松浦弥太郎の仕事術

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.83
  • (47)
  • (75)
  • (51)
  • (11)
  • (2)
本棚登録 : 613
感想 : 87
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023304932

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者は「暮しの手帖」編集長を務めている。高校中退後、オールドマガジン専門店を東京に開業。その後トラックによる移動書店をスタート。同時に執筆・編集活動を行い今に至る。

    著書に「本業失格」「くちぶえカタログ」等多数。

    人生というものは、死ぬまで日々悩み続けていくことである。そのような日々の中で、知ったこと、学んだこと、大切だと思ったこと、発見したこと、感動したことなどを、著者は長年、自分のノートに書き続けておりそrをまとめたものが本書に書かれている。

    著者が考える仕事術。仕事とは社会との関係性であり、どうやって自分が社会とコミュニケーションをとるかのか。いかにしてそのコミュニケーションに価値を創造するのかということである。

    そのために最低限備えておかなければならいことを著者は3つ挙げている。
    ①きちんとした挨拶をすること
    ②身だしなみが清潔であること
    ③笑顔を忘れないこと
    このルールを仕事と暮らしにおいて大切にして過ごすことで、自分にとってのよい運気が集まってきて、その運気が自分の行いをあらゆる面で助けてくれる。

    この3つのルールを根底として本書は著者の仕事術について以下の6つに分けて説明している。
    ①働くこととは
    ②仕事と暮らしを楽しむ生き方
    ③人とかかわって働くこと
    ④仕事のための思考と発想
    ⑤時間に追われず、情報に流されず
    ⑥自分のキャリアをデザインする

    著者から受けるイメージは「自分に厳しく、人に優しい」
    自分の能力を高めるために努力を続ける著者。自分自身組織に属して仕事を行うことをウィークポイントとして捉え、敢えてそれに挑戦していく。

    全てを受け入れ、それを解決するにはどうすればいいかを日々問題意識を持ちながら仕事と生活の中に組み入れている。

    その考え方は非常にシンプル。
    最終は上記の3つのルールに集約されるものの、著者が紹介している本書の中での仕事術の説明を読んだ後ではその意味・深みも十分に理解できる。

    強いこだわりを持つ著者。しかし、それも色々な経験から基づいたもの。多くの共感を得る項目も多く憧れてしまう。

    人との関係性を非常に重視した著者の関係性は閉ざされたものではなくオープンである。

    こんな大人になっていきたいなぁと感じた一冊。
    すぐには慣れない。毎日の積み重ねで自分なりのルールを著者と同じように作っていきたい。

  • いまの自分にしっくりくる言葉もいくつかありました。またしばらく時間を置いてから読み直したいな

  • 優しく丁寧な口調で語りかけてくれるような気持ちにさせてくれる。
    日々の生活から忘れていた大切な気持ちを思い出させてくれた本。
    仕事の仕方、仕事への愛情を思い出させてくれた!

  • 色々納得。けっこう実践していることもあるけど、改めての見直しにもなりつつ、ある意味ちょっと厳しめだなともおもったり。
    仕事の心得、欲張らないこと、心を込めること、は特に常に忘れないようにしたいと思った。
    ジョン・ロブの靴は、高くて買えないなあ…

  • 松浦弥太郎さんの本を読むたびに「あたりまえ」をとても大切にしている人だなぁと感じる。
    あたりまえをあたりまえに行うことは意識しないと結構難しいことに改めて気付かされる。仕事術と謳った本だけれど、謙虚な姿勢で日々の暮らしの大切さを教えてくれる内容だった。

  • 松浦弥太郎さんの本を読むのは3冊目

    いつも一貫して余裕がある(余裕をつくってる)
    仕事術とあるがその根本となるものは
    日常生活から作られると感じられた

    また私の実体験としてもそうだが
    基本仕事は笑顔、挨拶、身嗜みの大切さ。
    これがどの業界にも通ずる当たり前の事だけど疎かになったらすぐバレる所だと思った

    正直なところ今回の私自身の転職は
    笑顔のみでどうにかなった(助かった)ところがある。
    大切なのは拾ってもらったそこからどのようなシナリオで成長していくか

    改めて気持ちをピシッとさせてくれた。

  • 松浦弥太郎さんがまだ暮しの手帖の編集長だった時の本。
    挨拶すること、清潔でいること、笑顔ー当たり前だけど大切で、なかなかいつもできていないことがなぜ大切か説いてある。
    休日の過ごし方とか、人付き合いとか、思っていることを代弁してくださってて、そうそう!と思いながら読んだ。
    フリーランスでなくても、組織の中で自立して仕事したいと思う人には良書。

  • 「自分は何がしたいのか」ではなく、「自分を社会でどう役立てるか」を考える。約束を守り、時間を守り、その先で相手を喜ばせるかが大切。報酬には、仕事+生活+健康が含まれている。人と関わる3つのアプローチは、笑顔、挨拶、自分の意見。成長にはちょっと自信がないくらいでちょうどいい。勇気と見込をもったチャレンジは失敗しても成長できる。

  • 大して長くもなく難しくもない本なのに、あんまり好きな文章ではなくて、1年かけてようやく読み終えました。ビジネス書の類いが苦手なのもあります。
    健康管理も仕事、休日を充実させる、規則正しい生活をする、自分の予定も先に加える、とか考えや行動は似ているところもあり。PCを見ない、情報遮断とかまったく違うところもあり。
    職業は同業ではあるし、読むと謙虚な気持ちに立ち返ることができて、とても参考になりました。
    役立ったのは、納得できないときはうんと相づちを打たずに首をかしげる、というところ。ついつい、うんうんと先に受け入れてしまい、言いくるめられることもけっこうあった気がするので。

  • 130331*読了
    松浦さんの仕事術に限らず、生き方というのは、本当にシンプルかつベーシック。潔い。
    そんな風に生きたいと思っても、なかなかできないのが自分の弱さ。怠けている点。
    ほんの少しずつでもいい、自分の信念を貫くという姿勢。自分のベーシックを整えていきたい。

  • 職場の先輩に薦められて読んだ一冊です☆
    「暮しの手帖」編集長、書店経営、文筆家の三つの仕事を持つ松浦弥太郎さんが働き方に関する考え方をわかりやすくまとめた本です。

    時間の使い方やベースとなる考え方として大切なことが松浦さんの実体験をもとに書かれています。

    自分も徐々に中堅社員のポジションとなるが、年齢・キャリアを重ねても、好奇心とチャレンジング精神は、常に持とうと改めて感じました☆

  • 仕事とは、自分を「役立てる」こと。
    さらに、自分の仕事のスケールを大きくするには、人を立てる、人を「主役」にすること。

    「役」でつながる、2つの指摘です。

    いずれも、「暮らしの手帖」編集長、松浦弥太郎さんの著書「松浦弥太郎の仕事術」からの引用です。

    まず、「自分を役立てる」について、著者は、次のように書いています。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    人との関係の中で、どのように「自分」を生かしていくかを考えなければ、
    何をしても仕事にはならない。

    逆に自分を社会の中で役立てる方法が見つかれば、仕事になる。

    (中略)

    「自分は何がしたいか?」ではなく、
    「自分を社会でどう役立てるか」を考える。

    最終的には、その仕事を通じて人を幸せにしていくことを目標にする。

    これさえ忘れなければ、よき仕事選びができます。
    毎日の働き方が変わります。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    もう一つの、人を主役にするという指摘は、次の箇所。
    「その人の後ろの五十人を意識して仕事をする」というテーマで書かれているものです。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    人を立て、その人を主役にすること。
    これができるようになったとき、組織での仕事はずいぶん円滑にいき始めました。

    (中略)
    あらゆる仕事は、人との関係で成り立っています。

    そこでいつも自分を押し通そうとしても、よい結果にたどり着くことはありえません。

    「人を立てる」とは、相手を応援するばかりでなく、自分の仕事のスケールを大きくすることなのかもしれません。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    社会の中で人の役に立つこと、人を幸せにすることを目標にする。
    どんな仕事でも、そこを目標に進んでいけばいい。

    一人でできることは限られているので、
    人を主役にし、人を生かす。
    それによって、自分も生かされるのだと思いました。

  • 内容がシンプルで読みやすい。すっと入り込んできた。

  • 仕事に対する基本的な考え方、取り組み方が書かれています。
    当たり前のことですが、しっかりと取り組みたいものですね。

  • 「自分が何をしたいのか?」ではなく、「自分を社会でどう役立てるか」を考える。

    きちんとした挨拶をする
    身だしなみが清潔
    笑顔を忘れない

    悩んでいいんだ、と思った。

  • 良い意味で非常に古典的日本(人)的な仕事術というのが第一印象で、特に最初の「仕事とは「自分」を役立てること」という一言が僕にとってはインパクトがありました。本書ではジョブズのスタンフォードでのスピーチが紹介されていたりもしますが、ジョブズの仕事の仕方にはそういう視点はなかったのではないでしょうか。たとえ「世界にインパクトを与えたい」という目的はあったとしても。
    もう一点、例えば、近頃は80%の出来のものをまず上司に渡してどんどん仕事をこなして行くというようなことが推奨されがちです。これは、確かに効率はよいのかもしれません。しかし著者は、「仕事においては、80%の出来でも何とか許される合格点、時にはそんなこともあるかもしれません。しかし、ぎりぎりの合格点などというものは、プロである以上、忘れた方が良いラインです。」と一蹴します。さらに「100%のことをするのが、仕事の世界ではスタンダードなルールだということです。できればそれすら超えて、200%を目指しましょう。言うまでもなく、200%とは物量的なことではなく、受け取ってくれる人の喜ぶ度合いを指しています。自分なりの付加価値を付けて、相手を喜ばせることが、僕の言う200%なのです。」と続けます。これは、僕の考え方を元に戻してくれました。
    その他、自分にとって目から鱗が落ちたタイトルを紹介しますと、「健康管理という仕事」、「休日を充実させてセンスを磨く」、「自主性はオフの日に訓練する」、「一人の時間を確保する」、「その人の後ろの50人を意識する」、「観察力とテレパシー」、「行動のエンジンは思索」、「頭の中に白い画用紙を置く」、「パソコンより頭と手を使う」、「チャレンジと賭けを間違えない」、「生涯のお守りになるルール」、「流されたら理念に戻る」などです。
    最後に、「おわりに」で書かれていたように、「きちんとした挨拶を行うこと」、「身だしなみが清潔であること」、「笑顔を忘れないこと」の3つのルールを仕事と暮らしにおいて大切にして過ごすことで、「運気を味方にすること」が可能になるという言葉も含めて、これから社会に出て行く学生にも伝えるべきだと思いました。
    *そう言えば、偶然ですが、レビュー済みの「ソロー語録」も本書で紹介されておりました。

  • 絶対に手が届かない理想の形。でもこんな風に心がけて仕事したい。

  • 得たモノがあった。

    筆者の仕事に向かう姿勢が凄いな、と感じた。
    わからないことをメモして瓶に入れておいて、時間ができると、調べるという方法は簡単だけど、いいな、と思った。

  • 「生涯のお守りになるルール」の章が特に印象に残った。・飾らないこと。・真似て学ぶこと。・嘘をつかないこと。・約束を守ること。・自立すること。・欲張らないこと。・心を込めること。当たり前なようでいて、なかなかできないことばかりです。

  • 「暮らしの手帖」の編集長を務める松浦弥太郎氏が仕事術について纏めた一冊。「COWBOOKS」、「暮しの手帖」のイメージに代表される”センスの良さ”が、何から生まれているのかに着目して読んでみた。

    ◆本書で紹介されている仕事術の主なポイント
    ・きちんとした挨拶を行うこと
    ・身だしなみが清潔であること
    ・笑顔を忘れないこと
    ・自分の意見をはっきり伝えること
    ・飾らないこと
    ・真似て学ぶこと
    ・嘘をつかないこと
    ・約束を守ること
    ・自立すること
    ・欲張らないこと
    ・心を込めること

    そこには説明の必要がないくらいに、当たり前の言葉が並ぶ。ひょっとすると、センスや品格というのは、人間としての基礎力をバランス良く向上するということから生まれるものなのかもしれない。当たり前の言葉の羅列を眺めていると、自分はこの人に一生敵わないのではないかという気もしてくる。”敵う”とか”敵わない”とか、そういうレベルでモノを考えている時点で、立っているフィールドが違うのだ。

    本文中の記述によると、著者はGmailもTwitterも一切使わないそうだ。最新情報を知ることに努めたうえで、使わないという判断をくだしているとのこと。流行や人の動向に左右されず、自己の確立にひたすら励む。そんなところにも著者の個性があらわれている。

  • 仕事への考え方など参考になり、繰り返し読んでいます。読むたびに勉強しよう!と思うのに、なかなか始められていません。

  •  健康管理という仕事。自分がプロとして携わる仕事の道具は大切に取り扱い、最良の働きができるようにメンテナンスを忘れない。アスリートであれば、睡眠時間や普段の食事などを徹底的に自己管理する。体調管理をするということは、心と体を全ての人が使う道具ととらえて、どんなに難しいクライアントよりも体調管理を優先すべきということ。
     いい仕事をするためには、「第一の仕事とは健康管理、第二の仕事とは生活を楽しむこと、第三の仕事とは仕事すること」が大切だ。
     仕事をするときに、心がけること。松浦氏は「人を信じて、人に任せる試みを始めました。その人を主役にする試みを始めました。」という。
     敢えて距離を縮めない。プロとしてビジネスをするのだから、プライベートな付き合いまでする必要がない。問題をまる投げせずに、自分で考えること。上司に頼まれたら、まずは「いつまでにやります」と返すこと。今すぐなんて仕事はめったにない。上司に満足できるタイミングと、その期待を裏切るようなスピードで。

著者プロフィール

松浦弥太郎(まつうら・やたろう):東京生まれ。アメリカの古書店にインスパイヤーされてm&co.booksellersを立ち上げる。『暮しの手帖』編集長を経て、現在は会社経営、執筆・編集活動、映像、コンサルタント、商品開発、メディア出演など、枠を超えた活躍を続けている。著書に、『仕事のためのセンス入門』、『センス入門』、『ほんとうの味方のつくりかた』、『僕の考える投資について』、『期待値を超える』など多数。

「2022年 『それからの僕にはマラソンがあった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松浦弥太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×