シャイロックの子供たち [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 短編なんだけど、長編。途中から推理小説に変わっていくさまは圧巻

  • 著者の池井戸さんが元銀行員だけあってリアルな描写と展開で、一気読みしてしまった。半沢直樹シリーズでも出てきた東京第一銀行、その長原支店を舞台にした話。様々な銀行員の立場(副支店長からパート行員まで)で現金100万円紛失事件を追っていく。短編集なのに、長編のような物語の緻密な構成はさすが。

  • 半沢直樹シリーズの人の本を読んでみようかと思って、
    (半沢直樹シリーズを全部読むのが当時はちょっと面倒だったので)
    1冊で終わる作品を読んでみようと思って買った。
    (作品に関する予備知識はアマゾンのレビューのみ)
    ああ、銀行ものなのね、人間関係の話なのかしら、と思って読み進めていただけに、後半からの流れは驚いた。

    経済ものでもないし、
    銀行ものと限定するほどの予備知識はいらないし、
    はじめはゆっくり読み始めたけど、慣れてきたら一気読みしてしまった。

    こういう章展開のさせ方ってわかりやすくて面白いなあと思った。
    登場人物に感情移入させるわかりやすい方法。
    (いい意味で)印象的な癖のある文体でないので、
    同著者の作品を読んだことがない人にもおすすめ。

  • はじめのページを見て、あまりにも地元にある銀行が舞台に書かれていてビックリ。また、その描写が的確。
    本編自体は、短篇集かと思って読んでいたら、全てが色々と絡んでいて、またビックリでした。

  • 登場人物が次々とつながっていて、しかも最後はまさか?と思わせる。

  • 池井戸さんの著書3冊連続読破です。




    今回は「半沢シリーズ」ではありませんが、その原型ともなった作品です。

    舞台は、合併前の東京第一銀行の長原支店。

    その支店で起きた現金紛失事件をそれぞれの当事者の視点で

    描かれていて、これがまためちゃめちゃおもしろい。

    半沢シリーズが“動”ならこれは静かな動きがおもしろいですね。




    少しずつ謎を残しながら、真実に近づいていく展開は

    読んでいる人をグッと惹きつけます。




    これはおもしろ過ぎるでしょ。

  • ドラマ『半沢直樹』の原作より先に書かれた作品との事だったので、原作を読む前に読んでみました。
    池井戸氏の本は、店頭でよく見かけていたけれど 実際に読むのは初めてでした。

    知り合いから教えてもらったドラマがきっかけでしたが、よく似た銀行の世界の話で、今まで読んだことのない世界だったので、とても新鮮に感じました。

    短編でありながら、曰くありげなラストは その後が気になって仕方ありません。
    次はドラマの原作本読みます。

  • 半沢直樹シリーズ2冊に続き、池井戸潤の銀行モノをもう一つ読む。
    ちなみにKindleでリリースされている池井戸作品はこの3作品のみ。

    時代設定としてはポストバブルの時代。舞台となる東京第一銀行は
    この後に産業中央銀行と合併し、東京中央銀行となるところらしい。
    合併先の産中銀には、そろそろ半沢が就職したころ、か?

    いわゆる連作短編の体をなしているが、ひとつなぎの長編として
    読むべき。各章で主人公はどんどん変わっていくのだが、最後に
    は見事に全てがリンクする。登場人物も多種多様で、最終的には
    あまりにも意外な人が主人公になってびっくり。
    ミステリーとして読んでも、かなりの手応えを感じると思う。

    ただ、半沢シリーズに比較するとこの作品の世界観は非常に暗い。
    銀行に勤めたいと思った事などただの一度も無いのだけど、コレを
    読むとその気持ちが更に増す。現役の銀行員がこれを読んだら、
    どういう感想を持つのかなぁ?そのへん、ちょっと興味深いかも。

    タイトルの「シャイロック」は、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」
    に出てくる金貸し。決して初代キング・オブ・パンクラスのあの人で
    は無いのでご注意を。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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