シチリアを征服したクマ王国の物語 (福音館文庫 物語)

  • 福音館書店
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834023527

感想・レビュー・書評

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  • 挿絵がとても可愛くて、ちょっと残酷で、素敵でした。

  • 挿絵も可愛いし、ストーリーも楽しい。
    子ども向けだから、もちろん先を想像できるけど、長く愛されているだけあって、想像できるストーリーでもまったく飽きることなく、夢中で読んじゃった。
    醜くなってしまったクマたちは、まるで裕福になった人間を見ているようだったなあ。
    ピュアでいることって大事。

  • ブッツァーティの絵もお話も最高に可愛い童話。
    人物紹介の時点で愛らしい。イタリア語版が欲しい一冊。

  • 挿絵がキッチュでいつまでも観てられる楽しさと美しさ。クマの侵攻を通して、繁栄と没落、再起が童話的に表現。

  • クマの王様素晴らしい!

  • 登場人物の紹介だけでわくわくする!カラーの挿絵がとってもかわいくて切り取って額に入れたいくらい。

  • 2018.12
    人間も、シチリアのクマのように、森へ帰るべきなのかもしれない。

  • とてもセンスの良い物語。シチリアに山があった遠い昔の話、山の上に住んでいたクマたちが厳しい飢えに耐えかねて、山から降りて人間の住んでいる里に住もうとするが、もちろん易々とは行かない話。山の上にいる時に王様の息子、王子トニオも猟師によってさらわれてしまっているままで、王様は山を降りて行く際も、息子が見つかればいいなと思っている。

  • 『神を見た犬』が良かったので読んでみた。児童書だが、今の子どもたちが面白がるかは疑問。むしろ大人が個性的な挿し絵も含め、面白うてやがて悲しきクマ王国の物語を楽しめるかもしれない。
    最後に潔く帰っちゃうところは流石クマ。人間にはできません。

  • ブッツァーティ(天沢退二郎・増山暁子訳)『シチリアを征服したクマ王国の物語』福音館文庫、2008年

    おもしろい作品だった。物語も詩の部分は軽快、一ページめくると十三年がすぎている。最後のレオンツィオ王の言葉も心に沁みるものがある。クマはお人好しだな。

    「山へ帰りなさい」と、レオンツィオ王は、ゆっくりといいさとした。「この都を立ち去るのだ。ここでは、手に入ったのは富だけで、心の平安はみつからなかった。そのこっけいな衣服をぬぎなさい。黄金はすててしまうのだ。大砲だの、銃だの、そのほか人間たちからおそわったおぞましいものは、みんな投げすてなさい。以前のお前たちに、もどることだ。ゴキブリやほこりでいっぱいの、こんなうっとうしい宮殿にいるよりも、あの人里はなれた深い洞穴の、ひゅうひゅうと風の吹きかようところで、なんとわたしらはしあわせにくらしていたではないか!あの森でとれるキノコや、野生のハチミツは、やっぱり、なによりのごちそうだと思えるだろう。おお!おまえたちの健康をむしばむ酒のかわりにまた、あの澄んだ泉の水を飲むのだ!ここにある、こんな、いろいろなけっこうなものからはなれてゆくのは、さぞつらかろう、それはよくわかる。しかしだ、あとになってみれば、そうしてよかったと思うだろう。いまよりずっと、美しくさえなれるだろう。みんな見るがいい、われらはすっかりふとって、おなかが出っぱってしまっておるではないか」

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著者プロフィール

1906年、北イタリアの小都市ベッルーノに生まれる。ミラノ大学卒業後、大手新聞社「コッリエーレ・デッラ・セーラ」に勤め、記者・編集者として活躍するかたわら小説や戯曲を書き、生の不条理な状況や現実世界の背後に潜む神秘や謎を幻想的・寓意的な手法で表現した。現代イタリア文学を代表する作家の一人であると同時に、画才にも恵まれ、絵画作品も数多く残している。長篇『タタール人の砂漠』、『ある愛』、短篇集『七人の使者』、『六十物語』などの小説作品のほか、絵とテクストから成る作品として、『シチリアを征服したクマ王国の物語』、『絵物語』、『劇画詩』、『モレル谷の奇蹟』がある。1972年、ミラノで亡くなる。

「2022年 『ババウ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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