引き続き中山七里作品を読む。
書店でタイトルを観た段階でかなり惹かれていた「切り裂きジャックの告白」
をKindleで。
モチーフは1800年代後半にイギリスで起こった事件、Jack The Ripper。
あの殺人事件同様、東京都内で複数の惨殺事件が起こる。全ての遺体からは
内臓がごっそり抜かれる、という異様なモノ。
この事件を追う刑事・犬養隼人は、遂にある共通点を見つけ出し・・・という内容。
・・・もの凄い本を読んだ、かもしれない。
矢継ぎ早に起こる残酷な殺人事件の合間に流れる臓器移植というデリケートな
医療行為が、この作品の主題。文中に思わず目を背けたくなる表現が多々出て
くるが、一場面を読む度に何かを考えずにいられない。そういう作品である。
ミステリーとしても秀逸で、どんでん返しに次ぐどんでん返しを繰り返し、
犯人が明らかになる。最後は思わずため息が出るほど感心してしまったのだか
ら、これはもうひれ伏すしか無い。
中山七里、遡って読む価値ありの作家と判断。さっそく明日からでも。