- Amazon.co.jp ・電子書籍 (324ページ)
感想・レビュー・書評
-
短編連作もの。
舞台は銀行、取り巻く金と人間模様。
率直に 面白かったのは間違いない。
銀行の世界をよく知りませんが、リアルな感じが伝わってきました。ミステリー⁈と思わせるところもはら、途中はらはらしなが、続きを追いました。そして、1番気になった西木の行方は、、、
作品の主旨はそこでは無いのでしょうが、なんか、えっ終わりって、もやもや残りました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
西木はどこかで生きているのか
はっきりさせないのは、それが答えなのかもしれない。 -
Audible にて。
やっぱり池井戸潤の銀行ものは間違いない!
短編集かと思いきや、100万円紛失事件をきっかけにすべてが繋がっていく。
それぞれちがう人物の視点から語られる「銀行」という世界が面白い。
特に「シーソーゲーム」にはゾッとしてしまった。
そういえば池井戸潤はこういう人間のゾクっとする怖さも上手いんだったな、と思い出した。
ラストの多くを語らない終わり方もいい。
もしかしたら…と読者の想像に任せる余韻を残しているのが面白い。 -
池井戸潤氏の池井戸潤氏らしい作品でした。著者は作家デビューの前は、本当の銀行員だったとか。だから銀行のリアルな裏側が描かれていて面白い、と定評がありますが、銀行ってこんな世界なんでしょうか?いつも窓口でニコニコと対応してくれるみなさんが、本当はこんな世界で生活しているのかと考えると、相談できなくなってしまいます。
-
銀行の支店を舞台にする群集劇となっている。支店内で働く人それぞれには、当然一つ一つ物語があって、どんなに怖い上司であってもこれまで生きてきたストーリーがある。
-
半沢直樹で有名な著者の連作短編集。
銀行支店で起きた事件に関わった行員たちの物語。
各章ごとに視点人物が交替になり、エピソードも視点人物の体験として完結するのだが、最後に全てのエピソードがつながる構成になっている。
ミステリーとしても面白いが、何より人間ドラマとしての質が高い。個人的には「ノルマ」がテーマだと感じた。サラリーマンなら経験している設定された目標だ。無理なノルマのために小さな不正を重ねる姿が見につまされる。
警察不祥事ノンフィクション「恥さらし」と同じ読後感だ。現場と乖離した目標設定。無理だと思いながらも評価のために叱咤する中間管理職。無いものを「有る」ことにしなければ達成できない数字。現場の担当者の選択肢は限られている。
ノルマと不正は双子の兄弟。片方だけでは存在しないのだと思い知らされる小説だった。 -
スリリングで盛り上がった割には、最後があっさりしすぎていて、満足度今一歩。
-
いつもの銀行内騒動劇に、ミステリー要素がかなり強めな作品。そのためめでたしめでたしや、痛快勧善懲悪的な読後すっきり感はない。それでも十分楽しめる一作。