人生生涯小僧のこころ

著者 :
  • 致知出版社
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感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884748036

感想・レビュー・書評

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  • 気持ちが内向きな時に手にとってしまう本です。
    タイトル自体、心にずっと留めておきたい言葉。
    自然や周囲の人々に対して謙虚であることの大切さをしみじみ教えてくれます。
    行についての記述は壮絶過ぎて引いてしまう部分もありますが、ここまでやり遂げた方の言葉には力があります。

  • 大変厳しい修行を成し遂げた、お坊さんによる一冊。
    以前、この方がもう一人の僧侶と対談した内容がまとめられた、『大峯千日回峰行』を読んだことがあります。
    ご自身が記した本があると知り、改めて読むことにしました。

    まず冒頭で、千日回峰行とはどのような行なのかが、説明されています。
    “奈良県吉野山の金峯山寺蔵王堂から大峯山と呼ばれる山上ヶ岳までの片道二十四キロ、高低差千三百メートル以上の山道を十六時間かけて一日で往復し、合計四万八千キロを歩き続けるという修行です。“

    フルマラソン以上の距離、しかも高低差のある山道を、5月から9月までの定められた120日あまりの期間、毎日歩き続ける。
    それを9年以上の時間をかけて、合計で1000日行う。
    大変厳しい行だということが、読者がイメージできるように、冒頭に書かれています。

    次に、著者はどのような幼少時代を過ごし、なぜそのような行に取り組むことにしたのか。
    そして、行に励んだ日々の話へと、展開していきます。

    その内容を読むと、自らの体調、台風や雷といった自然現象、熊やマムシといった危険な動物、さらには不思議な現象まで、ありとあらゆる困難に遭遇したことがわかります。

    そのような困難に遭いながら、なぜ行を成し遂げることができたのか。
    そのような行を経験して、何を得たのか。
    さまざまな側面から書かれているのですが、特に印象に残ったのは、以下のようなことでした。

    ・全ては自分の責任であると、覚悟してのぞむこと
    ・辛い経験を繰り返した先にあったのは、感謝の念だったこと

    苦労を苦労と思うか、その経験に感謝するのか。
    どのような状況でも、前を向いて生きていく。

    精神的、肉体的に疲れている時、不平不満が溜まった時に、繰り返し読みたいなと感じた、一冊でした。
     .

  • ○千日回峰行→約4カ月、毎日48キロの山道を歩く。途中で辞めたら、首吊りか切腹。

    ○四無行→9日間、飲まず、喰わず、眠らず、伏せず

    をやり遂げた塩沼良潤大阿闍梨。
    テレビで見た、
    その強靭なメンタルとフィジカルの成り立ちを知りたくて。

    2年間くらい積ん読だったのは、
    読んだら自分の弱さを思い知らされるから。

    でもどういうわけか、師走は毎年、
    お坊さんモノを読みたくなる。

    死臭を漂わせながら、生き抜いたその日記に圧倒される。

    お師匠様から教わったという、
    「不将 不迎 応而 不蔵
    :おくらず むかえず おうじて ぞうぜず(過ぎ去ったことをくよくよしない、これから起こりうることに思い悩まない、そのときに応じて懸命に努める。」が成し遂げたヒントかな。

  • まずは読んでみるべき本です

  • 行をするうちに、世のため人のためというのはおかしいと感じる。神がやること。
    苦しい行を行なっても1人だけ馬が合わない人がいた。それは自分自身に我があったから。

  • 修行は場当たり的に降ってくる試練と対峙するイメージ
    だったが、全体的に成功するためには準備や訓練が必要だと本を読んでイメージが変わった。

  • 人生生涯小僧の心。謙虚で素直に、全ては自分の心が生み出すもの。今を大切に、幸せだと思うこと。今日より明日、明日より明後日、一つでも成長することができますように。誰かのために、生きることできますように

  • さまざまな行の中で私が感じた
    「人間が生きていく上で一番大事なもの」とは「足るを知ること」と、「人を思いやること」の2つです。

  • 大峰千日回峰行を達成してつかんだ世界観を、分かりやすい言葉で解説されています。
    生きていく上で一番大切なもの、それは「足ることを知ること=与えられた環境をありがたく受け入れること」と「人を思いやること」の二つ。
    一つひとつの言葉に重みが感じられ、心に響く一冊です。

  • 「大峯千日回峰行」という、超人的な修行をクリアしたお坊さんの本。その修行内容がとんでもない。5月から9月上旬までの約4カ月、毎日48キロの山道を歩くというもの。朝は午後(午前じゃないよ)11時半に起床。すぐに滝に入って身を清めて支度をする。そして零時半くらいに出発。夕方戻ってきて翌日の支度をして午後7時くらいに就寝という生活。しかも行を途中でやめることは許されず、そうなったら、腹を切るか九首を吊るかしなkればならない(そのための短刀と紐を持ち歩く)。
    さらに千日行の後には「四無行」を行った。これは、九日間、「食わず、飲まず、寝ず、横にならず」を続ける行。まさに命がけ。九日間も水を飲まないなんて、ゴルゴ13でもきついぜ。
    煩悩と欲にまみれて生きている俺は、そんなお坊さんの言葉から「チリーーーン」と響くような波動(バイブス?)を感じた。
    いくつか記しておくと、
    『調子の良い日、悪い日ではなく、悪いか最悪かのどちらかです。』
    『姿勢が悪いと呼吸が乱れます。呼吸が乱れると精神が乱れます。』
    『自分の限界を超えようと考えていたのではありません。ただ、その限界を押し上げたいと考えておりました。』
    『人生において一回目の失敗は失敗ではなく、よい経験であるととらえて同じことを繰り返さないことが大事です。』
    『私は四無業に限らず、苦難に遭うといつも「これが自分の日常なんだ」と考えるようにしております。すると、一種の暗示効果で「あっ、こんなものか」と思えるのです。

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著者プロフィール

大行満大阿闍梨、福聚山慈眼寺住職

「2023年 『明治神宮100年の森で未来を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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