- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822247478
感想・レビュー・書評
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行動経済学の泰斗セイラーと政治学者サンスティーンによるNudgeを如何に実践しうるかについて言及されている著作。サンスティーン教授が加わっているためにより行政的な側面が強くなっており、デフォルトやオプトアウトがもたらすパターナリズム的な側面とアメリカが主義として強く主張するリバタリアニズムをどう親和させていくか?が主題となっていたが現在に至るまでその答えは出ておらず、人間の英知を信ずるしかないのか?という次元に収斂している。
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ご多聞に漏れず、行動経済学、リチャードセイラーがノーベル賞受賞きっかけで読んでみた。
内容の前に、ナッジを図る例として述べられるのが仕方ないけどアメリカでの例になってるので、ちょっととっつきにくかった。
前半部分では、人間『ヒューマン』が何故ナッジの影響を受けるのか(アンカリングと調整、利用可能性バイアス、損失回避性等)が分かりやすく解説されてる。
結局は人間は、周りの影響を受けやすい体質でその体質を上手く利用すれば良い方向に導けるのよ、ってことでいいのかな。 -
ノーベル経済学賞受賞者の割にはテーマがわかりやすいと思い、著作を手にしてみた。
ちょっと言い方が大げさかもしれないけど、西洋的な「理性を持った自立した個人」という考え方は実は周囲の環境によって左右されているという足元崩壊的な話だと思った。
「ナッジ」によって行動は良い方向にも悪い方向にも変わっていく。しかも自己決定という文脈を保ちながら。ナッジでも社会デザインでも何でも良いが、自分にとっては「個は周囲の環境に影響されて成立している」とエッセンスを学べたことが良かったと思う。
アメリカ的なメディケアや投資の話の部分は若干理解が難しかったけど、翻訳も良いのでこの手の本にしては比較的読みやすい方だと感じた。
行動経済学を学ぶ人だけではなく、社会福祉や心理を学ぶ人にも良書なのではないかと思う。 -
好きなジャンルの本ですが、なんとなく文章が読みづらい。
前半はなかなか面白く読めたが後半はテーマ自体があまり興味がなく読み進めるのがちょっと面倒だった。 -
行動経済学の入門書。
人は必ずしも経済合理性のみで動くわけではないということに気づくための端緒になり得る。
ノーベル経済学賞を受賞した記念に読んでみることをお勧めします。 -
ナッジをしっかり使えるようになれるといいな。
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2017年ノーベル経済学賞
原題『Nudge(ナッジ)』
『行動主義の逆襲』pp445-450
「リバタリアン・パターナリズム」 -
市場には何が足りないのだろう?ごく凡庸な我々は、様々な人生の決断において自らの不合理性とひ弱さに振り回され続ける。制度に“ナッジ”を組み込めば、社会はもう少し暮らしやすくなる。“使える”行動経済学の全米ベストセラー。世界的な金融危機を読み解いた「国際版あとがき」も収録。
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「どうみても関連性がなさそうなアンカーでさえ、意思決定のプロセスに知らず知らずのうちに入り込んでいる。」
行動経済学について書かれている本。本書では、リバタリアン・パターナリズムという考えのもと、選ぶ自由とデフォルト設定の大切さが説かれている。
よりよい自由を選ぶのには、エネルギーが必要だ。選択肢は多ければ多いほどいいはずだが、ヒューマンである我々には負荷がかかりすぎる。その結果、選ばないという選択をするものも多い。そのようなものを救うためにもデフォルト設定は万人受けするものでなければならない。 -
市場には何が足りないのだろう? ごく凡庸な我々は、様々な人生の決断において自らの不合理性とひ弱さに振り回され続ける。制度に“ナッジ”を組み込めば、社会はもう少し暮らしやすくなる。“使える”行動経済学の全米ベストセラー。
第1部 ヒューマンの世界とエコノの世界
第1章 バイアスと誤謬
第2章 誘惑の先回りをする
第3章 言動は群れに従う
第4章 ナッジはいつ必要なのか
第5章 選択アーキテクチャー
第2部 個人における貯蓄、投資、借金
第6章 意志力を問わない貯蓄戦略
第7章 オメデタ過ぎる投資法
第8章 “借金市場”に油断は禁物
第3部 社会における医療、環境、婚姻制度
第9章 社会保障制度の民営化――ビュッフェ方式
第10章 複雑きわまりない薬剤給付プログラム
第11章 臓器提供者を増やす方法
第12章 われわれの地球を救え
第13章 結婚を民営化する
第4部 ナッジの拡張と想定される異論
第14章 一二のミニナッジ
第15章 異論に答えよう
第16章 真の第三の道へ