死者の代弁者〔新訳版〕(上) (ハヤカワ文庫SF) [Kindle]

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  • 少年キングコミックの発行順で、超人ロックはまず<英雄>としてあった。
    帝国から逃れるくだりで単純なスーパーヒーロー像を脱ぎ捨て、<変身する者>となった。
    名作『聖者の涙』では<賢者>になり、以降はとにかく人間力でなんとかする超人として描かれるようになったという印象を持っている。

    『エンダーのゲーム』では軍人となったエンダーは<英雄>としてクライマックスを迎え、<賢者>あるいは<師>となって物語を終える。最終章のタイトルはずばり本書のタイトルでもある。
    スーパーヒーローが転身する物語に親しんでいたためか、はたまた方向性が明示的であったためか続編のありように文句はない。どころか、前作を上回る内容にとても驚いている。

    ヒロインを決めかねたようだとかいう筆の迷いを感じないでもなく、なんでこの人?と思わなくもない。あるいは続編を意識して物語を構成しなおした歪みかもしれない。
    また、読んでしまったのは塚本淳二訳で、日本語訳が後半特にひどい箇所があり、翻訳ソフトのまんまなのかと思わせるような記述がある。翻訳家は母国語に堪能であるわけでもなく、ましてや文芸のセンスをもちあわせているわけでもないと理解しているが、プロとしてどうなのと思わせる訳ではある。

  • エンダーのゲームに引き続き手に取る。面白い部分も多いのだけど、やはり物語に入り込めない薄い膜を感じる。そもそも、入り口のエンダーが悪人とされている時代がまずよく理解できない。バガーを滅ぼしたからなんだろうが、滅ぼさなければよかったと気づいたのは滅ぼしたあとなんだから、必死に戦ったエンダーを悪者にする必要があるのか? 多くの時の中で人々の解釈が変化していったのかもしれないが、よくわからない。

  • エンダーのゲームの続き。時代は3000年後。
    第二の異性物との関係の展開。
    さすがよくできている。

  • ■人類が最初に遭遇した知的生命体、それが”バガー”であった。しかしその出会いは一方の種の絶滅という最悪の結果に終わってしまった。それから約3000年。人類は惑星ルシタニアで二例目の知的生命体となる”ピギー”と邂逅する。前回の猛省から人類は、”ピギー”との接触には慎重にも慎重を重ね、彼らにどんな影響も及ぼさないようただただその生活を観察、見守ろうとだけする。
    一方、正体を秘匿して生活するエンダーのもとに”死者の代弁者”としての依頼が舞い込む。依頼主であるノビーニャはルシタニアで”ピギー”を観察、記録する閨秀学者だった。彼女に強い関心を抱いたエンダーは、密かに”窩巣(ハイヴ)女王”を連れ出し、惑星ルシタニアへと出発する、最愛の姉ヴァレンタインに今生の別れを告げて……。
    ■エンダーがバガーを絶滅させてから3000年。しかし”死者の代弁者”として”バガー”を再生させようというエンダーの壮大な目論見はいまだ端緒にさえつけていない。そんななか今回エンダーが呼び出されたのが、知的生命体”ピギー”が棲息するという人類にとって最も特別な意味を持つ惑星ルシタニア。果たしてルシタニアは”バガー”再興になんらかの役割を果たす地となりうるのか? また、知的生命体”ピギー”たちの知られざる驚異の生態とは? そして呪われた運命に呻吟するノビーニャ一家に救いはもたらされるのか……?。

  • 相変わらず読みやすく、面白い。
    イバノバの頑なさが痛々しい。癒し切れなかった痛みが明晰な理性を恐慌に落とし込んでしまう。
    そしてエンダーは、自己の再定義した世界で贖罪を続けている。誰も彼にそこまでの犠牲を強いることはできないのに、彼自身の誠実さと罪悪感が、彼を代弁者たらしめる。

  • なんだこの引き込まれるような文章と世界観。ただひたすらに読み進めることが楽しい。

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