感想・レビュー・書評

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  • お弁当や、それにまつわる話だと、つい読みたくなる。ここには内田百閒からよしもとばなな、天皇陛下の侍従長のこぼれ話など、ぎっしり詰まった幕の内弁当の内容。
    ところが、読むうちに、好きな作家さんでもそれほど印象に残っていないことに気づいた。あれ?と思って考えたら、お弁当を写真で見慣れたせいではないかと思った。
    私の好きなお弁当の本は、写真と、それにまつわるエピソードが短く書かれたものだった。自分に想像力がないのだろうが、私にとってお弁当は一枚の写真が語るほうがインパクトがあったのだ。
    それでもお弁当に対するおもいは悲喜こもごも。自分の弁当より人の弁当のことを書く人と、自分の弁当のことを書く人と。そんななかで、華恵ちゃんの感性と、獅子文六さんの粋な話、画家の洲之家さんのほか弁の話が面白かった。
    ビジュアルがなくても想像に難くないおにぎりの項が一番面白いと感じたのはやはり私の想像力不足か。

  • アンソロジーだけあって、いろいろな作家のものを読めて良かった。
    収録された作家が、好きな人が多いということもあって、自然と既読の作品が多くなった。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】914.68||O【資料ID】91131697

  • 「お弁当」に関する文章をあちこちから集めてきたアンソロジー。知らなかったけど、このシリーズは他にもいくつかあるらしい。カレーライスとか、おやつとか。

    書き下ろしではないため、好きな作家目当てで手に取るとどこかで読んだことのある文章でがっかり、なんてこともあるにはあるが、なにしろ収録数が膨大なので、未知の作家(に限らないが)の文章にいっぺんに触れられるのが嬉しいところ。切ないの、懐かしいの、美味しそうなの、変なの、とテイストは様々ですが、一番笑ったのは漫画「夜行」。劇画調の絵と内容のギャップにくっそ笑った。作家さんを確認したら泉昌之……やはり孤独のグルメの久住昌之さんが絡んでましたか。やられました。

  • 一行目:「小学二年級から、お弁当があったと思う。」
    すっかりこのシリーズにハマっている。
    とにかく美味しそうで、やっぱり同じ弁当でも、手作りとコンビニは違う。思わず、用もないのにおにぎりを作って、その場ですぐ食べた。うん、おいしい。
    短編が並ぶと、皆お弁当自体以上に、お弁当箱に強い思い入れがあるらしい。そういえば、高校3年間お世話になった、黄色の2段箱、まだ実家にあるだろうか。
    本作では、有名だが「夜行」が面白い。

  • お弁当にまつわるエッセイ集。様々な年代の方の文章がたのしめて、丸々一冊は読めないかなと思う作家さんの文章にもふれられて、いろいろお得な一冊でした。買って手元に置きたい本です。「カレーライス」と「おやつ」もあるのか、読まなくちゃ!

  • 小説かと思ったらエッセイ集だった。
    お弁当は家の貧富や家族の愛情が表れる物というのに頷ける。
    それにしても、アルマイトや梅干しで酸化して穴が開いたお弁当箱…?時代を感じる。

  • 同じ人の短編を読むよりいろんな作家さんの文章が読めてるから飽きずに読める。タイトル通りお弁当にまつわる思い出話。途中、ほろっとくるエピソードもあったりして私も母の作るやけにでかいおにぎりを思い出したり。忘れてもいい思い出ほど忘れられない。子供のころはババアはなんで炊きたてのご飯で握れるんだろう、すげーなーって思ってましたが私もそこそこ熱々の米がにぎれるようになり立派にババアの仲間入りを果たしました。この本は図書館で借りました。最近の図書館はほんと便利で貧乏人にはありがたいわ。

  • 食いしん坊にはたまらん一冊。入江相政が収穫。著者プロフィールと話をわけないで頂けるとさらに読みやすいかと。

  • 読み進めていくうちに、お弁当が食べたくなる気分になった。
    印象に残っているのは、江国香織さんの『のり弁の日』で、のり弁にシャンパンという組み合わせはあまりしないことだなと思った。のり弁であるが、W杯ということで特別な気分だっただろうと思われる。

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著者プロフィール

武田百合子
一九二五(大正一四)年、神奈川県横浜市生まれ。旧制高女卒業。五一年、作家の武田泰淳と結婚。取材旅行の運転や口述筆記など、夫の仕事を助けた。七七年、夫の没後に発表した『富士日記』により、田村俊子賞を、七九年、『犬が星見た――ロシア旅行』で、読売文学賞を受賞。他の作品に、『ことばの食卓』『遊覧日記』『日日雑記』『あの頃――単行本未収録エッセイ集』がある。九三(平成五)年死去。

「2023年 『日日雑記 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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