こわれた腕環: ゲド戦記 2 (岩波少年文庫 589 ゲド戦記 2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145892

感想・レビュー・書評

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  • 第二部 アチュアンの墓所(日本タイトル: こわれた腕輪)での主人公はテナー(アルハ)という少女。
    8歳で、アチュアンの墓所に連れてこられてここのの大巫女として、生涯名も無き者の生贄のようにここを守るものになっていた。15歳になるまでの辛く孤独な生活がかさ語られていく。
    罪人が送られてくると、残忍な処刑をも行った。話も中盤、アチュアンの墓所に忍び込んだアルハより10歳ほど年上の盗賊が捕らえられた。
    迷宮に隠されてあるエクス・アクベの腕輪の欠片を探しに来たのだった。処刑をしなければならない。だが、アルハには、ゲドが気になってしまった。長い日々、二人は忍び逢っていろんな話をし、若い男が魔法使いだと知った。
    二人は信頼を共にすることになる。
    アルハは大巫女として罪を犯してしまった。
    アメリカのテレビドラマ【ゲド 戦いのはじまり】の原作にされて、第一部と第二部がごっちゃにされて放送されている。原作は、第一部から10年の月日が経過しているようだ。
    無論、原作の方がドラマより面白い。
    暗くじめじめしたアチュアンの墓所での情景はずっと夢見そうだ。
    素晴らしい作品である。

  • シリーズ物の2作目は鬼門だと思っているのに、面白かった
    1作目でゲドの人格がかなり老成していたから、この後どうするのかと思ったら、テナーがほぼ主人公
    満を持してゲド登場
    設定も展開も圧倒された

  • 日本語タイトルネタバラシに近いじゃないか。原題の通り「アチュアンの墓所」じゃダメだったのか?

  • テナーとの出会いが描かれた本巻。なかなかゲドが出てこなくて焦らされるけど、その後は…♪

  • ゲド戦記1と2で前半全然違うお話でびっくりした。
    1は旅をするゲドの話、2は一つの神殿に崇め奉られる巫女テナーの話。
    前半は「文化」の話が強いなと思ったけども後半になるにつれシチュエーションものとして面白く読めた

  • 最初は一切ゲドが出てこないから、???という感じだったけど、それが逆によかった。今回の「壊れた腕輪」は、ゲド戦記の中の一つの冒険、物語だけど、アルハ=テナーが主人公なのだ。アルハの生活、未熟な若い娘ならではの傲慢さや負けず嫌いな性格、コシルへの恐れや憎しみと、ペンセとの会話による発見(神を信じない人がいること、人は違う考えを持つこともあること)、うまく描写、レイアウトされている。「影との戦い」から数年後のゲドが、エレスアクベの腕輪の片割れを探しにアチュアンへ来て、名なきものと戦いつつアルハのことも闇から救い出す。ゲドは数年経って何歳になったのか分からないけど、魔法使いとしての実力や周りからの信頼を勝ち得、さらに竜王にまでなっていることが分かる。名なきものたちは、「影との戦い」と違って、直接的な攻撃はしてこないけど、精神的な強さで打ち勝つゲドの強さが感じられる。

  • 面白くて一気に読んだ。暗闇の迷路は感覚が頼りなのでアニメ化はできないだろうなあと思いました。

  • アチュアンの墓所の巫女として仕える少女テナーの精神的な独立の物語。地下迷宮の描写は、深い闇が伝わってくるようで恐ろしさを感じた。終盤で、テナーを幼少期から世話していたマナンが底なし地獄に落ちて死んでしまったのは本当に痛ましかった。自分を保護してくれていた存在を振り切ってこその自立ということなのだろうか。墓所から抜け出したテナーが、手に入れた自由に対して葛藤する場面には心が震えるような思いがした。たとえ苦労をしても自由の場に身を置くか、それとも楽さとその場の安定を求めて闇に身を置くか、大人になった今読むからこそ、この葛藤が真に理解ができるのだと思う。

  • 一言でいうなら「静」。後半に入るまで、ゲドが出てこないわけで、若干退屈さを感じるが、アチュアンの墓所を巡る世界観には大いに引き込まれる。

  • 「ゲド戦記」の原作、シリーズ第2巻

    ゲドがテナーと出会って
    『自由について、どう考えるか』

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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