世界で一番やさしい会議の教科書(日経BP Next ICT選書) [Kindle]

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  • 会議での進行というものを初めて経験し、自分自身の力の無さを実感したため本書を読んでみた。

  • わかりやすいし、実践的。中堅が改めて意識するのにもよい。

  • 会議の本ははじめて読んだが、とても実践的な内容だった。
    自分自身がすぐに思いついたことを言ってしまって、いろんな方向に会議を持っていってしまうタイプなので、この本の内容を意識して実践してみたいと思う。



    ===
    ■ファシリテーション
    ・何かを決めることを促進する・容易にする技術

    ■確認するファシリテーション
    ・会議が終わったタイミングで確認する
    - 決まったこと
    - やるべきこと(誰が、いつまでに、何をするか)
    →参加者全員に、確認結果をメールする(備忘録、やるべきことのプッシュ、の役割)

    ・会議の目的を明確にする
    ・終了条件を確認する
    →『終了条件に合致する状態を作り出そう!』と全員が思っていれば、自然とベクトルがそろう。
    目指すべき状態を共有しておくと、全員が勝手にその目標に向かってくれる。

    ・議題ごとに時間配分を確認
    意識すると生産性が上がる

    ・会議で一番無駄な時間は、「資料を読み上げる時間」。音読より個々に黙読する方が早い。
    (でも、、読んでもらっているときに大事な気づきも結構あるんだよな、とも思う)

    ・終了条件は、具体的にイメージできるものにする。
    × 新商品の概要を説明する
    △ 新商品の概要を理解した状態
    ○ 営業課長が、新商品の概要を部下に説明できる状態

    ■確認するファシリテーション
    ・スクライブ
    - "意見"、"論点"、"決定事項"を意識して書き分ける
    - 「あがった議論を記憶し、思い返して全体を俯瞰する」ことに脳のパワーを割かなくてすむ。
    - "議論の見える化"と"議論の整流化"
    - 「すみません、今のはどう書けばいいですか?」と聞くことで、発言した本人も整理できるし、まとまった発言をするようになる。
    - はっきり、丁寧に書く(うまい字でなくていいが汚い字はダメ。汚くかくなら、キーワードだけでいいから丁寧に。)
    - 下手に要約はしない。はしょって書く。(コツは画数を極力少なく。記号、カタカナ、略字、アルファベット、など)
    - キーワード、数字(件数、人数、売上、日付)にアンテナを立てる

    ■隠れないファシリテーション
    <ポイント1> 事前に終了条件とプロセスを設計する

    <ポイント2> 発散-収束のプロセスを踏む

    ・バージェンスモデル
    意見を発散させきったから、次の議論にいく。一つの論点について、考えていることを全部出してから次の議論にいく。
    悪かった点を出しきらないうちに施策の議論に入ると、重要じゃない議論に時間を使ってしまったり、論点が行ったり来たりして、とっ散らかった議論になる。
    一度課題を出しきって、優先度の高いものから議論する方が効率がいい。

    <ポイント3> "集まって議論すべきことと、そうではないこと"を意識して切り分ける。

    <ポイント4> 課題解決の五階層を意識する
    ・下から合わせる
    5 効果 どの施策が効果が大きいのか?
    4 施策 どんな施策があるのか?
    3 原因 なぜそれが発生するのか?
    2 問題 具体的にどう困るのか?
    1 事象 何が起こっているのか?
    ・課題解決の議論をする時に、議論がゴチャゴチャするのは、8割方この階層がズレていることが原因。

    <ポイント5> 話していない人に振る
    ・黙っている人の5分類
    a.議論についていけない
    b.何かモヤモヤした思いがあるが、まとまっていない
    c.何か言いたいことがあるが遠慮している
    d.他の人の意見と同じなのでわざわざ話さなくてもいい
    e.議論に興味がない
    ・特にa,b,cはあとから物言いが付いたりするので、ケアが必要。
    ・どんな状態であれ、黙っている人にしゃべってもらえないと、会議に納得感はうまれない。口数少ない参加者に対して、発言の場を作ってあげる必要がある。

    <ポイント6> 質問、意見、懸念が明らかになるように言いきらせる
    ・言いきらせる工夫をする。

    ・ファシリテーターは、笑顔で感じよく。

    ・会議は4つのフェーズに分けられる
    - 準備、導入、進行、まとめ

    <準備>
    - 終了条件とプロセスの設計

    <導入>
    - 終了条件を確認
    - 時間配分を確認

    <進行>
    - スクライブ(意見、論点、決定事項)
    - 発散と収束
    - 課題解決の5階層
    - 話してない人に振る
    - 最後まで言いきらせる

    <まとめ>
    - 決まったこと、やるべきことを確認(担当者、期限を明確に)

    ・全員がファシリテーションを身につけていると、グッと議論が楽になる。

    ・反対意見が出てきたら、焦らずに、論点を整理して、参加者に問いかければいい

    ・ファシリテーターはどんどん間違っていい、どんどん否定されていい。その結果、参加者の理解が進み、議論が進むなら、ファシリテーターは立派に役割を果たしている。

    ■Prep(Preperation 準備)するファシリテーション
    ・準備完了の4つのP
    - Purpose(目的)
    - Process(進め方)
    - People(参加者) いないと何が困るか?を考える
    - Property(装備)


    <会議の目的別プロセスチャート>
    (種類:導入→Step1→…→Step6→まとめ)
    A.報告:終了状態と進め方確認→報告→Q&A→決定事項確認
    B.情報収集:終了状態と進め方確認→背景説明→欲しい情報の枠組み提示→ヒアリング→決定事項確認
    C.承認:終了状態と進め方確認→承認依頼事項の明示→承認事項説明→Q&A→承認判断→決定事項確認
    D.方針検討:終了状態と進め方確認→背景説明→選択肢の洗い出し→絞り込み基準の合意→評価・取捨選択→決定事項確認
    E.課題解決:終了状態と進め方確認→事象の確認→困りごとの確認→原因の分析→解決策の洗い出し→絞り込み基準の合意→評価・取捨選択→決定事項確認

    ・Prepシートを書いてみると、全員でやるべきこと、事前に準備や用意をしておいた方がいいものが見えやすくなる。

    ・想像力が足りないから、想像しようとさえしないから、会議がグダグダになる

  • 『もしドラ』もそうだが、無理矢理ストーリー仕立てにしたビジネス書は基本的に苦しい。小説として読むには表現力が足りないし、ビジネス書として読むには情報量が少ない。

    しかし、このジャンルにはそれらの欠点を補って余りある長所がある。人に勧めやすいのだ。

    最新のエビデンスに基づき、情報量の多いビジネス書は人に勧めにくい。読んでもらえるとは限らないからだ。しかし、こういった軽い形式でなら読んでもらえる。読まれる文章にこそ価値がある、という評価指標でみれば非常に価値があることになる。

    会議というものは参加者全員で作るものだ。ゆえに、たとえ薄くても読みやすい資料を使って共通認識を作ることは決して無意味ではない。それゆえ、「ストーリー仕立てのビジネス書」という苦しいジャンルにもかかわらず評価できる。

    本書で紹介されるエッセンスの多くは、ある程度のビジネスマンであれば無意識に実践していることだろう。論点設定や事前準備の大事さは皆、どこかで学ぶはずだ。

    なら、読む必要はないということだろうかというと、全くそんなことはない。無意識でやっていることを体系化することで、目的を意識してテクニックを使うことができるようになる。

    たとえば「何となく」新人に議事録作成を振っているようなビジネスマンが読めば、明日から議事録について教えることもできる。そうすれば新入社員の議事録はレベルアップし、会議自体の質も上がるだろう。

    通勤時間でサクッと読み終わる分量の本である。会議の進め方を意識的にできていない部分があるのなら、読んでみても損はないはずだ。

  • 久しぶりに食を忘れて一気読みした。面白かった。
    小説形式なので、かなり読みやすくてオススメ。
    これは早々に漫画化するやつや。

  • 序盤の

    1.決まったこと、やるべきことを確認する
    2.終了条件を確認する

    の優先度はまったくそのとおりだと思う!
    この2つを覚えるだけでこの本を読む価値があると思う。

    しかし、後半は、一般的な会議のハウツーとあまり変わらない気がする。

  • 小説形式でスルスル読めました。
    会議を良くする方法について、中にはすでに実行している事もあって納得しつつ、こうすれば良かったのかと今まで理解できていなかった事柄を知る事もできました。
    最初は会議の末席の参加者でしかなかった主人公が、その立場から出来ることに取り組む姿に励まされたような気がします。

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著者プロフィール

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)
1980年生まれ。ダイワハウスに入社。08年ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに転職。以来、計画策定を行うプラニングフェーズを中心に、建築、金融、通信、運送など幅広い業種でプロジェクトに参画。

「2020年 『ファシリテーション型業務改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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