ふくわらい (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.57
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本棚登録 : 3826
感想 : 333
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647900

感想・レビュー・書評

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  • 『きいろいゾウ』より格段に良い、これを作家の成長というんでしょうか。
    どこか生温い自己満足優先という観点を超えて、他人との関わりの中での自己発見に歩を進めた感ありです。守口廃尊というキャラが絶品、あと作家のプロレス純愛(?)もよろしいかと。まぁそれでも描く世界が狭い気がする、これは今の時代共通の特徴かもしれないけれども。
    それにしても女性作家というのは、こういう幼き頃からの一風変わった人物の一代記みたいな構成が好きなんでしょうか?当方の勝手な思い込みの可能性大だが、多い気がするんだけどなぁ。

  • 一気読み。楽しかったー

  • 初めて読む西加奈子さん作品。
    突拍子もない話に思えるけれど、読むうちにそんなこともあるよ、と自分の懐が深くなっていく気がした。
    主人公の定が、ロボットからヒトへと変わっていったところがよかった。
    プロレスの試合の描写は、プロレスファンの西さんならでは。

  •  鳴木戸定は「他人の気持ちが理解できない」と自分で語っていた。多少ならそのような方は社会にいると思われるが、定はその分量が大きいらしい。秀逸なのはこの小説の終わり方、西加奈子は天才じゃないかと感心した。とにかく凄い作家さんである。常識の範ちゅうを軽く飛び越えるという意味では村上春樹に勝っているかもしれない。

     『昭和歌謡大全集』村上龍著に左右非対称の顔を持つ娘が登場する。こちらは恐怖を覚えたがレスラー守口は哀愁を感じさせた。それと、武智の宣う「先っぽだけ」っていうの凄いよねーよくも文字にしてくれたと思う(感無量)

  • 343

    2016年では123冊

  • 言葉以前から考えることを誠実だと言ってくれたり、何にでも言葉をつけて納得して完結させようとするの良くないと思うって言ってくれたり、言葉というものがすごく好きなんだろうなと思ったし、私も言葉が好きだよって思ったりした。
    この小説のどこが、何が魅力的かは言い当てれないんだけど、ぼんやりとなんとなくなんだけど、すごく愛おしくてすごく魅力的で美しくてきらきらしていて好き。大好き。わけわかんないけど温かい。
    なんでか分かんないけど涙が出るし、世界が好きだと思った。

    自己認識論、身体論、言語学や言葉に関する知識や思索、民族学、コミュニケーション論、いろんな方面への深い知識と理解があるんだろうなぁとよく分かる内容と筆致。読者を引き込む緩急のあるテンポの良さ。淡々と感じるけど実は衝撃的な事件の起きている山と谷。グロテスクな部分を温かく愛しく切なく感じさせる表現力。
    なんて言葉に当てはめるのは本当につまらないけど無理に当てはめるならそんな感じです。遠藤周作「深い河」に次いで、人生で二番目に好きな小説となりました。

  • 生き方は人それぞれ十人十色。

    でもやっぱり人と違うと生き辛い。

    だけどそれで良い。

    それが良い。


    安藤サクラさん主演とかで映画化してくれませんかね。

    無理か。

  • 人の顔でのふくわらいが趣味、感情の起伏は大きくない、いわゆるロボットみたいに描かれていた変わり者の主人公。
    中年プロレスラーや気難しい作家たちなど、癖のある人々と触れ合っていき、次第に人間的になっていく話。

    才能とは何か、視覚障害者の美しいとは、夫婦の愛とは、など細かなテーマはありますが総じて自分らしい生き方とは何か、
    という話かと思いました。
    ただ、何かを言っているようで何も語られていない、結局何なのという気持ちも残ります。

    とはいえ、読みやすくて面白い本でした。

  • 好きか嫌いかと聞かれたらあまり好きではない。

  • 文章にリズム感があり、どんどん読み進めることができたし、最初は理解できなかった定や守口のキャラクターを読み進めるうちに受け入れられるようになったが、ところどころに表れる人の肉のこと等のグロテスクな場面で気持ち悪くなった。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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