資本主義と自由 (日経BPクラシックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822246419

感想・レビュー・書評

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  • アメリカのアダムスエクスプレスのかわりに法律で、政府の大陸横断郵便事業を優先させた。アダムスエクスプレスは今は投資信託会社。
    国立公園は、入場料で運営できる。

    商品本位制(金など)は通貨供給量を増やせない。

    義務教育は公立学校を廃止して教育バウチャーを配る。小中学校は公立と私立の共存が望ましい。

    市場によって差別が減る。個人の属性から生産物を切り離せる。
    公正雇用慣行法
    言論の自由はなぜ望ましか。何が公正化を多数派が決めるような社会はよくない。

    利益集団の声は通りやすい。消費者の声はまとまらない。

    医者の免許を開放する=法的責任と賠償責任が課されれば医療はもっと発達する。

  • 新自由主義の教祖的存在のフリードマンの思想を知りたくて読んだ。全てとまではいかなくてもほぼ全てのことは政府に任せるより市場に任せた方がうまくいく、政府はあくまで外部効果があまりに大きすぎて市場に任せることが難しい問題(とは言ってもそんなものはほとんどない)についてのみ動くことと、自由主義を守るためのルールの徹底のみに注力すべきという主張。負の所得税、教育バウチャー制、特定産業に対する支援策の廃止など、どちらかと言うと自由主義者の自分としては共感できる点が多々あったが、社会福祉政策に限ってはアメリカの健康保険の問題を見ていると果たして本当に自由主義が正解なのかは疑問が出る。また、法人税率ゼロ化に至ってはその効果がまったく理解できなかった。アダムスミスが説いたように自由競争が成り立つためには人間が皆、道徳的な存在になることが大前提なのだが、今の世の中でそんな理想論が通るとも思えない。ただし、日本政府の非効率は目に余るものがあるので、やはり一度全てを市場に任せる社会実験をしてもらいたいものだ。

  • 内容については概ね賛成ですが、議論するポイントがたくさんあります。

    1.この本を一言で表すと?
    ・具体例を挙げながら、「自由」の必要性、政府による規制の有害性を説いている。でも乱暴に聞こえる部分もある。

    2.よかった点を3〜5つ
    ・最低賃金法の導入は結果的に失業を増やす(p326)
    →木を見て森を見ずの典型例ではないかと感じた。
    ・<老齢遺族年金>要するに現行制度では、若者から税金をとって裕福な高齢者を補助しているのである。(p332 )
     →日本の現状と同じ。今すぐ見直し必要。
    ・教育バウチャー(p183〜)
     →供給者より消費者に補助を出すのは合理的な考え。西成区で実際に始めているので効果を見てみたい。
    ・負の所得税(p347〜)
     →生活保護の支給額が最低賃金より高いと働かないほうが得になる、というモラルハザードを防ぐために合理的な考え。

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・ヤブ医者が伝染病を野放しにする例(p272)
     →これに対する反論はないので医師免許制必要では?
    ・第三章国内の金融政策
     →〜71年までの金本位制度が前提となっているようなので話が古く感じた。

    3.実践してみようとおもうこと
    ・なし

    4.みんなで議論したいこと
    ・全体的に、本書の内容には賛同できますか?

    5.全体の感想
    ・主張にちゃんと裏付けがあるので納得感がある
    ・1962年の内容が現代にも通じるのは面白い。人類が進化していないのか?

  • 社会

  • 小泉・竹中ラインでの改革におけるネタ本?片手落ちのフリードマン流改革が、今日の状況を生み出したと言える。ワーキングプアの解消がうまく言っていれば、歴史に残る大善政だったかもしれないが、結果は悲惨な状態に。やるなら徹底的にということの反面教師か?失敗の主因は、金融政策に踏み込めなかったところか?

  • 資本主義と世界の構造と、いかに諸々の制度や規制で自由が自由でなくなってきたか。1962年初版とは……全然褪せてない。資本主義と自由とインターネット、私たちが描く世界、壊すべきことは60年前から変わらない。

    #資本主義と自由 #読書記録2018 #読書記録 #再読候補 #自分の言葉で語れるようになりたい

  • 時代の趨勢に逆らって主張していた所が偉いと思う。ロジカルで説得力があるが、「自由」という一種の信仰がベースになっている所がクセの原因であろう。為替の所は現在とだいぶ状況が違うので後知恵で読む楽しみがあり、フリードマンの主張は現在の常識に近いが、ちょっと言い過ぎという感じ。年金のところは全く今日でも課題は変わっていない。職業免許制度、教育のところも興味深い。

  • 医師免許制度の廃止とか、公営住宅の廃止とか、最低賃金の廃止とか、目から鱗の連続だった。単に自由が好きだから自由主義を掲げているだけでなく、その方がムダが減り、差別も減り、活発な社会になるということを実例で説明しているのがすごい。これに反対する人って何なんだろうと思う。
     
    「私が政府への権力集中に反対し、免許制などの仕組みに反対するのは、まさにこのためである。そうした仕組みは実験や研究開発の余地を狭める。これに比べると市場は多様性に対して寛容で、専門知識や専門能力が広く活用される。だから私は市場を支持するのだ。」
     
    すごく良い本。もっと広く読まれて欲しいという意味で2400円は高いので、800円くらいにできないのか。

  • タイトル通り、自由と資本主義について、20代までには知っておくべきだったなと自分の青臭い無知を恥じた。
    特に「自由」「利益」の定義。物質的な「利益」だけでなく、慈善家が慈善事業で得る満足だって「利益」。
    差別についての自由にたいする考えだけは、わたしは反対だけど(客が「女性差別的な」販売方法を好むからそのような手法を取ることも企業の自由だなんて…無理!)それ以外の老齢年金や教育バウチャー、特定の産業の保護、負の所得税のあたりはなるほどなるほど。
    教育バウチャーの発想でいくと、現行の託児サービス制度は私の自由を侵害している。在住自治体が用意する託児施設は在住自治体内にしかないわけだけど、私は自治体外で預けたい。けど、預けられない。
    子どもには高校生のうちに読ませたい。

  • 圧倒的なリバタリアンによる、圧倒的な有名作。

    様々な規制緩和による経済政策の実施を主張する。
    冷戦下でソ連に対応するために書かれた本、ということを差し引いても、あまりにも市場の完全性、優位性を謳いすぎていて、個人的には違和感を覚えたものの、圧倒的なロジックで書かれている&恐らく不都合なところはうまく表に出さないようにしてある気がするので、モヤモヤしながら論駁できないすごさがある。

    理想の世界において、完全に合理的な人間の合理的な選択によれば確かに実現されるの「かもしれない」が、現実世界において、そのような議論を行うのはちょっとずるい。
    「完全競争市場では〇〇になるはずなのに、そうなっていないのは、現実が間違っているからだ」という前提にたった議論はそりゃあ反論が難しい。
    市場下では差別は生まれない、といった前提や、年金制度の廃止、政府系組織の民営化、公教育の場所の提供から資金の提供への変更を求める、等々圧倒的にラディカル。

    最近でもベーシックインカムの話が出てきており、新自由主義的な方向性に向かっている感もあるので、極値に触れるのもありなのかな、と。

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