陰陽ノ京 巻の四 (電撃文庫 わ 4-10)

著者 :
  • メディアワークス
3.79
  • (50)
  • (37)
  • (80)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 329
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840223775

作品紹介・あらすじ

時継と一つ屋根の下で暮らすこととなってしまった慶滋保胤。周囲にからかわれながらも、何とか平穏無事に生活していたのだが、異変は保胤の周囲に起こっていた…!住吉家の識神・浄雲が嗅ぎつけたのは保胤の友人-住吉清良の身体から漂う死霊の臭い。陰陽寮の一員でもある清良に纏わりつくその臭いの正体は…!第七回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞の人気シリーズ第四弾。巻末には「電撃hp」に掲載されたイラストストーリー『陰陽ノ京絵草子訃柚』を収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大騒ぎしたわりには、すとんと落ち着きました。
    むしろ最初から知らせていれば、無用の騒ぎだったような気がしますね。
    ただ、想うだけで相手を衰弱させる…死者と生者の差は、それほどに大きい。断ち切れぬ思いを抱えていては、成仏することもかなわず、行き着く果ては、鬼。
    同情すればいいというものでもなく、哀れみを持てばいいというものでもなく。
    人の心は難しいです。

  • 賀茂光榮(かも・みつよし)が、池でおぼれ死んだ少女・蓮(れん)を発見します。彼女がこの世に未練を残していることを知った光榮は、ひと夏に限り、彼女の魂魄をつなぎとめる呪を施します。

    ところが、蓮はかつて住吉邸に仕えており、住吉清良(すみよし・きよら)の妹のような存在だったことが明らかになります。少女が死んでしまったことを知らない清良は、不審を覚える識神の浄雲や兄の兼良の目を避けながら彼女のもとに通い続けます。蓮はそんな清良への思慕をますます募らせ、ついに時継の身を則って、清良との間に子をなそうと考えるようになります。

    今回は、時継と伯家の謎が明らかになります。なお巻末には、訃柚(ふゆ)が保胤の識神となるまでを描いた絵草子が収録されています。

  • 女の性と子どものわがままとを織り交ぜたような、また誰も悪くないのに、と思わせる題材。着地点が美し過ぎて驚かされた。住吉清良をメインにした物語だが、それらに関わる賀茂光榮が味を出して来ている。外伝を否定するわけではないが、主人公でないほうが案外輝くのかもしれない。
    また本編主人公ながら放置していたが、保胤の時継への思いがよくわかる1冊と感じられた。

  • シリーズ第四弾。
    発作を起こし蓮の沼に沈んだ蓮(れん)。
    哀れに思ってひと夏だけの命を与えた光榮。
    蓮親子を気にかけて世話をやく清良。
    清良に想いをよせる蓮に同情し、思わぬ形で力を貸した時継。
    今回は、それぞれが誰かを思いやる気持ちが詰まってました。
    それは優しさとか、想いとか、使命とか、信頼とか・・・
    清良の叫びにホロリとし、時継も知らない伯家の隠された役割の一部。
    保胤と時継の今後が更に気になります!
    巻末の『陰陽ノ京絵草子訃柚』は、訃柚(ふゆ)の話です。
    全編を通して、やはり思いやる気持ちと子種の話だな。
    シリーズで一番好きかもぉ

  • 同じページを何度も何度も読み返した。
    泣きそうになってこんなのってありかよ!って落ち込みました。
    ずるいわorz

  • *2010.4 *2013.1

  • 1&3巻と読んでこれで3冊目だけど、この話が1番好きかな。大きな事件は起きないけど、大切な人の死について書かれていて、読んでいて切なくなった。

  • 2011年4月 読了

  • 頼りなげな陰陽師、清良が中心の巻

    少女、蓮がすでに亡くなっていたのも衝撃だったが、その原因も病弱で発作が起きた際、誤って池に落ち溺れ、助からなかったという無情なもの
    誰かがいれば助けてあげられたのにという不運

    が、暫くしてそこを通りかかった陰陽師の情けにより蓮の精と結び付けられ、一端は生を取り戻す
    王道ファンタジーなら、そこで新たな命となって生まれ変わるのだろうが、この話では生まれ変わる事はない

    結び付きは不安定なものであるし、長きを経ず途絶えてしまう
    幼い命がそれを知った時の行動とは

    この世の無常と命の儚さを表した巻

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

第7回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞。「陰陽ノ京」「輪環の魔導師」(電撃文庫)ほか。

「2019年 『妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡瀬草一郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×