茨木のり子詩集 (岩波文庫)

制作 : 谷川 俊太郎 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 1405
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003119518

感想・レビュー・書評

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  • 2014.12~ 展示

  • あまり詩集って読まないんだけど、プレゼントでもらって、
    久々に心を澄ませて?読むことの心地よさにあいました。
    激しさも、静けさも感じられる、茨木さんの詩集良かった。

    好きなのは、
    王道の
    自分の感受性くらい
    活字を離れて
    怒るときと許すとき
    準備する
    さくら

  • 丸善御茶ノ水、¥756.

  • 「自分の感受性くらい」の断片を目にして以来
    気になっていた茨木のり子。

    詩に対して知識がないので
    はじめは瑞々しいとか初々しいとかってやつかしらと
    ぼんやり思ってたけど
    次第に鋭い切れ味や息をのむような共感や
    労りの眼差しを感じられるようになった。

    『歳月』のしなやかな強さは
    その底に深い深い悲しみが隠されているようだ。

  • 世田谷文学館で茨木のり子展を見て,久しぶりにいくつかの詩をじっくり読んだ.ふだん詩とは全く縁遠い文章を読んで生活しているので,詩を読むのはエネルギーがいるのだが,茨木のり子の詩は私にもよくわかるし,素直に心に入ってくる.これは驚きだった.

    というわけで,この本を買った.この前に詩集を買ったのは25年くらい前か.もう,一生詩とは無縁かと思っていたが,こういう再会ができるのはとてもうれしい.

    実際に読んでみても,展覧会での印象と変わらず,とても読みやすい.中に「二人の左官屋」という詩があって,自宅にやってきた左官屋さんが詩人に向かって「奥さんの詩は俺にもわかるよ」と言う.本当だ.私にもわかる.

    巻末に掲載の大岡信との対談で,詩人は「単純にすっきりさせたい.モヤモヤや悶々をそのまま出したくないんですね.だってほかの人の作品を読むときでも,単純な言葉で深いことを言えてるものが最高と思いますもの」(p.323)という.大岡さんは,それを「論理性」とか「すぱっと言い切る」という言葉で表現している.ここらが私にもわかる理由だろう.このような詩のスタイルは,母親を早く亡くし,医者の父親のもとで育ったという生い立ちとも関係があるような気がする.

    私でも以前から知っていた「わたしが一番きれいだったとき」「自分の感受性ぐらい」「倚りかからず」などの他にもいい詩がたくさんある.自分の覚えのために題名だけ書いておく.
    「ぎらりと光るダイヤのような日」「六月」「花の名」「りゅうりぇんれんの物語」「冷えたビール」「みずうみ」「答」など.

    それにしても晩年に近づくにしたがって,孤独のつらさが痛い.死後出版の「歳月」の一連の詩はそれまでの詩とちがってかなり肉体の感覚に近いところで書いている.それがなかなか私にはこたえる.本当に夫婦ってこんなに愛し合えるものなんだろうか.

  • 言葉が多すぎる
    というより
    言葉らしきものが多すぎる
    というより言葉と思えるほどのものが無い

    この不毛 この荒野
    賑々しきなかの亡国のきざし
    さびしいなあ
    うるさいなあ
    顔ひんまがる
    茨木のり子「賑々しきなかの」、谷川俊太郎編『茨木のり子』岩波文庫、2013年、202頁。

    谷川俊太郎選『茨木のり子詩集』岩波文庫、読了。「茨木のり子の詩を読むのに、構えはいらない。そこに差し出された作品を、素手で受け取り、素直に読んでみるに限る」(化水音たかく 解説に代えて・小池昌代)。じわじわくる。極めて個人的経験の表象がここまで普遍的に揺さぶりをかけてくるとは。魂消た。

    言葉を弄ぶ者どもよ、戦慄せよ。

  • 自分の感受性くらいがとても、すき。

  • 茨木さんの詩を谷川俊太郎が編集。
    やっぱり茨木のり子は大好き!

  • 「自分の感受性くらい」など代表作しか眼にする機会がなかったが、いくつもいい詩に出会えた。
    特に『歳月』収録作はどれにも、しっとりとしたエロスと悲しみが同居している。
    また「おやすみなさい 大男」や「いい男だったわ お父さん」のようなちょっとした一言がぐいっと胸に射し込んでくる。

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