岸辺のヤービ (福音館創作童話シリーズ)

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  • 福音館書店
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感想 : 112
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834081978

感想・レビュー・書評

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  • 登録するためバーコードを探したらありませんでした。
    古の挿絵、装幀、文体、なんだかとっても素敵です。
    昔の児童文学は「読み聞かせ」が前提にある文章だったのかしら?と思いながら読みました。ウタドリさんが語りかけてくれているようです。
    梨木さんの作品には凛とした大人の女性が登場する事が多く、読む度にそんな女性に憧れます。

  • か・わ・い・い!
    かわいいよーヤービもセジロもトリカもほのおの革命家もかわいいよー!
    柔らかな語り口で子供たち用かな?と思う中に「生き物を殺して食べること」「地球の環境問題」という2つの重いテーマが混ぜ込まれている。そして文章の端々の表現が可愛くてきれい!
    ヤービたちがずっとマッドガイド・ウォーターにいられるように大きな私たちが頑張らなくては、と思える。
    これからウタドリ先生たちの話が始まるのかな?とても楽しみです。
    装丁が可愛くて飾っておきたい。

  • 絵とお話が、なんてしっくりくるのでしょう。子どもの頃に読んだ、外国児童文学の翻訳のような文体に、懐かしさを覚えました。ヤービのお人形とかないかしら。

  • 学校の先生をしている主人公とハリネズミのような姿をしている一族の1人・ヤービとの交流の物語。
    本当にこういう世界があるように感じられるほど自然描写が秀逸。
    自然環境の変化や厳しい側面もあるけど、そこで生きるヤービたちの逞しさが感じられ、静かな感動に満たされる。
    装画も物語の雰囲気とマッチしていて素敵。

  • 岸辺に住むちっちゃくて不思議な生き物ヤービ。
    人間の言葉が話せるヤービは、ひとりの大きい人たち(人間のこと)と出会います。
    昔(今もだけれど)大好きだった佐藤さとるの
    『コロボックルシリーズ』を思い出して
    とても懐かしい気持ちになりました。
    『自分なら絶対コロボックルに出会っても、誰かに秘密をもらしたりしないのに!』とコロボックルと出会えるのを本気で待っていた遠い日のアタシ。。。(笑)
    そんな純真な心はすっかりどこかへ消え去ってしまった今でも
    この手の本を読むと、やっぱりキョロキョロしてしまうのです。
    『私の近くにも、もしかしてヤービがいるんじゃないか?!』って。

  • メアリー・ノートン、いぬいとみこ、佐藤さとるらが綴ってきた「大きい人たちのとなりにいる小さい人たち」のファンタジー世界に新しい仲間が登場。その造形や暮らしぶりなどには先達の作品へのオマージュも感じられて、おかげですいっと物語の世界へもなじむことができた(もちろんコロボックルや借り暮らしさんたちをしらなくてもじゅうぶん楽しめると思う。ムーミン的かと予想していたけれど、それとは少し違うかな)。
    マッドガイド・ウォーターという小さな湖の一帯を舞台に、主人公の男の子、ハリネズミのようなヤービと湖の近くの寄宿学校につとめる人間のウタドリさん(本の語り手)との出会い、そしてそのであいからもたらされたエピソードでヤービをかこむ家族や交友関係、物語世界の背景がていねいに語られている。現代の生態系や環境変化への危機感をもりこみつつも、いのちの力にあふれた冒険好きで好奇心いっぱいの男の子ヤービを中心に少年少女らしい心の動きも描き出されていて、続きのお話がいまから待たれてならない。
    見返しの地図や小沢さかえさんの挿絵も絶品。

  • とてもとても楽しみにしていた梨木さんの新しい物語!
    小さいころに安心して読んでいたような懐かしさを感じてみたり、大人になってしまったから見えてくる、生物多様性、地球温暖化とか何だか使い古されつくしてきたような言葉が気になってみたり。とはいえ、やはりすべてのものがどう生きていくかということが大きな大きなこの物語の神髄にあるのでしょう。

    挿絵で描かれるヤービと梨木さんがイメージするヤービがぴったりなような気がして、これまた読むのが楽しい。

    何か壮大な物語が始まろうとしている予感がする…梨木さんがこれまで考えてこられただろうことがすべて詰め込まれて。うれしいことに続編が続いていくようなので、小さなヤービとウタドリさんとの交流がどう続いていくのかが楽しみ!

  • ムーミンを思わせる、優しくて不思議な世界の話。大好き。

  • 子供も興味深く読んでくれて良かった。

  • ヤービ、可愛い。でも可愛いだけじゃない。
    静かに丁寧に生きてゆくこと、世界に対する好奇心。語り口が優しく丁寧で上質な手触りです。

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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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