春へ (DARIA BUNKO)

著者 :
  • フロンティアワークス
4.07
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本棚登録 : 292
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861345746

感想・レビュー・書評

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  • もっと優しい人にすれば良かった でも、優しい人は貴方じゃない

    父の後輩に、今は亡き父からの手紙を届けたことから始まる年の差ラブ
    恋愛と言うよりは、残りの人生を共に過ごして行くことを決めた、結婚のように思いました
    年の差とか関係なく、ただこの人のそばに居たいから、居て欲しいから一緒にいることを決めた
    そんな感じです
    でもそこに至るまでが果てしなくじれったい
    主に旭が悩む悩む
    まぁ年の差とか憧れてた先輩の息子とか色々葛藤があるのは分かるけれども、それにしてもうだうだしている
    逆に十希が突っ走る突っ走る
    かなりの猪突猛進型です
    一歩間違えばストーカーレベル
    まだ18歳だからそれくらいでちょうどいいのかなぁ、とか思ったり

    全体を通してずっと雪が降っているのですが、暖かいお話です
    雪が溶けたら春になる
    未来へと進むお話

    最後、旭が墓前で言った言葉が分かった時に、涙が出ました

  • 元々、父から旭の話を聞いていた事と大好きな『春へつぐ』の画家って事もあり
    憧れから恋に落ちる

    一方、旭は先輩の子供って目で十希を見るが
    十希は控えめながら恋心をアピール何かと旭の気持ちに寄り添おとする
    歳の差もあるし何より先輩の子供って目で見ていた旭だけど
    人間として…画家としての旭を理解してくれる十希に段々と……。


    こう書けばステキなお話だけど…
    今回辛口目線(笑)
    私からすれば十希君って思い込みの激しいストーカーみたいだな、と(笑)
    好きになれば一緒にいたいってのは誰でも思うけど
    十希君、脳内で旭のこと美化しすぎ(笑)
    世間ずれした今時珍しい純粋な子供でもある
    旭も20も差がある大人には見えないな。
    BLはファンタジーでどんな設定もOKだけど
    ちょっとご都合主義(^∇^;)ははー

  • 帯に「もっと優しい人にすればよかった。でも優しい人は、貴方じゃない。」そこからもう朝丘ワールド全開ですね…帯だけで、くるものが…オオ
    小椋さんの挿絵に騙されるも気づくと、おいおいこれ40代×18歳…相手若くても30代後半じゃん…ってことに気づくと愕然。\歳の差バンザーーーイ/朝丘氏の、ちょっとひねくれてる大人×おりこうさん少年の300p。
    好きだけどごめん、という下りは、多分少しあめの帰るところに引っかかっているようにも感じます。あとがきの後のその後ストーリーもいちゃこらしててやだあ////なにやってんの////こっちが照れるわあ//////
    脇役の秋山さんと里美くんのホモの続きがあればなーー

  • 朝丘さんのお話は、作品によっては読んでて文章がじれったくてちょっとイライラ(?)しちゃうときがあるのだけど、新刊が出ると買わなきゃ…と思ってしまうんですよねw

    今作は好みでした
    朝丘さんっていつも基本的に作風は一貫しているのに、ハマれるときとハマれないときがあるのですが
    自分の場合、朝丘作品では受けが素直なタイプの方が好みなのかなぁ?
    「あめの帰るところ」の次に好きかも
    挿絵も小椋さんで素敵でした

  • 仕方のないことだけれど、発売時期(盛夏)と物語の設定(真冬)が個人的にちょっと・・・。
    そして、今回も、やっぱりちょっと不器用でダメな大人でした。

    病床の父から託された、渡すことのできなかった大切な人への手紙。
    それは高校時代、父が恋をした相手であり、十希が大切な心の拠り所にしていた絵を描いた画家の工藤旭に宛てたものだった。
    何かに行き詰った時、迷った時、勇気が欲しい時、必ずその絵を眺めに行っていた。その絵はいつも自分に答えをくれる。
    思えば、その絵のせいで、父から聞いた思い出話のせいで、十希は出会う前から、旭に焦がれていたのかもしれない。
    それか、もしかしたら、同じ人に恋する遺伝子の仕業かな。

    十希はまだ18才なのに、精神的に成熟していて、
    なんかもっと、弱くてわがままで子供でもいいんだよって肩をポンって叩いてあげたくなる。
    一方、旭は両親の離婚のせいで恋愛不信。何よりも絵が大事で、恋愛の機微にもうとい。
    一途に想いを寄せてくる十希を憎からず思いながらも、大事な先輩の息子だから、同性愛なんて受け入れられないからと、ひとしきりウジウジします。
    でも、旭にとって、いつしか十希は自分の全てを受け入れてくれる、理解してくれる、作品のインスピレーションを与えてくれる〝ミューズ〟になる。

    高校生と亡き父の高校の後輩という設定なので、親子に近い年の差なはずなのに、攻の旭に全然〝大人感〟がなかったよ。
    どちらかが圧倒的に精神的優位に立つ年の差モノスキーとしては、そのへんちょっと違うのかなと。

    脇役の秋山×美里の方がかなり気になりました。
    これはきっとスピンオフが出るんだろうな~と思わせる引き。

    物語の大切なモチーフになった絵画や冬の情景が美しい。
    春を待つ、雪がちらつくような季節にもう一度読んでみようと思います。

  • 小春日和のような柔らかな空気に包まれた二人が印象的な表紙です。
    小椋さんの描かれる十希と旭。
    優しい愛に満ちている。

    高校生活最後の夏休みに一人きりの身内である父親を亡くした小嶋十希は父の残した古い手紙を届けようとチャイムを鳴らす。
    が、父の名前を告げた瞬間、「帰れ」と拒絶されてしまう。
    父が亡くなった旨を告げるとやっと開いたドアにはずっと会いたかった
    あの絵の作家「旭」その人がいた。
    画家である彼はぶっきらぼうで優しくない男で、高校時代の父の後輩であり長い間父が大事にしたいと思っていた人だった。
    初めは十希を拒絶しまくっていた旭だが次第に頑な気持ちが雪解けの様に解けて十希に向かっていく様子が可愛らしかった。
    十希の太陽の様に曇りなく照らす気持ちが凍えた旭をゆっくり温めてくれたようで。
    十希が子供の頃から通い続けて眺めていた絵、「はるへつぐ」というタイトルに込められていた想い。
    それから桜の花びらと雪だけで描かれた「ときのたつ」
    奥の深いそれぞれの題名の意味が分かったとき、気持ちがぱあっと幸せな色になりました。
    それから「十希」の名前の由来。。。

    父親からの想いを引き継いでいく様なお話ですが、きっと二人はこうなるべくして出会えたのですね。
    冬から春へ向かう時の温かで柔らかい気持ちになれる、そんなお話でした♡

  • 優しいから、寂しい。
    気持ち良くて、切ない。
    簡単に出てきそうで出てこない言葉を朝丘さんはするりとぽんっと置いていき、それを受け取る私の胸をゆすっていく。
    今回も沢山心を揺れ動かされました。文字では表現しにくいであろう絵画の描写。読んでいると絵が頭の中で浮かんでくる不思議。
    好きという気持ちが、優しく描かれている素敵な作品でした。
    不器用な攻めと同じように不器用な受け。二人とも優しくて愛しくて切ないです。
    章タイトルがとても印象的な作品。

  • 待ちに待っていた、朝丘戻。さんの最新刊。
    今回、書下ろしとのこと。

    絵かきさんと高校生のお話。
    どこかでみた設定の話だなぁ、と思っていたら、初期の朝丘さんの書籍を読んできた方なら後半に行くにつれて謎が溶けます。

    相変わらずの美しい言の葉の綴り。
    言葉遊びの数々。

    ただ、今までの作品に比べて、ハッピーエンドというか、ふかふかとしたもの・救われた感じが多い気がします。

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