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- / ISBN・EAN: 4988135835000
感想・レビュー・書評
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公開時の映画館でのVが良くて、面白そうだと思ったまま見てなかったけど、凄く良い作品だった。近未来SFと見せかけて、本当の題材は人種差別。南アフリカでのアパルトヘイトやナチス、731部隊などの非人道行為を、SFという殻をかぶって猛烈批判する映画。
描き方も物語もとても良く練られていて素晴らしかったと思うけど、これが南アフリカや欧米でどういう反響を受けたのか、非常に気になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もろにアパルトヘイトを下敷きにしているし現地の環境をそのまま舞台に生かしているので社会派な雰囲気はあるけれど、宇宙人の造型やアクション、ちょっとコミカルだったりする演出やドキュメンタリー風な作り等ちゃんと娯楽性がある映画(これは制作者側がちゃんと意識して作っている)
宇宙人だからといって皆知性が高いというわけはなく、本当に彼らは一般人であり難民なのだ。(どうやら上層部は死んでしまったと推測されている)なのであっという間にスラム化してしまう。そもそも感情もあまり豊かではないようで、(設定では彼らは働きアリ等と一緒)コミュニケーションもおぼつかない。積極的に環境を改善するという発想もない。あまりにも無力な存在として描かれているのが面白いのだ。そして、主人公ヴィカスのなかなかヒーローになりきれない凡人ぶりもいい。常に逃げようとする小狡さ、間抜けさが人間くさい。ラストはスッキリしなくて好みじゃないという人もいるけれど、果たしてこの後、問題は解決するのかとか想像する余地があるのもドキュメンタリー的でいいんじゃないかな。 -
興味本位で見てみたんだけど、想像以上に面白かった。エイリアンと言えば強いイメージだけど、この作品は人間の醜悪さだとか浮き彫りにさせてるなあ。地球外生命体だったらいいのかと。本当にグロテスク。綺麗ごとなんてない、そこがよかった気がします。
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色々突っ込みたいところはあるのですが、インタビュー映像を交え、過去の事件として関係者が回想するシーンを織り込みつつ物語が進んでいく手法は斬新でした。地球人が難民と化した宇宙人を隔離・管理する中で事件が発生するというアイデアも秀逸ですね。こういう類の話はこれまであまり無かったような気がします。SF作品としもアクションもの、友情もの(?)としても楽しめる作品だと思います。
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面白かった!
今回もまた、なんの前情報もなく見て、
いきなりエイリアン出てきたので泣きそうになったが、
メゲずに見続けたら、実はすごくいい映画だった!
いいとか、悪いとか、無意味な価値判断を知らないうちに放棄させてくれる設定には脱帽。
どちらにも共感し、どちらにも共感できない、
こうゆうのは初めてだし、よりリアルだと思う。
視点を変える一つの方法をこの映画から学んだ気がする。
それにしても、人権が形骸化した社会の行く末を見た。
悲惨な社会だ。
なのに、これが。
地球上のリアルの中のリアルなのかもしれない
なんて信じたくない。
ドキドキする映画。 -
SF映画.といっても,アパルトヘイト政策への皮肉ともとれる.ストーリーはエイリアンが地球に降りてきたという設定から始まる.人類は彼らを第9地区に隔離する.しかし,エイリアンたちの武器に目をつけた企業が,移送を口実に彼らを虐殺していく.グロテスクなシーンが多い.
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南アという土地柄、人種隔離を思わせる宇宙人政策、ドキュメンタリー風作り。重い主張を込め内容の堅苦しい映画かと思って観始めたら、中盤以降はみごとなSF冒険物に。
美術が実に魅力的。気持ち悪い宇宙人の姿、モビルスーツを思わせる最後に現れるロボットなどなど興味深く観ることができた。 -
冒頭からネタバレしておきながら最後まで釘付け。何より難民エイリアン襲来という設定が素敵過ぎる。終始爆笑なんだがやけに現実味があってそれでいて社会派。そういった匙加減がとても心地よく、特にこの映画に関してはドキュメンタリータッチで撮られた映像が確実に成功している。