映画を撮りながら考えたこと

著者 :
  • ミシマ社
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908762

感想・レビュー・書評

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  • 是枝監督のそれぞれの作品の裏話が興味深かった。まだ見ていない映画はぜひ見てみたい。


    "僕がドキュメンタリーで描く対象の多くはパブリックな部分です。だから何かを誰かを批判してもそれが個人攻撃に終始するのではなく、そのような個人を生んでしまう社会の構造自体を捉える視野の広さと深さを大切にします。" 69ページ


    "胸のうちの悲しみについて誰かに話せたということが、人間のたくましさであり、美しさなのではないでしょうか。"73ページ

    "「インターネットを漂っている人がなぜ右翼というかナショナリストになるのか?」。この問いを考えていくと、人とつながっている実感がない人がネットへこぼれ落ちたときに、彼らを回収するいちばんわかりやすい唯一の価値観が「国家」でしかなかったのだということに、気づかされるのです。" 329ページ

  •  あとがきによると8年という歳月をかけて完成されたと記されています。テレビのドキュメンタリー番組演出時代から、映画製作の裏話など興味深い。
     観た映画作品は、宮本輝原作『幻の光』『歩いても 歩いても』『そして父になる』『海街diary』『海よりもまだ深く』
      次回作品も楽しみにしたい!

  • 2016年11月17日

  • 是枝監督の歴史。こんなに話してしまっていいのかな、というほどたくさんの事を語られている。こんなに客観的に?振り返る事が出来るのも監督ならではの視点なのだろうか。恥ずかしながら最近の映画しか知らないし、ちょっと裏話が読めたら楽しいかなぐらいの気持ちだったのだが、テレビへの熱い思いにも驚き、そんな軽い感じじゃないなと思いつつ引き込まれて読んだ。元々ドキュメンタリー畑なのですね。そして、作品を作る時にはこんなにも細かく明確に考えているんだ!と驚きました。もっと感性!なのかなと思ったら感性ももちろんなんだけれど、それを明確に言葉で説明する事が出来る事が自分では考えられなくて驚きとともにとても興味深かったです。映画やテレビに対する考えからナショナリズムに流れがちな現代、成熟した社会への考えまで、最近なんだか変に気を遣ったり色々気にし過ぎたり、そんな自分が疲れるな…と思っていた事もあり、とても興味深かった。
    映画には全く詳しくないですが、これだけのボリューム、読み応えがありました。

  • 是枝監督が好きなら必読の書。
    デビュー作の”幻の光”から最新作の”海よりもまだ深く”までの各作品の裏話しが満載。
    以前、読んで感銘を受けた”しかし…ある高級官僚の死の奇跡”のことにも触れられている。
    是枝監督は、この奥様にとても恩義を感じているのがよくわかる。
    また、”歩いても、歩いても”が観たくなった。

  • エッセイ。映画。是枝さんの二十年間。当たり前だけど、作品には自分の歴史やその時に感じたことが色濃く反映されるんだなぁ。そして思っていることすべてを形に出来ている(している)わけではないんだな。映画監督だと思っていたので、テレビマンとしてのドキュメンタリーを撮る是枝さんの仕事論に驚きながら読んだ。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784903908762

  • ドキュメンタリーとフィクションという二つのジャンルを行き来する、著者独特の立ち位置からみた創造行為論。現実と虚構が互いにフィードバックしあっていて、類を見ないものを読んだ、という感じがする。

  • 是枝監督の作品について、映画業界のこと、映画作りのこと、
    盛りだくさんですごくおもしろかった。

  • 778.21

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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