- Amazon.co.jp ・本 (117ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806011101
感想・レビュー・書評
-
あちこちでこの歌集初出の短歌に出会う機会はあったのですが、実はちゃんと読むのは初めてなのです。
ああ、もう。
穂村ワールドに夢中になっていました。
くらり、くらり。
付録の栞で坂井修一さんが、穂村さんの短歌について「ユーモラスで残酷で明るくて寒い」と書かれています。
なんとなく、地面に片足のつま先だけつけてふわふわ浮いている感じがするのです。
何度でも、何度でも、くりかえし読みたい歌集でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんというか、読んでいると、蚊にさされた跡を掻きこわしながら、プールの水面、光の乱反射をみているような気分になる。
-
春雷よ「自分で脱ぐ」とふりかぶるシャツの内なる腕の十字
(↑お気に入りです)
三十一音の中にどれだけ世界を語るか(あるいは語らないか)。歌を鑑賞するのって意外と体力が必要だったりします。でも読んでて疲れることなんかないし、楽しいし、時間をちょっとだけシカトできるのが気持ちいいです。 -
たまにありありと光景が浮かぶやつがあって、そういうのが好きだった。
-
悩める人にぴったりの短歌がたくさんあります。穂村弘先生はエッセイも素敵なので、そちらも是非どうそ!(てし)
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/
図書館・請求記号 911.16/H83/4/ -
●子供よりシンジケートをつくろうよ「壁に向かって手をあげなさい」
●「とりかえしのつかないことがしたいね」と毛糸を玉に巻きつつ笑う
●ワイパーをグニュグニュに折り曲げたればグニュグニュのまま動くワイパー
●「飲み口を折り曲げられるストローがきらい臨時の恋人がすき」
●ねむりながら笑うおまえの好物は天使のちんこみたいなマカロニ
●ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は
●試合開始のコール忘れて審判は風の匂いにめをとじたまま
●終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて -
どうしてここにそれを、っていう言葉の組み合わせに、読みながら恍惚とする。
言葉の持つ力に、私はまだ全然気が付いていないんだと思わせてくれる。
一つ一つの作品は31文字の非常に限られたものなのに、連続して読んだあと、一組の男女のなにからなにまで覗き見たような気持ちになって、ちょっとした背徳感。でもその背徳感が気持ちいい。 -
ちょっと大人な人の現実ってこういうことかな?と、変な期待をしないで落ち着いていける感じです。特に好きなのが、ぞうのうんこに語りかける歌です!!
(一般担当/ほむほむほむ)平成29年3月の特集「名作を読もう!」 -
去年、トイレでちびちびと読んでいた。言葉選びのセンス。