽引した。のべ1000万日を超えるデータを使った企業業績向上の研究と心理学や人工知能からナノテクまでの専門性の広さと深さで知られる。2014年に上梓した著書『データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』(草思社)が、BookVinegar社の2014年ビジネス書ベスト10に選ばれる。

「2021年 『予測不能の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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