侏儒の言葉 文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫 緑 70-11)

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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003600139

感想・レビュー・書評

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  • 箴言集が読める状態ではなくてあまり集中できなく特に感想はない。

    成増図書館 岩波文庫

  • 「侏儒の言葉」は聖書みたいなもん。

  • 『侏儒の言葉』の方は、断片的過ぎてよく分からなかった。『文芸的な~』の方はまだ幾らか思考が纏まった感じ。途中、犀星や子規が賞賛されるのを見て、彼は短文ではなく究極的に言葉を削っていくことによって思考を感情のまま表現できる、と実験したかったのではないかと感じた。だから言文一致の時節にあれだけごろごろ変化していった国木田独歩を賞賛してるのだ。解説で、朔太郎にに詩人として拒絶されたという話を読んで得心する。私としては、彼の、詩人に憧れ俳人に焦がれて書かれた短編小説が面白いのに、と思ったのだった。

  • 文芸的な余りに文芸的な のみの感想。接続詞の妙な使い方や、思わせぶりな書き方を除けば、かなり正確に同時代の事実・真実を簡潔な文体で論評していると思います。強い思索と何度も推敲をした上で、書かれている文章だと思います。

    芸術の核心について、素材を変えて何度も論評していると思います。冒頭の「話」らしい話のない小説のくだりは、芸術の核心と・その周辺の現象について書かれていると思います。素材を変えて何度も芸術の核心について書かれていますが、それに関しての論評はどれも正確に書かれていません。「芸術の核心」は証明が不可能だから、定義はせず・あいまいに書かれているのだと思います。

    作者の同時代・少し過去の人物批評が正確だと思います。この部分がこの作品中の作者の最も優れた所だと思います。作中、作者(芥川さん)は自身をジャーナリスト兼詩人、と書いていました。推測ですが、ジャーナリストの優れた側面が、同時代の事実・真実・人物論評を正確にするのではないでしょうか。

  • 読み始めました。
    『侏儒の言葉』は、以前に単体の岩波文庫を読んだことがあります。

    大阪に向かう列車で読んでいます。前に読んだとき(30代)より、痛切に感じます。
    ちょうど京都駅に停車中に「侏儒の言葉」の部分を読み終えました。
    (2013年11月22日)

    「文芸的な」は、初めて読みました。
    (2013年11月23日)

  • 文芸論争はどうも神学論じみている。
    きっと痛切なことだったのだろうが、申し訳ないことにあまり興味を持てない。

    その一方でアフォリズムに惹かれるのは、
    それが日々の何気ない思考の断章だと感じるからだ。
    体系化される前に著者の生活の端々から自然と沸き出でる肉声のような気がする。
    そして、いくつかのアフォリズムが長い時間を耐えて小説を構成する血肉となり、
    また最終的には著者の人生を左右させるという予感がするからだ。

  • 「大きな物語」とは、もっとも根源的な世界観の上に成り立つものである
    すなわち、「弱肉強食」の世界観である
    しかしそれを人間の立場から見た場合
    あまりに動物的・非人間的と言わざるをえない
    「筋のおもしろさ」とは
    ようするに「大きな物語」の縮小コピーを楽しむものである
    しかし小説が人間を題材にするものならば、
    逆の観点から考えるべきこともあるのではないか

  • ビアスの方がキレとウィットがある。

  • 芥川が晩年に記したアフォリズム。読んでいると、彼は神経むき出しで生きていたのではないかと思うほど、鋭く繊細な文章。こんな感覚をもって生きていくには、いったいどれだけの苦痛が伴うのだろう。

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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