本で床は抜けるのか

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感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860112677

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが気になったので。
    おそらく本を大量に所持している方ならば一度は怯えたことがあるのではないでしょうか、床抜けに。
    とはいえ趣味で読書を嗜んでいる身としては、そんなに簡単に抜けるものではないだろうと年々蔵書を増やしていく生活を送っている訳ですが、専門書や資料などを仕事で大量に揃えなければならない方々にとっては大変な問題なんだろうなあと思いました。
    さてこの床抜け問題にどう切り込んでいくのかと、わくわくしながら読み進めてみたのですが、具体的な方法や解決策というより大量の蔵書がもたらす様々なエピソードといった内容で、面白くはありましたが問題解決の為に手に取った方には拍子抜けしてしまうような気もしました。

    私自身も収集癖なもので、増える蔵書が家族を苦しめる、という当たり前の事実に改めて意識をいたしました。
    でも捨てられないんですもんねえ。

    中には環境の変化で徹底的に断捨離するようになった方のお話や、電子化と本を両立している方のお話も。
    床抜け対策を徹底的に施した書庫を建てた方のお話なんかもあり、増える本との様々な付き合い方が覗けます。

  •  壁薄型の本棚4つ。これ以上は何とか増やさない。
     前後には置かない(今の本棚には置けないけど)。
     図書館は、歩いて直ぐなので積極的に活用する。
     増えたら処分する。
     スキャンしたら途端に読まない。あきらめて処分した方が良い。
     一般人なので、これで何とか。
     でも、「書く」ことを仕事としている人は、絶対に無理だろうなあ。
     ただ、ゆっくりと小説を読むだけなら、電子本でも良いのだろうけど。また、調べたり、参考にしたりならば、デジタルでもかまわない。
     しかし、日常の中で、ついちょっというの、「本」でないと、まだ自分にはだめだ。
     電車の中でも、少数派として、カバンの中から本を出す。
     ...とそういうように、自分のことを振り返りたくなる本だ。
     それにしても最終章がなぁ。本のことを調べていくうちに、「家族」の底が抜けるとは。

  • うちにもそこそこな量の本がおりましてな。とあるアパートの二階の床が抜けて、その原因が大量の本、とくれば。このニュースを見た友人たちから「キミんちは大丈夫か⁉︎」と心配されましたがとりあえず大丈夫です。あそこまでは行きませんから(笑)

    西牟田氏がこの題材に向き合うきっかけは我が身にもあり得る出来事だと感じたからなのだけど、調べてみると結構床抜けの危機を感じている人たちがいるもんだという印象を受ける。単純に資料としてだけではなく本が好きだから、を通り越し、増殖し始めるもんなんだなあ。

    本との共存なのか闘いなのか(少なくとも遺族や家族には闘いの感はありますな)。
    ラストはまさかの展開が待ち受けていてある意味床が抜けるより衝撃でした。

    ちょびっとだけ、うちも片付けよう、うん。

  • 基本的にはタイトル通りなんだけれど、
    かなり作者の思い入れの詰まった話。

    それらの本の持ち主が死んだらどうすんだよ!って問題にも踏み込んでいる辺り重要。
    特に遺品整理したことある人間には切実。
    だから個人的に内澤旬子さんの話が気になった。

    ちなみに田舎の床は抜けたよ。
    あとちゃちい床だと割りと簡単にたわむし、歪む。

  • 微妙...

  • 文字通り物理的に本で床が抜ける話を中心にしたエッセイかと思ったらさにあらず。
    元は著者本人の仕事部屋に本が溢れて、引っ越した先のアパートの床が抜けるのではないか?という疑問から始まった取材だが、蔵書の管理から保存の方法まで、書斎、書庫、電子化と多方面に渡って取材した労作。

  • 20150609

  • 【内容紹介】
    WEBマガジン「マガジン航」で連載開始するや驚異的なアクセス数を獲得、読書家の間で大きな話題を呼んだ連載『本で床は抜けるのか』が単行本に! 売却、電子化、書庫づくり......どの方法で切り抜ける? 家族も巻きこむ蔵書問題へ果敢に挑んだ体験記。
    http://www.webdoku.jp/kanko/page/4860112679.html


    【目次】
    はじめに 8
    
    1 本で床が埋まる 10
    不安のはじまり/引っ越し計画/「これはやばいですね」/一級建築士の見解 

    2 床が抜けてしまった人たちを探しにいく 29
    恐ろしい話/正反対のアドバイス/マンションの床は抜ける?/「床抜け」をおもしろがっている小説家/『続 家庭口論』の裏話/アパート補修の謎/補修の跡/施工業者が明かした真相

    3 本で埋め尽くされた書斎をどうするか 52
    本との格闘/増殖する蔵書とともに住まう一家/他人の荷物は嫌だ/蔵書と病気/本が嫌になった

    4 地震が起こると本は凶器になってしまうのか 68
    東日本大震災と本棚/床を埋めた180万冊/真っ二つに割れた本棚/ありすぎる「本」の存在感 

    5 持ち主を亡くした本はどこへ行くのか 81
    手をつけられない「祖父の蔵書」/作家たちの蔵書のゆくえ/天文学マニアだった父親の蔵書を捨てる/遺された人たちのプロジェクト/「祖父の蔵書」のその後 

    6 自炊をめぐる逡巡 106
    本の自炊を代わりにやってもらうことは違法なのか/自炊代行業者へ蔵書を送る/すり替えられた論理/「自炊」という行為は屠畜に似ている

    7 マンガの「館」を訪ねる[前編] 125
    とても辺鄙なところにある「館」/少女マンガという遠い世界/「女ま館」に入る/『少女マンガ大事典』を作りたかった/水色のイメージ/現代マンガ図書館と米沢嘉博記念図書館 

    8 マンガの「館」を訪ねる[後編] 141
    戦後マンガ史の古層を目の当たりにする/マンガ本を集める理由/亡くなった後も増殖し続けるコレクション/父の蔵書を受け継ぐということ/東京国際マンガ図書館に継承されるもの 

    9 本を書くたびに増殖する資料の本をどうするか 157
    「床抜け」騒動から1年で本はどれだけ増えたか/本が自宅を侵食しはじめる/本が増えるさまざまな要因/増え続ける本と家族の今後/大量の本を必要とする理由

    10 電子化された本棚を訪ねて 166
    いくつかの打開策/電子化への期待と抵抗感/ iPadでは「読めた」/幼なじみSの試み/蔵書をまるごと電子化する/「困ってるひと」に教えを請う

    11 なぜ人は書庫を作ってまで本を持ちたがるのか 193
    知人の書庫に出くわす/「崩れた本」のゆくえ/塔のような書庫/狭小物件の円形書庫/書庫はなぜ丸いのか 

    12 床が抜けそうにない「自分だけの部屋」 218
    壊れる前兆/修復しがたい亀裂/「無駄」なあがき/新しい物件を求めて/机の上のベッド/人生のアーカイブ/さよならアパート/別離/思い出に別れを告げる/「自分だけの部屋」での再出発

    おわりに 245
    参考文献 250

  • 本はほんとに気づくと増えている。

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著者プロフィール

フリーライター。1970年(昭和45年)大阪生まれ。旅・現場・実感にこだわった作品を発表し続けてきた。近年取り組んでいるテーマは、日本が抱える国境離島の問題と防衛のあり方、さまざまな親子のかたちと共同親権、入管法改正案や移民の是非など。こうした賛否の分かれる国内の政治的な課題について、イデオロギーに追随しない、まっすぐで公平な取材・執筆にこだわっている。旧日本領のその後を訪ね歩いたルポ『僕の見た「大日本帝国」』(2005年、情報センター出版局)、書斎の床が本で埋まった体験を出発点に本と人の共存を考えた『本で床は抜けるのか』(2015年、本の雑誌社)、爆発的な経済成長を遂げた中国を四半世紀ぶりに回った『中国の「爆速」成長を歩く』(2020年、イースト・プレス)など話題作多数。

「2023年 『誰も国境を知らない 令和版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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