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- / ISBN・EAN: 4959241981547
感想・レビュー・書評
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ジブリとしてのレベルをクリアした優等生的な作品。
主人公達が、おじさんおばさんが自分の青春時代をロマンチックに振返ったような、安全で純真な青少年という描き方が、良い意味でも悪いい意味でも安心のジブリ品質なのだと思う。
10代ってもっと自我が定まらずメランコリックで粗削りなのでは。
宮崎駿の作品が魅力的なのは、その安心感のある中に、アンバランスな暴力性というか、偏った人格の濃さがにじみ出ている、どこか暗部を含んだようなスゴみがあるからなのだと思う。
この作品は、特にそのような影の要素がないので、平坦な印象になってしまうのか。
動画としては、船のシーンが情感たっぷりでロマっチックでいいいなと思いました。
原作は色々な矛盾や葛藤がありそうなので、読んで比較してみたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大きな盛り上がりもなく、
なんだかたんたんと物語が進んでいく。
主人公のキャラには好感がもてるものの、
現実を表現しすぎたのか、
ふむふむ。と思ううちに終わる。
なんだろう。不思議な感じです。 -
ジブリ作品の中でも上位に入るくらい好きな作品。
主人公二人の健気さに何度観ても応援したくなります。
密かに、海のお母さんの行動力に感動。風間くんのお父さんもいいお父さんですね!
東京オリンピック前の話。私が生まれる前の話。 -
映画館で観ましたが、先日の金曜ロードショーでも観ました!いいですよねー。まだ生まれてもなかったころの話なのに、なんともいえないノスタルジーを感じます。
手嶌葵も大好きなので、歌までいい!
青春だなぁー、エスケープいいなー。 -
宮崎吾郎監督の第2弾アニメ映画。結構好きな作品です。
学校のこと、恋愛、自分の生い立ちなど、時代は古いけれど青春という時間を駆け抜ける二人がちょっと可愛くて仕方が無いです。手嶌葵さんの歌がより作品をステキにしています。学生に戻って、思いっきりあの頃の時間をもう一度駆け抜けて見たいですね。 -
素直に言うと、淡々と観た映画になった。
この映画のターゲットはどこに置いたのだろう?
40〜50歳代かな。
懐かしさを誘う描画や音楽。
でもそれはターゲットが変わると、ん?となる。
平成世代には昭和が新しいと喜ばれる時もあるけど、この映画はそんな感傷を与えない気がする。
なんだろう、歴史の教科書をアニメで再現している感じ。
遊びがなく真面目な風景、人物たち。
途中で飽きそうになった。ストーリーが長く感じた。
『耳をすませば』的な感じもあった(『耳をすませば』は大好き)。
でも、『コクリコ坂から』は子どもからの感情より大人が好む子どもの感情っていう気がした。
私の一番好きなジブリ映画は『天空の城ラピュタ』
そんなワクワク、ハラハラ、成長を感じさせる映画はもうジブリからは出てこないのかな〜、残念。
*大勢の有名な俳優が声優しているけど、俳優の声だけの演技と声優の声だけで勝負している演技は差がある。俳優が声優するのは嫌いです。 -
東京オリンピックを翌年に控えた1963年、横浜の港町、ノスタルジックな街並み、新聞部、インテリかぶれの男子学生たち、恋…。作品キーワードはすごく好きなものばかりで、実際楽しんで見れた。ストーリーは二つのテーマを追う。主人公海の通う高校で老朽化した木造部室棟「カルチェラタン」の取り壊し問題と、海と風間が実兄妹ではないかという疑惑について。
事前情報で「学生運動」と聞いて、もっと暗く陰惨なものを想像していたけれど、そんなことはなく学生たちが明るくコメディに「カルチェラタン」存続のために奮闘する。自分が知らない時代に生きる彼らが情熱を燃やす対象は不思議で興味深い。「カルチェラタン」はレトロな建造物が好きな人間なら誰にでも魅力的に見えるだろうし、軽快なBGMと共に海達が内部を探検していく場面では前のめりでワクワクしました。
海と風間の関係性についてはサラっと終わってしまった印象だけれど、見どころは答えを知る場面ではなく、問題を抱えながらも行動する海のひたむきさにある…のかなあ。
親というアイデンティティ形成の根っこ、それも自分の中で神格化されていた亡くなった父の隠し子疑惑。本当のことがわからなかった時に海はつらく悩んだと思うけれど、それでも目の前にいる人をないがしろにせず、自分のやるべきことをこなしていた。
彼らの関係性についての事実は海の母親から聞いたわけだけど、でもそれぞれの父親の人となりを知る人から直接聞けたということは2人が前に進んでいくための重要なファクターである。特に海は、旗を上げることは父親に絡むある種の呪いだったわけで、その行動に対して同じ方向を見ながら旗を挙げ返してくれる人が現れたのはとても大きい。
あと風間のイケメンの友人の水沼のキャラが良かった。
現代にいたら変人なのかもしれないけど、本を読み、哲学を語り、言論の力で世界を変えられると信じる、あの時代に生きた彼は魅力的に見えた。 -
嫁さんがレンタルしていたジブリアニメの『コクリコ坂から(英題:From Up On Poppy Hill)/2011』を観ました。
-----story-------------
1980年に『なかよし』に連載された同名コミックを、これが『ゲド戦記』に次ぐデビュー2作目となる宮崎吾朗監督で映画化した長編アニメーション。
1963年の横浜を舞台に、学生運動に身を焦がす若者たちの姿と、出生の秘密に揺れる一組の男女の恋の行方をノスタルジックに綴る。
1963年、横浜。
港の見える丘に建つ古い洋館“コクリコ荘”。
ここに暮らす16歳の少女「松崎海」は、大学教授の母に代わってこの下宿屋を切り盛りするしっかり者。
あわただしい朝でも、船乗りの父に教わった信号旗(安全な航行を祈る)をあげることは欠かさない。
そんな「海」が通う高校では、歴史ある文化部部室の建物、通称“カルチェラタン”の取り壊しを巡って学生たちによる反対運動が起こっていた。
ひょんなことから彼らの騒動に巻き込まれた「海」は、反対メンバーの一人、「風間俊」と出会い、2人は次第に惹かれ合っていくのだが…。
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私が生まれるよりも前の時代が舞台になっていますが、舗装されていない土の道を走るオート三輪やガリ版で印刷物を作るシーンを観ていると、なんだか懐かしいと感じさせる雰囲気がありましたね。
思春期真っ只中の高校生の淡い恋物語… どこかで観たことのあるような、、、
なんだか、旧い邦画をアニメ化したような、そんな感じがしましたね。
個人的に印象に残ったシーンは以下の三つです。
■電停で「海」が「俊」に告白するシーン
■“カルチェラタン”の存続が決まり、学生が大喜びするシーン
■父親の親友から「俊」の出生の秘密を確認するシーン
喜んだり、悲しんだりしながら、楽しめた作品でしたね。
そして、観終わったあと、なんだか心地良い気持ちにさせてくれる作品でした。
あと、作品中、「海」のことをみんなが「メル」と呼ぶ理由がわからなかったのですが、、、
ネットで調べてみると、「海をフランス語に訳すと、ラ・メール(la merとなる)になるが、メールが詰まってメルと呼ばれている。」とのことでした。
納得!
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監督: 宮崎吾朗
製作: 星野康二
プロデューサー: 鈴木敏夫
企画:
原作: 高橋千鶴
佐山哲郎
脚本: 宮崎駿
丹羽圭子
キャラクターデザイン: 近藤勝也
作画監督: 山形厚史
廣田俊輔
高坂希太郎
稲村武志
山下明彦
美術監督: 吉田昇
大場加門
高松洋平
大森崇
撮影監督: 奥井敦
色指定: 森奈緒美
高柳加奈子
編集: 瀬山武司
音楽: 武部聡志
音響演出: 笠松広司
主題歌: 手嶌葵 『さよならの夏~コクリコ坂から~』
制作: スタジオジブリ
整音: 笠松広司
挿入歌: 坂本九 『上を向いて歩こう』
出演:
長澤まさみ 松崎海
岡田准一 風間俊
竹下景子 松崎花
石田ゆり子 北斗美樹
風吹ジュン 松崎良子
内藤剛志 小野寺善雄
風間俊介 水沼史郎
大森南朋 風間明雄
香川照之 徳丸理事長