- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784902843057
感想・レビュー・書評
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率直といえば、率直。自分から起業を言い出して誘っておいて、他でいい条件を切り出されたらぐらついて、お世話になった専務と親友を裏切ったこと。一度取締役を約束した部下に、考えが変わったから白紙にしてくれといったら、納得してもらえず退社されたこと。時価総額がもっているキャッシュを下回り、買収即解体すれば買ったものは労せず何十億と儲かる状態で何ヶ月も胃が痛い思いをしてすごしたこと。代理店として販売していたものをパクったサービスを道義的にどうかと自問しつつも自分たちで始めてしまったこと。普通なら隠してしまいたいようなことも正直に、赤裸々に描かれている。そして、光の部分。21世紀を代表する会社をつくる、という夢に向かって、回り道しつつも、着実に進んでいき、営業力を磨き、まずは始めよう、ハードに働いて中身は後からつくっていこう、という振り返ってみればあぶなっかしく思える状態も、勢いでつっぱしっていき。”<自社で製品やサービスを持たないと意味はない>p.135”. 熱い男同士のぶつかりあい。”「それでですね、堀江さん」「はい。なんでしょうか。」「来週までに作って欲しいんですけど…」「無茶苦茶言いますね…」「もう受注しちゃってるんです。これを納品できればまた受注がとれます。お互い儲かりますからなんとか頑張ってください」p.145” 。そして上場、直後からの暴落、悪い評判、世話になっている社長の厳しい「お前の会社なんかいらねえよ」(p.268)という言葉。そこから這い上がって、誰もが予想しなかった上場前の株価まで戻すところまでが描かれている。ベンチャーの立ち上がり時の熱気が感じられる一冊。/大学時代に、影響を受けた上司が読んでた、あるいはすすめられたという、ビジョナリー・カンパニー、人を動かす、once upon a time in America.は手にとってみたいと思った。
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株式会社サイバーエージェントの社長である著者の半生自伝のようなもの。告白と銘打つだけに、じつに赤裸々。経営哲学や人生論はなく、ただ一途に働いて頑張ったのに、成功と失意の毀誉褒貶に塗れる、読んでいて自分が働く意味を振り返させられる、そんな本。
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■書名
書名:渋谷ではたらく社長の告白
著者:藤田 晋
■概要
インターネット広告代理店・サイバーエージェントの社長が自ら綴
った半生記。起業までの道のりや、その後の苦悩を振り返る。
(From amazon)
■感想
古本屋で100円で購入しました。
この会社自体は、個人的に嫌いなのですが、社長についてはほとん
ど知らなかったので、自分が「この会社を嫌いになった理由」が
よりわかるかも、と思い読んでみました。
私が感じたのでは、以下の内容です。
・この人の情熱というか、執念はすごい。
この人自身が昔「自分は安い給料で、月440時間働いていたから、
おまえらもやって当然」という考え方である。
(ネット上ではブラック企業とよく叩かれているけど・・・)
・自分がやったことを相手にも強制する事しかできない人
つまり、「自分の要求を満たせない人は価値は無い」という考え方
である。
(これは、経営者の視点からすれば当たり前と言えば当たり前ですが、
その「要求」が法律違反していると話が違うように思いますが・・・)
・「何のために会社を作るのか」がよく分からない。
(松下幸之助さんと比べると、根本が違います。)
・金のためでないと言っているが、結局は「地位と名誉と金のために会社
を作り、人は金で雇えばだれでもよく、会社は結局自分のもの」という
考え方である。
・起業が、かなりの見切り発車で、綱渡りでここまで来た。
(これは、本当に凄いことだと思います。
本書ではあっさり記載されていますが、運だけではなく、それに見
合うだけの、努力と行動をしてきたのだと思います。
私は起業というものに全く興味が無いのですが、会社を興すという
のは、本当に凄いパワーと犠牲を必要とするんだな~というのも、
非常に伝わってきます。)
この本を読んで、この社長に共感や好意は抱けませんが、一つの企
業の形として読むには面白いと感じました。
■気になった点
・どんなことがあってもも、キレたらゲームオーバーなんだ。 -
ざらーっと読んで、なるほどーとはおもったけれど、まあそれで終わるかなって感じです。いやいいんだけど。良くも悪くも自伝です。彼は作家はやはり向いていなかったとおもうよ。奥菜恵と結婚してたってはじめて知ったよ。
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ベンチャー起業家の生々しく書いてあり、非常に参考になりました。
ある編集部の副編集長が言ってたのですが、藤田晋さんは堀江さんや
三木谷さんのように学歴や資産というカードを持っていなかったのですが、
その中で自分の力で今の状態を作っていったのはあっぱれだと言ってました。 -
凄まじいの一言。仕事のスタイルは賛否両論だとおもう。会社を大きくしたけど、彼は本当に幸せなのか疑問。
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寄贈図書から。
インターネット事業が始まったばかりのノンフィクション。 -
その当時の渋谷を中心とするベンチャー業界の関係図が物語形式で書いてあって面白かった。
また、社長になるに当たっては、頭の良さとハッタリをかますができる度胸の強さが大事なんだな感じた。
でも、これを読んで藤田さんの下で働きたいとはとても思えなかった。
だけど、そう思わせることをあえて隠さず書いたことは立派だと思う。