同志少女よ、敵を撃て [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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  • 【文章】
    とても読みやすい
    【ハマり】
     ★★★★・
    【気付き】
     ★★★・・

    主人公にとっての敵とは、敵対国の兵士のみではなく、戦争性犯罪を犯すものだったということか。

    ほぼすべての登場人物が、2面性を持っている。

  • 第二次世界大戦のものでこんなにライトな読み口は初めての経験だと思った。
    読み初めはこれはラノベかと思いとても違和感があり、ロシア人が読んだら怒られないかなと心配してしまった。
    しかし戦闘が始まってからはとても気持ちのいいエンターテイメントになっていると思う。

    しかし期待値が高かったのか、また現実でロシア側が侵略戦争を仕掛けてしまったこともあり物語を通して感情を揺さぶられることはなかった。
    本屋大賞の中でははずしてしまったなあという印象。

    それにしてもスターリングラードの戦いはどの作品でもモノクロのコンクリートを想起させるのはなぜなのだろうか。

  • 戦いの中で紡がれる少女たちの熱い友情と絆!
    久しぶりに読書中に泣きました!!

  • 独ソ戦を赤軍狙撃兵として戦った少女たちの物語。 各々の正義や目的がありそこに国家やイデオロギーが加わることで時に人類は破壊や殺戮の途を歩む。 しかしそこにあるのは悲しみだけで勝者も敗者も存在しない。 彼女たちは一体何を得て何を失ったのだろうか。

  • 戦争での心理の描写などが良く伝わった。
    考えさせられる本だった。

  • こうも、頭の中に映像が浮かぶ本に出会ったことないのでは

  • 戦争という環境を知らない私にとって、戦争によって変わってしまうことの恐ろしさを知った。それは生活だけではなくて、人自身もである。ミーシカやオリガ、イェーガーもみんな変わった。

  • 戦争に翻弄されながら、自身の本当の敵を見定めていく物語。

    描写が細かくなされていて読むのが大変に感じたが、その分生きるか死ぬかの中で戦う登場人物たちの心情もより想像することができて、その点が良かった。

    もう少し人物の内面の描写があると読みやすいなと感じた。
    ☆3.8

  • 少女たちの軽いトークにラノベっぽさを感じる瞬間もあったが、重厚な戦争もの、狙撃兵ものでした

  • 本書に関連して幾つかの本が頭をよぎる。
    ①『文学キョーダイ‼』
    『同志少女』は以前から注目していたが
    まず逢坂冬馬の本で最初に読んだのは
    姉・奈倉有里との対談本だった。
    最近読んだ本ではピカイチだった。
    知性的で独創的で、こういうの好きだ。
    ②『ぼくらの戦争なんだぜ』(高橋源一郎)
    『文学キョーダイ‼』の中で高橋源一郎の
    話が出てくる。高橋が二人が姉弟だと知って
    のけぞる話は有名だ。『ぼくらの戦争』は
    「戦争」に関して、今最も読むべき本だろう。
    ③『戦争は女の顔をしていない』
    (スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ)
    『文学キョーダイ‼』でも高橋の本の中
    でも語られる。本書が書かれたきっかけに
    なった本でもあり、いたるところで想起される。
    P476では実際に話に出てきて驚く。
    ④漫画『進撃の巨人』
    これは特に誰も言及していないのだが
    個人的に、印象が重なる『進撃』。
    ザラザラした感じ、どうしてもガビ・ブラウンの
    顔が頭をよぎるのだ。
    イェーガーの名も出てくるし。

    ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマス、
    中国と台湾、ミャンマーと世界中で争いが絶えない。
    「終わりの見えない戦争に災害と、
    混迷を極める世界への危機感を
    あらわにするデザイナーもいた」
    今朝(2024年1月31日)の新聞に
    パリ・メンズファッションウィークの
    記事にそんな文章があった。
    ファッションと戦争、つながりがなさそうだが、
    やはり最先端の感性を持つくデザイナーには
    見えてしまうものがあるのだろう。
    「白は祈りの色ですから」(川久保玲)
    「ドイツの新進ブランド、ゲーエムべーハーは
    2人のデザイナーが冒頭の10分間、
    時折涙で言葉を詰まらせながら
    メッセージを読み上げた」
    「危険な時代を生きている今、
    言葉の正確さが必要とされている」
    「2人はヨーロッパに移住したイスラム教徒の
    子どもだといい、世界各地でナショナリズムが
    台頭していることに危機感を覚えていると訴えた」
    「ショーを終えた(ダブレットの)井野は取材に
    答えながら泣いていた」「いま、世界がとても
    傷ついている」
    戦争はいやだ。
    対して、同じ朝刊のスポーツ欄に
    「ワリエワ4年間資格停止」の記事があった。
    ロシアフィギュアスケート界の重鎮である
    タチアナのコメントは.
    「クズにはクズのやり方で戦わなければならない。
    腐った豚ども。我が国に対する憎悪を
    少女に向けるなんて」
    自分の事を棚に上げた罵詈雑言。
    こんな汚い言葉を新聞が載せこと自体
    異例だ。よほどだったのだろう。
    本書P80、ウクライナ出身のオリガが本音を語る
    場面を思い出す(その後の裏話もすごい)。
    「本当のことを言えば殺される国に住んでいる」
    戦慄のロシア。何が何だかわからない。
    それが世界を歪ませている。
    戦争ってほんと嫌だ。

    それにしてもアヤがあんなに早く退場する
    とは思わなかった。
    竜馬を知るには『竜馬がゆく』
    道元をしりたければ『道元禅師』
    ロシアとウクライナの戦争を知りたいなら
    『同志少女』。
    小説って独特のアプローチの仕方だと思う。

    「自分が怪物に近づいてゆくという実感が
    確かにあった。しかし、怪物でなければ
    この戦いを生き延びることはできないのだ」
    「悪夢にうなされる自分でありたかった」
    (P267)

    「前の夫の子を身ごもり、その子を産むために
    生きる。そのために敵兵の愛人となり、
    その相手を心底から愛する」
    「迷いがなかった。自らの歪んだ生き方を
    そのままに受け止めている」(P318)

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著者プロフィール

逢坂冬馬(あいさか・とうま)
1985年生まれ。35歳。埼玉県在住。『同志少女よ、敵を撃て』にて第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞。

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